阿蘇の大自然に囲まれた極上宿「源翠瓏」。個性豊かな温泉付き離れと美食を堪能する大人の旅

源翠瓏(げんすいろう)

数万年前の巨大噴火によりカルデラが形成され、壮大な大地の息吹を感じる熊本県「阿蘇」。その麓の小さな森に2023年8月、誕生した温泉旅館が「源翠瓏(げんすいろう)」です。

約4,000坪の敷地にわずか12室の離れの客室。すべてのお部屋が温泉付きのスイートルーム仕様となっており、プライベートな空間で極上のくつろぎ時間を堪能できます。風光明媚な庭園に癒やされ、九州の山海の幸を用いた美食に酔う――。贅を尽くした源翠瓏での1泊2日の滞在をレポートします。

 

 

 

源翠瓏へのアクセス

遠方からのアクセスも便利

源翠瓏(げんすいろう)

源翠瓏へのアクセスは「JR熊本駅」から、車で約1時間15分。九州自動車道の「益城(ましき)熊本空港IC」「熊本IC」から車で約25分。「阿蘇くまもと空港」からは車で約15分の近さで、東京や大阪など遠方からのアクセスが便利なロケーションです。

 

 

草千里ヶ浜
草千里ヶ浜
上色見熊野座(かみしきみくまのざ)神社
上色見熊野座(かみしきみくまのざ)神社

源翠瓏のチェックインは15時30分から。早い時間に空港に到着する場合は、雄大な阿蘇の自然を感じられるスポットを巡ってから向かうのがおすすめです。宿から車で約40分圏内には、阿蘇を代表する観光名所のひとつ「草千里ヶ浜」や、アニメ映画『蛍火の杜へ』の舞台となり近年SNSでも注目の「上色見熊野座神社(かみしきみくまのざじんじゃ)」があります。

宿周辺には、地元の農産物や加工品が並ぶ「俵山交流館 萌の里」や「らくのうマザーズ阿蘇ミルク牧場」などが点在。また、「阿蘇グリーンヒルカントリークラブ」や「肥後サンバレーカントリークラブ」「阿蘇大津ゴルフクラブ」など、ゴルフを満喫できるスポットが近くに複数あるのも魅力です。

 

山々を背景に重厚感のあるたたずまい

源翠瓏(げんすいろう)

周辺散策を楽しみ、源翠瓏に到着すると最初に圧倒されるのは立派な大門です。阿蘇外輪山の「俵山」を背にした威風堂々としたたたずまいで、門の先にはどのような景色が広がっているのかと、高揚感が高まります。

 

源翠瓏(げんすいろう)

門をくぐると生命力あふれる木々と、風情ある石畳の道。長年この地で育まれてきた木々を残し、地形を生かしたつくりとなっているため、阿蘇の自然を施設内にいながら感じることができます。源翠瓏は宿泊者を中学生以上に限定した大人の宿で、敷地内はとても静か。リラックスして非日常の滞在を楽しめます。

 

源翠瓏(げんすいろう)
源翠瓏
源翠瓏(げんすいろう)

チェックインは石階段を上がった受付棟の客間で。釘を一切使わない繊細な伝統工芸「大川組子」の机引き戸や、折り上げ天井、縁側など和の雰囲気が漂う空間に、モダンなインテリアが調和しています。

 

源翠瓏(げんすいろう)

お着き菓子としていただいたのは、熊本の名物「黒糖ドーナツ棒」。壁一面に広がる大きな窓から美しい木々を眺めながら、有田焼の湯呑みで提供された鹿児島県の「知覧茶(ちらんちゃ)」と一緒に堪能しました。

 

 

全室離れの客室

瑞-Zui-

源翠瓏(げんすいろう)
源翠瓏(げんすいろう)

源翠瓏の客室は「宿泊を楽しんでもらえるように」という思いのもと、12棟の離れはすべて異なるデザインです。どのお部屋も敷地内の共用部や他の客室と十分な距離が保たれており、プライベート感のあるつくりになっています。今回は門から玄関まで専用のアプローチがある「瑞-Zui-」のお部屋に宿泊しました。

 

源翠瓏(げんすいろう)

建築面積約69.37平米の広々とした室内は、天井も高いため開放的。モダンな勾配天井(こうばいてんじょう)が特徴的な約11.5帖のベッドルームと、約9.7帖の和室を中心に、バスルーム、足湯、露天風呂を備えたレイアウトになっています。

 

源翠瓏(げんすいろう)

和室は掘りごたつ式のテーブルで、お部屋にいながら木々を見渡せる居心地の良い空間。明治・大正期に作られた真鍮の照明が彩りを添えています。室内の壁はクロスではなく、伝統的な壁材「漆喰(しっくい)」。伝統美を感じるとともに、環境に配慮したサステナブルな素材です。

 

源翠瓏(げんすいろう)

和室の角にさりげなく置かれていたのは便箋セット。宿での心地よい滞在を手紙にしたため、大切な人へ送るのもおすすめです。

 

源翠瓏(げんすいろう)

お部屋に水盤があるのも「瑞-Zui-」ならではの特徴。ぜいたくに温泉を使用しており、中央に置かれたハンギングチェアに座るとちょうど足が浸かる高さに設定されています。ゆらゆらと心地よい揺れを感じながらのくつろぎ時間。耳をすますと鳥のさえずりや木々の葉が揺れる音が聞こえてきました。喧騒から離れ、自然豊かな場所にいることを実感します。

 

源翠瓏(げんすいろう)

「瑞-Zui-」の客室露天風呂は奥に進むほど深くなり、立ち湯を楽しむこともできます。掛け流しで注がれている温泉は、地下1,000メートルから湧き上がるアルカリ性単純温泉。肌を柔らかくする作用があり美肌へと導いてくれます。

大きな石を用いた庭園が変化に富んだ奥行きを生み出しており、湯船から空を見上げられる気持ちのよい空間。おだやかな風を感じながらの湯浴みは、まさに極上のリラクゼーションです。

 

源翠瓏(げんすいろう)
源翠瓏(げんすいろう)

室内の浴室にはヒノキの湯船があり、設置の高さが異なる2つのシャワーとレインシャワーも完備されています。大理石の洗面所はラグジュアリーなダブルシンク。使い勝手がよく、ゆったりと身支度ができます。

 

源翠瓏(げんすいろう)

バスアメニティは「MIKIMOTO COSMETICS」のシャンプー・コンディショナー・ボディソープ。メイク落とし・洗顔フォーム・ローション・保湿クリームが入ったスキンケアセットも用意されています。持ち帰ることができる源翠瓏のオリジナルポーチの中には男性用にはカミソリグッズ、女性用にはヘアブラシなどがまとめられています。

 

源翠瓏(げんすいろう)

そのほか、全客室共通に「 L'OCCITANE(ロクシタン)」のハンドソープとハンドローションが置かれています。お部屋によってアメニティのラインナップが異なり、「瑞-Zui-」には、 L'OCCITANEのクレンジングオイルとクレンジングフォームも用意されています。

 

源翠瓏(げんすいろう)

湯上がり後は浴衣に着替えてゆっくりと。肌ざわりの良い綿100%の「おくつろ着」は上下セパレートタイプで、睡眠時も心地よく過ごせます。館内の移動時に利用できるバッグは、それぞれデザインが異なる1点ものです。

 

源翠瓏(げんすいろう)

冷蔵庫に入っているドリンクは追加料金不要。阿蘇山麓の新鮮な牛乳をたっぷり使用したカフェ・オ・レ、ジュース、ビールなど自由に飲むことができます。

 

源翠瓏(げんすいろう)

お着き菓子はチェックイン時だけではなく、客室にも。ピーナッツとあられが香ばしい熊本銘菓「肥後太鼓」など、おつまみにもなるお菓子がうれしいですね。

 

想-Sou-

源翠瓏(げんすいろう)

どこに宿泊するか、迷ってしまうほど魅力的な客室がそろう「源翠瓏」。サウナが好きな人におすすめの客室が「想-Sou-」です。朱色の和照明や壁紙で彩られた大正ロマンの雰囲気が漂うデザインが特徴のお部屋になっており、プライベートサウナが2024年に新設されました。

 

源翠瓏(げんすいろう)

サウナストーンに水をかけてロウリュを楽しめる約80度前後の中温サウナとなっており、広さも十分。庭を眺めながら、心ゆくまで汗を流すことができます。

 

源翠瓏(げんすいろう)
水風呂
源翠瓏
源翠瓏
客室の半露天風呂

露天風呂の温泉とは別に専用の「水風呂」が設置されているのもうれしいポイント。サウナに入った後すぐに、阿蘇の地下水がくみ上げられた水風呂で温冷交代浴を楽しむことができます。

 

源翠瓏(げんすいろう)

客室の半露天風呂はテラスとつながる空間。湯上がりにバスローブを羽織ってウッドデッキへ出るのも楽しみ方のひとつです。

 

 

貸切露天岩風呂&サウナ

驚きの水深!「水風呂」でクールダウン

源翠瓏(げんすいろう)
貸切露天岩風呂「月光桜の湯」
源翠瓏(げんすいろう)
源翠瓏(げんすいろう)
貸切サウナ「月光サウナ」

夕食の前後には、広々とした貸切露天岩風呂「月光桜の湯」や貸切サウナ「月光サウナ」でリラックス。それぞれ、3月~11月末頃までの春・夏・秋限定で、宿泊者は追加料金無しで利用することができます(先着予約制)。

 

源翠瓏(げんすいろう)
貸切露天岩風呂「月光桜の湯」の水風呂

注目は「月光桜の湯」にある水深172センチメートルの「水風呂」。長身の人でも頭まですっぽりと浸かれる深さとなっています。ふんだんに阿蘇の地下水が注がれており、ここでのクールダウンは他ではなかなかできない体験です。

 

源翠瓏(げんすいろう)

貸切温泉やサウナの後は休憩スペースに置いてあるドリンクで水分補給。好きなものを自由に飲むことができます。

 

 

和とフレンチの融合を楽しむ夕食

個室でゆったりと。地酒と共に創作料理を堪能

源翠瓏(げんすいろう)

空が赤く染まり、一段と静けさが増した夕刻。客室や受付棟から少し離れた場所にあるお食事処「かわせみ」へと向かいます。角を曲がると、目の前に広がるのは見事な池泉庭園(ちせんていえん)。巨石や石灯籠が配された優雅な空間がこの奥に続いています。

 

源翠瓏(げんすいろう)

夕食は、料理長が手がける和とフレンチを融合した創作料理。源翠瓏が位置する西原村、熊本、九州の食材を用いた四季折々の料理を、個室で楽しむことができます。

この日は食前酒・先附から始まる全11品。先附は「西原村産落花生の落花生豆腐」や「あん肝と阿蘇豆腐の水晶寄せ」。特徴的な器は、源翠瓏の森の木をアップサイクルした特注品で、目の前に広がる池を模したデザインになっています。目でも楽しめる料理に心が沸き立ちます。

 

源翠瓏(げんすいろう)

飲み物はワイン、焼酎、ビール、ソフトドリンクなど豊富にラインナップ。おすすめは熊本県産の日本酒で、キレのある「瑞鷹 本醸造 超辛口」や、華やかで軽やかな「花の香 桜花」。食中酒にぴったりな味わいです。

 

源翠瓏(げんすいろう)
源翠瓏(げんすいろう)

続いてはお造り「県産馬刺しの盛り合わせ」と、天草鯛や自家製唐墨などがあしらわれた活鮮「海鮮盛り合わせ」。馬刺しは熊本県菊陽町にある「古閑牧場」から仕入れた一品です。他県では冷凍品がほとんどですが、源翠瓏では一度も冷凍していない新鮮な馬刺しを提供。甘みのある「ふたえご」とスッキリとした「ヒレ」の2つの部位で、名産地ならではの味を噛みしめました。

 

源翠瓏(げんすいろう)

熊本ならではの「和」の食事を楽しんでいると、次の一品ではなんと「洋」のメニューが登場。源翠瓏の森を表現しており、熊本地鶏「天草大王」や季節野菜のローストをアールグレイ風味のソースでいただきました。ジューシーで弾力のある「天草大王」や、大粒でコク深い「西原村産落花生」は絶品です。

 

源翠瓏(げんすいろう)

温物は、有機栽培の里芋を使った「西原村産里芋の里芋饅頭」。だしの効いたあんと里芋の風味が絶妙なやさしい味わいです。

 

源翠瓏(げんすいろう)
源翠瓏(げんすいろう)
源翠瓏(げんすいろう)

メインは「特選和牛出汁しゃぶしゃぶ」。マグロ節をふんだんに使ったマグロだしに大きな特選和牛をくぐらせ、好みの火加減でいただきます。和牛の旨味をダイレクトに感じられる極上の味わい。2枚目は自家製の山椒オイルをつけて味わったり、3枚目は熊本県産ヒノヒカリのかまどごはんと一緒に食べたり、自分好みの食べ方で楽しむことができました。

 

源翠瓏(げんすいろう)

デザートは「ガトーショコラ アールグレイのチュイル」。ガトーショコラは軽やかな仕立てで、満腹でも手が進んでしまうおいしさ。和ではじまり、洋で〆。熊本のおいしい食材と、意外性のある料理を目でも舌でも存分に楽しめる夕食です。

 

夕食後のひととき

お部屋で温泉とウイスキーを嗜む

源翠瓏(げんすいろう)

おいしい料理で至福の時間を過ごした後は、客室に戻って再び温泉を堪能。静寂の中、温泉の流れる音だけを聞きながら入る露天風呂は格別で、心の底からリラックスできます。

 

源翠瓏(げんすいろう)

入浴後に小腹が減ったら、夕食後にお夜食としていただいた「いきなり団子」を。いきなり団子とは、さつまいもとあんこを包んだ熊本県の郷土菓子です。お食事処「かわせみ」から客室へ戻る道中には「アイスクリーム」も用意されており、自由に食べることができます。

 

源翠瓏(げんすいろう)

1日の締めくくりとして、お部屋で食後酒を楽しむのも格別。「瑞-Zui-」にはウイスキーが特別に用意されているので、ロックや炭酸割りなど好きな飲み方で味わえます。炭酸水メーカーは、全ての客室に備えられています。

 

地産を味わう朝食

熊本の食のおいしさを再認識

源翠瓏(げんすいろう)

鳥の鳴き声とともに目覚めた翌朝。朝の庭園は、夜とはまた違った趣です。秋は紅葉、冬は肥後六花のひとつである肥後椿や梅、春は桜と季節ごとにさまざまな植物を楽しめるので、早朝に敷地内を散歩するのもおすすめ。

 

源翠瓏(げんすいろう)

朝食は目覚めのドリンクからスタート。源翠瓏では生産者と顔を合わせて直接仕入れることにもこだわっており、こちらは熊本県宇城市「吉田果樹園」の一品。「でこ姫」や「はるか」といった柑橘を搾った果汁100%のジュースはとても爽やかで、目が覚めるおいしさでした。

 

源翠瓏(げんすいろう)

食事は熊本県産ヒノヒカリの白米と熊本県天草市産あさりの味噌汁とともに、豪華なおかずを楽しめる和食。おぼろ昆布を巻いて旨味を引き出した「鯛のおぼろ巻き」、熊本の郷土料理「からし蓮根」、天草市産「南国サーモン」など、熊本や九州の食材の豊富さを感じられる料理が並びます。

 

源翠瓏(げんすいろう)

チェックアウト前には、客室の庭園を眺めながらのコーヒータイム。チェックアウト時間の11:00まで、ゆったりとくつろぐことができます。

 

源翠瓏(げんすいろう)

阿蘇の大自然と、驚くほど広大な庭園、そしてプライベートに過ごせる離れの客室で非日常の休日をぜいたくに味わう「源翠瓏」。2023年の開業後も進化を続けており、訪れる度に新たな発見がありそうです。静かな森に佇む山麓の隠れ家で、大人の阿蘇温泉旅へと出かけてみませんか。

 

阿蘇 旅館 源翠瓏

住所
熊本県阿蘇郡西原村小森2113-3
アクセス
最寄り空港から:阿蘇くまもと空港より車で約15分
JR熊本駅から:車で約1時間15分
駐車場
有り
チェックイン
15:30(最終チェックイン 18:00)
チェックアウト
11:00
総部屋数
12室

 

 


撮影/岡村智明 取材・文/小浜みゆ

 
 

 

 

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