
群馬県高崎市にある「榛名神社」。榛名山の中腹にある神社で境内には奇岩や巨岩、滝などの景勝地や貴重な文化財が点在しています。近年は県外からも多くの参拝客が多く訪れ、関東屈指のパワースポットとして注目を集めている神社です。
そんな「榛名神社」と周辺エリアを巡るおすすめの参拝コースに加え、榛名山麓にある観光スポットを周遊できるプランをご紹介。ご利益あり、グルメあり、癒しありの旅を満喫しましょう。
パワースポット「榛名神社」へ

榛名山の中腹に位置する、586(用明天皇元)年に創建された、1400年以上の歴史を誇る榛名神社。社家町の商店街の上り坂を上りきり、参道の入り口となる随神門を一歩潜れば、神聖な境内に入ります。
主祭神には火の神様「火産霊神(ほむすびのかみ)」と土の神様「埴山毘姫命(はにやまひめのかみ)」を祭り、古来より五穀豊穣や商売繁盛、鎮火、開運などのご利益があるといわれています。
1806(文化3)年に建てられた本殿、幣殿、拝殿からなる本社は、赤と黒を基調に金箔や彩色、彫刻が施された豪華な造りが特徴的な、江戸時代に流行した権現造り(ごんげんづくり)の建物です。
本社に加え、神楽殿、国祖社・額殿、双龍門、神幸殿、随神門なども国の重要文化財に指定されています。
2024年現在は、本殿、幣殿、拝殿、神楽殿が保存修理工事のため拝観はできませんが、拝観・参拝は国祖社・額殿にて行うことができます。
※本殿、幣殿、拝殿は令和7年12月まで、神楽殿は令和8年12月末までの工事予定です。

「榛名神社」の入口となる随神門をくぐると、目に飛び込んでくるのは、深緑に映える鮮やかな朱色の「みそぎ橋」。川や海の水で体を洗って清める「禊(みそぎ)」に由来し、清流をまたぐこの橋を渡ると禊と同じ役目を果たすといわれています。

橋のすぐ手前では、七福神の一人・寿老人の像がお出迎え。まるで参拝者を見守るように建っています。ほかにも、参道のいたるところに七福神の像が建っているので探してみてください。

本殿まで約700メートルの参道は、木々がうっそうと茂り、苔むした道が続きます。自然が作り出した奇岩・巨岩や滝などの景勝地が点在し、境内全体が自然のパワーに満ちているようです。

みそぎ橋を過ぎると、右手には「千本杉」という立て看板が。樹齢100年から400年の杉の木が1,000本以上あったことから、このように呼ばれています。

生命力に満ちた千本杉の近くにあるのは、奇岩のひとつ「鞍掛岩(くらかけいわ)」。本来は洞窟状だったものの、部分的に岩が崩れたことで鍋の持ち手のような形状になったようです。

参道には無料で休める休憩所が設置されています。往路は上り坂が続くので、疲れたら中にあるベンチで一休みしてください。すぐ隣には土産・休憩処「みそぎ屋」もありますが、参拝後のお楽しみにとっておいて、まずは神社を目指しましょう。

休憩所から少し進んだ場所にあるのは、1869(明治2)年に完成した「神宝殿」。県内に唯一現存する三重塔で、県の重要文化財に指定されています。
1868(明治元)年に発布された神仏分離(しんぶつぶんり)令*で一度は取り壊しの命を受けるも、五柱の神様を祀ったことで危機を免れました。神社とお寺が共存していた時代の名残を感じさせる建物です。
*神仏分離令…明治政府が神道の国教化を目的として、神社から仏教的な要素を排除するように定めた法令のこと。

「神宝殿」を過ぎてさらに進むと、神門へ続く階段の手前に、「矢立杉(やたてすぎ)」がそびえています。武田信玄が箕輪城を攻める際に戦勝を祈願して、この木に矢を放ったという言い伝えが残っています。
樹齢600年と推定される、高さ55メートル、幹の周囲9.4メートルの巨木で、国の天然記念物に指定されています。

「矢立杉」の目の前には、神聖な本社へ入る前に手を清める「手水舎」が。湧き出る水は手洗い場から望める「瓶子の滝(みすずのたき)」と同じ、榛名山麓の天然水が流れています。
ちなみに「瓶子の滝」という名前は、細く流れる滝の両脇の岩が神様に神酒を捧げる際の酒器(瓶子)に見えることが由来です。

神門をくぐると、いよいよ本社へ通じる「双龍門(そうりゅうもん)」が見えてきます。1855(安政2)年に建てられたこの門は、全体に彫刻が施されており、なかでも龍が多く彫られていたことから「双龍門」という名前が付いたそう。
門の左側にそびえる迫力のある奇岩は、昔使われていた武器の一種である「鉾(ほこ)」に形が似ていることから「鉾岩(ぬぼこいわ)」と呼ばれるようになりました。

自然の産物である奇岩・巨岩が多数見られる「榛名神社」。実は「榛名神社」の本殿は「御姿岩(みすがたいわ)」と呼ばれる大きな岩のことを指します。
榛名山の噴火によって発生した巨岩や奇岩は、神が宿る神聖な存在として、古くから厚い信仰を集めてきました。「榛名神社」の信仰は、この巨石信仰から始まったといわれています。
本社は「御姿岩」の前面と接続するように建てられており、御神体は「御姿岩」内の洞窟に安置されているといわれています。全国的に見てもめずらしい造りの建物で、国の指定重要文化財です。

取材時は本社が保存修理工事中のため、「国祖社(こくそしゃ)」でお参りしました。
国祖社とは、住宅でいう離れのような役割を持った小さなお社のことで、主祭神とは異なる三柱の神様が祭られています。本社の摂社で、国の重要文化財に指定されている建物です。

社務所の前ではお守りやお札、御朱印などが授与されています。

授与所の向かい側には各種おみくじも。おみくじは神様の意思が表れるものと考えられているため、参拝のあとに引くことで、神様の言葉を拝受できるとされています。

雨乞いの神社としても知られる「榛名神社」では、ご神水を神前に供えて祈祷し持ち帰る雨乞いの行事が「とても効果があった」と語り継がれてきました。そのご利益にあやかることができるのが、水に浸すと文字が浮き出る「水みくじ」(1つ200円)です。

おみくじを引いたら、さっそく水神楽のご神水に浮かべてみましょう。おみくじ場・水神楽は、参道を往路で立ち寄った休憩所のあたりまで下った場所にあります。
水鉢のご神水におみくじを浸すと一瞬で文字が浮かび上がってきました。浮かび上がる文字は一度消えるとそのまま読めなくなってしまうため、大切な言葉は写真に撮っておくと良いですよ。

おみくじを浸す水神楽は、「水琴窟(すいきんくつ)」という仕掛けが施されています。
竹筒から流れる水をすくって地面の赤い岩の部分に注ぐと、地下の瓶に水滴が滴り落ちて美しい反響音が聞こえてくるので、ぜひ試してみてください。

おみくじは持ち帰って大切に保管してもいいですが、水神楽の横に設置された「廻運燈籠(かいうんとうろう)」に納めることもできます。自分の干支の納め口からおみくじを差し込み、相合傘をイメージして作られたという燈籠を回転させると運が巡ってくるそうです。
榛名神社
- 住所
- 群馬県高崎市榛名山町849
- 参拝時間
- 7:00~18:00(冬期は17:00まで)
- 定休日
- なし
- アクセス
- 【電車】JR「高崎」駅よりバスで約1時間10分
【車】関越自動車道「前橋」ICより約1時間 - 公式サイト
- 榛名神社
榛名神社門前の社家町を散策


「榛名神社」の門前に広がる社家町は商店街になっており、昔ながらの宿坊や飲食店、土産屋などが軒を連ねています。お参り前後に立ち寄って散策しましょう。
商店街には「榛名神社参拝者駐車場」という広い駐車場がいくつも設けられているため、車で来た人も気兼ねなく街歩きを楽しめます。
榛名神社周辺のグルメスポット
参道の休憩処「みそぎ屋」で榛名の梅を堪能

榛名神社参拝の前後には、水神楽の目の前に店を構える「梅の店 みそぎ屋」でほっと一息つくのもおすすめ。
手作りの甘味やみそおでんが提供されるお店で、参拝客たちの憩いの場として親しまれています。

名物は、梅の栽培が盛んな榛名地域で採れる大粒の梅の実を使った「榛名まあちゃんの梅干し」(1パック350円)。祖父の代から受け継がれてきた味と製法を守って作られています。
無添加・無着色にこだわった、すっぱくてしょっぱい昔ながらの梅干しは、肉や魚の煮つけやお茶漬けなどと相性抜群!
また、落ちずに樹上完熟した梅の実だけで漬けた、縁起物の梅干し「祝梅」(1粒200円)や、難が去る・病気が去るといわれる申年のなかでも、60年に一度の甲申(きのえさる)に収穫した梅の「甲申年の梅干し」(1粒300円)など、貴重な梅干しも。
受験祈願、長寿の祝い、健康祈願、魔除けなどの願いを込めて、自分や大切な人に贈りたいですね。

梅干しのほかにも梅ジャムや梅シロップ、梅酢、梅みそといった手作りの梅加工品もあります。いずれも無添加・無着色によるやさしい味わいと、際立つ梅の香りが楽しめる品々です。

中でも「かぐら梅まんじゅう(ピンク)」(1個220円)は見逃せません。
山芋を練り込んだふわふわモチモチの生地の中にはしっとりとした白あんと、青梅か赤梅のやわらかい甘露煮が1粒丸ごと包まれています。店主の親戚である和菓子職人が製造しているそうです。

店先で販売する「みそおでん」(1本100円)や「ちからこんにゃく」(1本100円)は、たくさん歩いて小腹が空いてくる帰り道にぴったり。

「みそおでん」はうめ味噌、ごま味噌、さんしょう味噌くるみ味噌などから、好みの味が選べます。


店内の奥には16席ほどのイートインスペースがあるため、「ご神水抹茶」(300円)や「ご神水梅ジュース」(300円)などをお供に、おまんじゅうやおでんを味わいながら休憩することも可能です。
冷たい飲み物や甘味に癒され体力が回復したら、参道の出口へ向かって再び歩き出しましょう。
梅の店 みそぎ屋
- 住所
- 群馬県高崎市榛名山町849
- 営業時間
- 9:00~16:00
- 定休日
- 火曜、他不定休
- アクセス
- 関越自動車道「前橋」ICより約1時間
参拝の前後に、社家町名物の門前そば

社家町の商店街にはいたるところに「門前そば」の看板が掲げられています。
江戸時代、「榛名神社」参拝に訪れた人々へのもてなし料理としてそばが振る舞われていたことから、現在でもこの地域では名物料理として親しまれているそうです。
参拝前後は「門前そば」でエネルギーチャージしましょう!

赤い大鳥居をくぐってすぐの場所にあるのは、榛名の湧き水で毎朝打ちたてのそばを振る舞う「手打ちそば いっくう」。
店主は趣味のそば打ちが高じて、勤めていた会社を辞めてそばの道へ。過去に父が営んでいた食事処をリニューアルしてこのお店を開業したのだとか。

囲炉裏のあるカウンター席や座敷席のある落ち着いた雰囲気の店内では、赤城山麓産の無農薬栽培にこだわったそば粉と、榛名山の清らかな湧き水で打ち上げる「二八そば」がいただけます。
二八そばとは、そば粉が8割、小麦粉2割で作ったそばのこと。石臼挽きしたそば本来の風味とツルツルとしたのど越しの良さが魅力です。

冷たいせいろで食べると、のど越しが良い細切りのそばをより堪能できます。
カツオのだしが効いた甘口のそばつゆでシンプルに味わうのも良いですが、滋養豊富な山芋のとろろにつけていただく「つけとろ」(1,150円)は、疲労解消にも効果がありそう。お好みで、ウズラの卵をとろろに溶いていただきます。

かつお節、小ねぎ、天かす、そして揚げたソバの実をトッピングした「ぶっかけ」(1,150円)は、通年で人気のあるメニュー。カリカリに揚げたソバの実やサクサクの天かすなどの食感が良いアクセントになっています。
暑い季節は千切り大根や大葉やミョウガといった薬味たっぷりの「すずしろ」(1,150円)もさっぱりとしていておすすめです。
手打ちそば いっくう
- 住所
- 群馬県高崎市榛名山町152
- 営業時間
- 11:30~15:00
- 定休日
- 木、金曜日 ※冬季(12月~3月)は不定休
- アクセス
- 【電車】JR「高崎」駅よりバスで約1時間15分
【車】関越自動車道「前橋」ICより約1時間
田舎体験ができる「魚籠屋」

県道33号線を少し下っていくと、道沿いに現れるのがかやぶき屋根の日本家屋「魚籠屋(びくや)」。生きたままの新鮮なイワナやヤマメを使った川魚料理をはじめ、山菜料理や上州の郷土料理が堪能できるお店です。
囲炉裏を囲みながら、五感全てを刺激する極上の田舎体験を全身で味わうことができます。テレビの旅番組などでもたびたび取り上げられているので、見たことがある人もいるかもしれませんね。


店内に一歩足を踏み入れば、そこはまるで日本昔話のような世界。中央に据えた囲炉裏では、薪がパチパチと音を立て、囲炉裏の煙では魚が燻され、渓流を模した人工池ではイワナやヤマメが泳いでいます。

店を切り盛りするのは、渓流釣りが趣味だった父親が始めた店を継ぐ、2代目店主の新井正生さん。もともと「魚籠屋」は渓流魚専門の釣り堀でしたが、社会のニーズの変化に合わせて渓流魚料理専門店に転換しました。
現在では田舎体験と川魚料理が自慢の飲食店として連日多くの観光客が訪れています。

看板メニューの川魚料理で、まず味わいたいのが「岩魚塩焼」(1匹825円)。薪と熾火(おきび)の遠赤外線効果で骨までやわらかくなった岩魚は、皮はパリッと身はふっくらに仕上がり、頭からしっぽまで残さず食べることができます。
イワナは通年食べられますが、5月から9月は期間限定でヤマメが注文可能です。

イワナの塩焼きとともに味わいたいのが、群馬県の高山村や倉渕町産のブランド米を使用した「焼きおにぎり」(2個セット600円)。炙ったイワナの骨を漬け込んだだし醤油をぬって、囲炉裏でじっくり焼き目をつけたおにぎりは、焦げ目の香ばしさのなかに魚の旨みが感じられます。

刺身やたたきといった生食でいただけるのも、養殖の川魚だからこそ。刺身用に大きく育てた2年物のイワナは、臭みがなく脂がのっていて、噛みしめるほどにまろやかな甘みが広がります。
ちなみに、塩焼きにするなら、骨がやわらかい1年物の若いイワナがいちばんおいしいのだそうです。付け合わせには地元農家が育てた季節野菜の天ぷらや浅漬け、焼き野菜、青菜の和え物といった山の味覚がついてきます。

囲炉裏で10時間ほどじっくり焼いて作る、骨酒用の「イワナの焼き干し」(700円)はお土産に最適。時間をかけて焼いて臭みをしっかり飛ばしているため、注いだ熱燗が冷めたあともおいしく飲めます。
なお、「魚籠屋」では席の予約は不可となっているため、ランチがお目当ての場合は早い時間に訪問しましょう。
開店時間が近づくにつれて多くの人が順番待ちをしているため、朝9時半頃から始まる受付に名前を書いてから「榛名神社」を参詣し、開店までに戻ってくるとちょうどいいのだとか。
※15時受付終了。1日30組まで。10名以上の団体は受付不可。
または早めの夕食として昼過ぎに受付を済ませ、夕方に入店するのもおすすめ。前日までに伝えておけば、店主気まぐれのコース料理を頼むことも可能です。
現代では触れる機会が少なくなってしまった、古き良き日本の食文化を体験しに出かけてみてはいかがでしょうか。
魚籠屋
- 住所
- 群馬県高崎市榛名山町360
- 営業時間
- 夏季(4月~11月)11:30~18:00 (17:00L.O.)/冬季(12月~3月)11:30~17:00(16:00L.O.)
- 定休日
- 火・水曜(祝日の場合は翌日)
- アクセス
- 【電車】JR「高崎」駅よりバスで約1時間
【車】関越自動車道「前橋」ICまたは「高崎」ICより約1時間 - 公式サイト
- 魚籠屋
榛名神社周辺のお土産
榛名の陶芸工房のギャラリー

「門前仲まち」にある「クラフト・陶器 榛名窯」は、週末のみ営業している陶器店。
店主の川畑博子さんは、榛名山麓の中室田町という自然豊かな場所に工房を構え、そこで生徒数50名ほどの陶芸教室も開いています。

店内に並ぶのは、工房で制作された個性豊かな器や陶器製のアクセサリーといった作品の数々。
ろくろや手びねり、自由に造形できるたたら作りなど、多彩な技法で作られた作品が並んでいます。川畑さんの作品だけでなく、なかには陶芸教室の生徒が制作したものや、地元の作家仲間が持ち寄ったものも。


川畑さんは陶芸が盛んな佐賀県有田町近くの出身で、たびたび有田を訪ねては陶芸の世界に触れてきたそうです。転勤族だったご主人の定年を機に、自然の豊かさに魅了された榛名エリアに移住。赤松が植えられていた自宅の庭にレンガで穴窯を手作りし、陶芸家として第二の人生を歩み始めました。
赤松の薪を使って1,250度の高温で焼成する自然釉(ゆう)の壺や花器は、赤松の灰が生み出す緑がかった色合いが魅力的です。
大量の薪を使うため、穴窯に火を入れるのは5年に1度だけなのだとか。貴重な自然釉の焼物を見ることができます。


自然釉の作品だけでなく、さまざまな釉(うわ)薬や絵付けの技法を取り入れて電気窯や灯油窯で焼き上げた作品も。手書きの絵付けや、和紙染め、イッチン描きと呼ばれる絵具を絞り出して模様をつける技法など、さまざまな風合いの器と出会うことができます。


ゴロっとした陶器の質感や色や柄がかわいらしいペンダントやブローチなどのアクセサリーも見逃せません。手持ちの洋服に合わせたくなるような、陶器製のボタンなどもあります。
気さくな店主との会話をしながら、お気に入りの作品を探してみてください。
クラフト・陶器 榛名窯
- 住所
- 群馬県高崎市榛名山町157-1 A棟2号
- 営業時間
- 11:00~15:00
- 定休日
- 月~金※土日祝祭日のみ営業
- アクセス
- 【電車】JR「高崎」駅よりバスで約1時間15分
【車】関越自動車道「前橋」ICより約1時間
群馬土産がそろう土産物屋でお買い物


こちらは社家町の門前にある「みやもとドライブイン」。高崎土産はもちろん、群馬土産も充実しているため、お土産のまとめ買いに最適です。
土産物コーナーの奥には、広々とした食事処があり、うどんやそばといった食事に加え自家製の甘味噌を使ったみそおでんなどの軽食もいただけます。

店内には地酒や菓子、群馬特産のこんにゃくなど、ありとあらゆるご当地土産が。
舘林市にある正田醤油の群馬限定商品「くるみゆべし」(650円)や、榛名神社の「参拝記念 黄金栗まんじゅう」(6個入600円)など、この土地ならではの商品が県外からの参拝客に人気です。

また、榛名地域の農家から仕入れる梅を使った「自家製梅シロップのジュース」(水割り・炭酸割り各400円)もぜひ試してもらいたい一品。
梅の爽やかな酸味と、砂糖漬けにしたトロトロの梅の実の甘さが絶秒なバランスで、疲れた体にしみわたります。
みやもとドライブイン
- 住所
- 群馬県高崎市榛名山町181
- 営業時間
- 9:00~16:00、食事処9:00~15:00
- 定休日
- 不定休
- アクセス
- 関越自動車道「前橋」ICまたは「高崎」ICより約1時間
- 公式サイト
- みやもとドライブイン
足を伸ばして榛名湖へ

参詣のあとは、四季折々の景色やアクティビティが楽しめる榛名湖までドライブに行きましょう。市街地と比べて10度は低い高原のため、涼を求めて夏場に訪れるにはぴったり。「大正ロマン」の画家・竹久夢二もこよなく愛した景色です。
自然と触れ合う湖畔アクティビティ

標高1,100メートルに位置する「榛名湖」は、榛名山の火山活動によって発生したカルデラ湖*。山々に囲まれた美しい景観が魅力的で、榛名湖を含めた約395ヘクタールの「県立榛名公園」では、年間通して美しい自然と触れ合ったり、さまざまな湖畔アクティビティを体験したりすることができます。
4月下旬からゴールデンウィーク頃まではオオヤマザクラが美しい季節。5月中旬頃までは色鮮やかな朱色のヤマツツジが沼ノ原地区一帯に群生する様子が見られ、6月には入れ替わるようにレンゲツツジが咲き誇り、新緑の榛名富士とのコントラストが楽しめます。
*カルデラ湖…噴火してできた陥没地に、水が溜まって形成された湖のこと

また、ニッコウキスゲによく似たユウスゲの群生も見どころのひとつ。夏の夕暮れに咲くというユウスゲは、7月から8月の夕暮れ時になると、湖東側の「ゆうすげの道」に淡い黄色の花を咲かせます。

榛名富士をはじめとした周囲の山々が色づく秋や冬の真っ白な雪化粧も見事。特に秋の紅葉は、カエデやモミジ、ヤマウルシ、カラマツ、サクラなどのさまざまな木々が鮮やかな紅や黄色に染まり、湖に反射する榛名富士を見ることができます。

緑や紅葉が見頃となるシーズンには、湖や湖畔のアクティビティが実施されます。湖畔には複数のボート乗り場があり、手漕ぎボートや足漕ぎのスワンボート、モーターボートへの乗船も可能です。
新緑や紅葉が見頃を迎える季節には、ボートに乗って湖へ漕ぎ出し、色づく榛名富士を間近に眺めて雄大な自然を身体いっぱいに満喫しましょう。


トテ馬車や乗馬、ゴーカート、ロープウェイといったレジャーも満載。
榛名富士から湖畔までの往復約20分の道のりを、パカパカと揺られながらお散歩できる「トテ馬車」は、4月~11月のみ体験可能です。馬との触れ合いが楽しめる乗馬体験も、愛らしい表情に癒されます。
また、爽快感抜群のゴーカートは特にファミリー層に大人気。営業期間は5月~11月の週末と祝日のみですが、夏休み期間中は毎日営業しています。
榛名湖・県立榛名公園
- 住所
- 群馬県高崎市榛名湖町
- 営業時間
- 24時間
【トテ馬車】10:00~15:00※4月~11月のみ営業
【ゴーカート】10:00~15:00※4月~11月の土日祝、ゴールデンウィーク、夏休み期間は毎日営業 - 定休日
- なし
- アクセス
- 関越自動車道「前橋」ICまたは「渋川」ICから約50分
- 詳細
- 県立榛名公園
「竹久夢二アトリエ」で夢二の世界に思いを馳せる

「榛名湖畔の宿記念公園」の一角にひっそりとたたずむ2階建ての建物は「竹久夢二アトリエ」。
「大正ロマン」を代表する画家・竹久夢二が過ごしたアトリエ兼住居を、現存する資料を基に復元した施設が建っています。 竹久夢二は榛名湖と榛名富士が織り成す風光明媚な景色に魅了され、1930(昭和5)年にアトリエとなる山荘を榛名湖畔に完成させました。


趣のある木造の日本家屋は、1階に夢二が芸術活動に勤しんだアトリエで、2階には玄関や厨房、奥には榛名湖と榛名富士が見渡せる眺めの良い6畳二間の空間が広がっています。
榛名での新たな芸術活動を夢見て晩年を過ごした夢二に思いを馳せながら、彼が愛した榛名の景色を見つめる静かなひと時を過ごしてみてくださいね。
竹久夢二アトリエ
- 住所
- 群馬県高崎市榛名湖町848
- 開館時間
- 9:00~16:00
- 休館日
- 12月~4月上旬まで
- アクセス
- 関越自動車道「前橋」ICより約55分
緑豊かな倉渕エリアへ

榛名エリアをあとにして、群馬の隠れた名湯を求めて軽井沢方面へ。車を約30分走らせると自然溢れる倉渕町にたどり着きます。湯脈が張り巡らされた倉渕町には、効能さまざまな源泉を引く温泉宿が点在。日帰り入浴もできるので、汗を流して旅の疲れを癒しましょう。
隠れた薬湯「相間川温泉」で疲れた体をリフレッシュ

倉渕の豊かな自然に囲まれた天然温泉宿「相間川温泉」は、茶褐色が特徴の効能豊かな温泉が自慢。都会の喧騒から離れ、夏はセミの鳴き声が響き渡る森のなかで、非日常的な時間を過ごすことができます。
宿泊はもちろん、日帰り温泉としての利用も可能。館内には釜めしが名物のレストランや、湯上りにまったりできる畳のお休みどころも完備しています。


湧出温度は62℃、茶褐色のお湯は鉄分と塩分を多くむ塩化物強塩温泉。体を芯から温めてくれるため、湯上り後もしばらくは体がポカポカしています。
冷え性改善や、神経痛、関節痛、肩こりの痛みを和らげる効果が期待できるほか、塩分の殺菌効果により切り傷ややけどにも効くとされている効能豊かな温泉です。
長湯できないほど濃厚なことから「隠れた薬湯」と称されています。


八角形のドーム型の屋根が特徴の、開放感に満ちたレストランでは、1日20食限定で振る舞われる「季節の釜めし(みそ汁、おしんこ、サラダ付き)」(990円)が名物。
キノコや山菜などの旬の食材と、倉渕産コシヒカリ「はんでえ米」を用いて炊き上げる釜めしは、注文を受けてから火をつけるため、炊き立てのおいしさが味わえます。※注文は14:00まで。
相間川温泉
- 住所
- 群馬県高崎市倉渕町水沼27
- 営業時間
- 日帰り入浴10:30~19:00(最終受付18:00)/レストラン12:00~14:30(14:00L.O.)
- 定休日
- 火曜<
- 入館料
- 大人(中学生以上)520円、子供(3歳~小学生)250円※3時間以上の利用は延長料金として1時間ごとに大人110円、子供60円
- アクセス
- 【電車】JR「高崎」駅より約80分
【車】関越自動車道「高崎」ICより約60分
倉渕の自然の恵が勢ぞろい「道の駅 くらぶち小栗の里」

ドライブ旅の定番・道の駅に立ち寄って、地元の特産品や農産物を購入するのもおすすめ。
国道406号沿いにある「道の駅 くらぶち小栗の里」は、榛名・倉渕エリアの豊かな大地に育まれた農産物や農産物加工品、民芸品などを販売する、食と文化の発信拠点。
館内には農産物直売コーナーや郷土料理を振る舞う食事処、24時間開放している屋上デッキなどを備えています。

農産物直売コーナー「ふるさと市場」には、榛名山麓の冷涼な気候を生かして栽培されたお米や朝採れ野菜や果物をはじめ、農産物加工品や、地元の生産者が作る総菜や和菓子などがずらり。
春はワラビやフキノトウといった山菜、夏から秋はミョウガ、冬は雪の下で甘みを蓄えたちぢみほうれん草、鍋料理にぴったりのヒラタケなどを特産品として販売。
また、榛名山麓の下里見地区ではナシやブドウ、プラムといった果樹栽培が盛んなため、鮮度抜群で上質なフルーツもお得に購入できます。

倉渕町の塚越農園が手がける「雪の下人参ジュース」(720ml 860円)や「雪の下ニンジンジャム」(540円)は、倉渕町の昼夜の寒暖差によって育まれた甘みの強いフルーツニンジンのおいしさが凝縮された商品です。

倉渕産の米粉と地元豆腐店の豆乳で作るグルテンフリーのシフォンケーキ「天日干し米のケーキ」(1個250円~)も倉渕ならでは。
豆乳風味で甘さ控えめの健康志向なおやつは小さな子どもでも安心して食べられます。種類はプレーンや豆乳紅茶のほかに、野菜フレーバーなども季節限定で登場するそうです。

倉渕が誇るブランド米「はんでい米」(1キログラム 950円、5キログラム 4,500円)もここで購入することができます。
刈り取った稲を2~3週間かけて天日干しする昔ながらの農法で作られる天日干し米。多くの手間と時間を要するため、幻のお米といわれています。
稲を逆さに吊るして太陽の光で乾燥させることで、稲全体の栄養が米粒一つひとつに凝縮され、甘みや旨みが増すのだそうです。

店頭に並ぶのは新米が出てくる11月頃からとなり、年明けまでには売り切れてしまうのだとか。貴重な天日干し米をお買い求めの際は、入荷状況をよく確認してから出かけましょう。
道の駅くらぶち 小栗の里
- 住所
- 群馬県高崎市倉渕町三ノ倉296-1
- 営業時間
- 9:00~18:00(食堂は11:00~14:00)
- 定休日
- 第2木曜、12月31日~1月3日
- アクセス
- 【電車】JR「高崎」駅よりバスで約1時間
【車】関越自動車道「前橋」ICより約50分 - 公式サイト
- 道の駅くらぶち 小栗の里
自然の産物が点在するパワースポット榛名神社を中心に、周辺の観光スポットをぐるりと一周できる榛名・倉渕。
日本情緒ただよう社家町の散策から、山間部ならではの田舎体験、四季折々の表情が魅力の榛名湖散歩、そして癒しの温泉スポットまで、見どころ満載の榛名山麓エリアに遊びに来てみてはいかがでしょうか。
取材・文/鎌田 貴恵子 撮影/横山博之