世界遺産・厳島神社の玄関口である宮島口に2026年3月、「HOTEL FORK & KNIFE Miyajima(ホテル フォークアンドナイフ ミヤジマ)」が開業しました。
宮島を望む絶好のロケーションに加え、薪火料理のコースディナーや温泉スパ、上質な客室など、滞在そのものが旅の目的になる一軒。食・文化・音・空間のすべてにこだわり、日本の美意識に深く浸る“カルチャー・リトリート”を体験できる注目のホテルです。観光だけでは終わらない、もう一歩深い広島旅へ出かけてみませんか。
宮島を望むロケーションと観光も満喫できる魅力的な立地
「HOTEL FORK & KNIFE Miyajima」が立つのは、宮島を望む高台。宮島へ渡るフェリー乗り場の前にある、JR宮島口駅から徒歩7分ほどの場所です。
JR宮島口駅までは広島駅からJR山陽本線で約30分。宮島口へは路面電車(広電)でもアクセスできるので、時間に余裕があれば、約1時間15分かけて、のんびりと景色を眺めながら向かうのもおすすめ。さらに、宮島口駅からはホテルの無料送迎も利用できるので、荷物があっても安心です。
車の場合は、広島岩国道路・廿日市(はつかいち)IC、または大野ICより約10分。ホテルには無料駐車場が用意されています。
提灯が揺れる印象的なロビー
ホテルに入ってまず目を引くのが、天井に浮かぶ大きな提灯。広島で作られた特注品で、やわらかな光が空間をやさしく包みます。
ホテルの空間デザインを手がけたのは、数寄屋建築の名匠「中村外二工務店」で研さんを重ねた建築家・佐野文彦氏。館内各所に石や木といった自然素材を用い、静けさのなかに凛とした美しさが漂います。
エントランスでゲストを出迎えるギャラリースペースや朱色の壁は、厳島神社の能舞台をイメージしてデザインされました。展示内容は、3カ月程度で入れ替えられ、訪れるたびに新しい文化との出合いを演出してくれます。
ほかにも館内随所にアートが。“ふなどまり”を意味する「繋泊(けいはく)」をコンセプトに選ばれたもので、厳島神社と宮島口、人と人、新しい体験をつなぐ場所でありたいという願いが込められています。
チェックインを済ませたら、バーカウンターでウェルカムドリンクを。広島県産のレモンやジンジャー、緑茶を使ったドリンクなどをいただけます。
さらに、音響にも並々ならぬこだわりが。ロビーには、独自の空間立体音響技術を持つ「Cear(シーイヤー)」のスピーカーが設置されていて、館内に流れる音までもが上質な滞在体験の一部になっています。
10タイプの個性豊かな客室
「HOTEL FORK & KNIFE Miyajima」には全34室、10タイプの客室があり、それぞれの部屋には広島や宮島の自然をイメージした詩的な名前が付けられています。
静かな和の客室「水鏡 - Mizukagami」
「水鏡 - Mizukagami」は50平米の広さに3名まで宿泊可能。小上がりの座敷にベッドを置いた、シンプルで落ち着いた和モダンの客室です。ベッドのマットレスは「シモンズ」、布団は「西川」と、快眠へのこだわりも行き届いています。
障子越しにやわらかく差し込む光、自然素材の質感、静かに流れる時間。過剰な装飾を削ぎ落とした空間だからこそ、宮島の空気をより濃く感じられます。海外のゲストから人気が高いのもうなずける、凛とした美しさのある一室です。
客室のテーブルでは、もみじ饅頭の元祖、明治39(1906)年創業の老舗「高津堂」のもみじ饅頭と、広島県産の番茶が出迎えてくれました。
また、アメニティもこだわって選ばれたものがそろいます。シャンプー、コンディショナー、ボディソープ、ハンドソープは、日本の植物由来の原料を使ったサロン発のブランド「uka(ウカ)」の「IZU」シリーズ。
スキンアメニティは、スタッフが一つひとつ厳選したオリジナルのセットです。
部屋着もホテルオリジナル。リネン素材の作務衣風デザインで、着心地がよく、館内(レストランを除く)はこの部屋着でリラックスして過ごせます。
そして、客室にも「Cear」のスピーカーを完備。スマートフォンとつなげば、お気に入りの音楽を高音質で堪能できます。
宮島ビューのテラス付き客室「瀬音 - Seoto」
テラス付きの客室「瀬音 - Seoto」は、30平米、2名まで宿泊可能。一面が窓になっているため、室内は明るく、ベッドに寝転んだままでも外の景色を楽しめます。
テラスに出ると、宮島や往来するフェリー、宮島ボートレース場などの風景が広がります。
宮島は対岸から見ると、山の稜線が女神の寝姿(寝観音)のように見え、それが「神の島」と呼ばれる所以になっています。その所以を感じられるのもこの部屋ならでは。
バスルームでも景色を堪能できます。コンパクトながら開放感にあふれ、体感としては30平米以上の広さに感じます。
サウナ・露天風呂付き、180平米のプレミアムスイート「翠 -Midori」
館内でもっとも広い客室が、プレミアムスイート「翠 - Midori」。広さはなんと180平米! ベッドルームやリビング、ダイニング、和室、露天風呂付きのテラスなどを設け、4名まで宿泊可能なので、グループ旅行や記念日などの特別な日にぴったりな一室です。
広々としたテラスの奥に、複数人で入れる大きな露天風呂が。館内には大浴場・サウナもありますが、この客室なら、ほかのゲストに気を遣うことなく、好きなだけリラックスタイムを楽しめます。
さらに、室内にはプライベートサウナまで完備。サウナ室の前には水風呂があり、動線まで考えられた満足度の高い設計です。
また、客室内にキッチンも付いているので、シェフを呼んでプライベートディナーを楽しむこともできます(要事前相談)。和の意匠をベースに、現代的なラグジュアリーさも感じる一室です。
広島の恵みを味わう薪火料理のコースディナー
ホテル名に「FORK & KNIFE」と冠していることからも分かる通り、「日本の文化と食を、消費させない」をミッションに掲げ、食にひときわこだわっている「HOTEL FORK & KNIFE Miyajima」。ディナーはこのホテルでの大きな楽しみのひとつです。
料理を監修するのは、ミシュラン一つ星のフレンチレストラン「abysse(アビス)」でスーシェフを務めた石浜綾(いしはま りょう)シェフ。薪火調理をベースに、ローカルに根ざす食文化や豊かな食材を、11品のコースを通して堪能できます。
メニューは季節ごとに変わりますが、この日、先付けでいただいたのは「飛龍頭(ひりゅうず) すりながし」。飛龍頭とはがんもどきのことで、広島県三原市にある「梶谷農園」のマイクロハーブが彩りを添えています。
薪火で焼いた旬の野菜や昆布、広島産の真牡蠣を発酵レモンや広島生まれの「チチヤスヨーグルト」とともに味わう一品など、地元の旬の恵みが続きます。
続く、特製の茶碗蒸しは「山、畑、海の恵み」がテーマ。鶏と鯛の出汁に加えて、仕上げに大葉オイルのソースをかけてもらうことで、素材の自然な旨みを一層引き立てます。
広島のブランド地鶏「東広島こい地鶏」の薪火焼きは、すだち、レモン胡椒、クロモジの塩、黄身醤油が添えられ、薬味によって印象が変わるのも楽しいところです。
ホタテの天ぷらに添えられているのは、広島県特産のわけぎのぬた。続いての真鯛と女鹿平(めがひら)舞茸ももちろん地域のもの。薪火で焼き、いりこ醤油の風味を重ねた一皿は、土地の味をしみじみと感じさせてくれます。
メインは、上質でなめらかなコクの深さで評判の広島牛。薪の香ばしい香りや肉の旨みが口いっぱいに広がり、満足感のある余韻を残します。
宮島といえば、やはり「穴子飯」もはずせません。穴子の骨で作られた甘タレ、ほうじ茶で炊いたご飯がベストマッチ。菜花が添えられ、見た目にも華やかです。もし食べきれなければ、夜食用におにぎりにしてくれる心遣いも。
デザートは、白あんと柑橘を求肥で包んだ広島・呉(くれ)の名物「いがもち」と、三次(みよし)市の和菓子「淡雪」。シンプルでやさしい甘みがコースを締めくくってくれました。
※メニューは季節ごとに変更になることがあります
ここに泊まるからこそかなう、幻想的な夜の宮島散策
ディナーに舌鼓を打ったあとは、フェリーに乗って夜の宮島散歩に出かけるのもおすすめです。海中に立つ厳島神社の大鳥居や境内がライトアップされ、昼間とはまったく異なる幻想的な表情を見せてくれます。
昼間は観光客でにぎわう宮島も、夜は静かで落ち着いた雰囲気。宮島口に泊まるからこそかなう特別な体験です。
最上階の絶景温泉&サウナ
ホテル最上階の5階には宮島を望む温泉とサウナがあります。湯船は内湯と露天風呂の2カ所。宮浜温泉のお湯は、ラドンを豊富に含んだ低張性弱アルカリ性低温泉で、神経痛や疲労回復、健康増進といった効果が期待できます。
サウナも温泉も、客室に用意されている水着を着用し、男女一緒に利用できるスタイルなので、カップル・夫婦にもおすすめ。
サウナ、水風呂のあとは、テラスで外気浴を。スマートフォンやドリンクの持ち込みもOKなので、お気に入りのプレイリストを流しながら、ゆっくり心身をときほぐすことができます。
テラスからは、日中は宮島とおだやかな瀬戸内の海、夜は海上を行き来するフェリーの灯りや夜景。時間帯によって異なる表情を楽しめます。宮島の花火大会の日には、ここから迫力ある花火を見られるのも魅力です。
地酒やこだわりのワインがそろうバー
囲炉裏のあるサロンラウンジやバーで、静かに1日を締めくくるのもおすすめです。
広島県内には「日本三大酒処」として知られる西条(さいじょう)があります。このバー・サロンラウンジでは、県内の地酒やワインを通して、瀬戸内の風土、いわゆる“テロワール”を感じる時間を過ごせます。
営業は23:00まで。おにぎりやラーメンなどの軽食もオーダー可能です。
地元食材を味わう朝食
朝食は、ディナーと同じ2階のレストランで、和食か洋食を選べるスタイル。
和食を選べば、天然のサワラのゆず味噌幽庵焼きや穴子の茶碗蒸し、広島の伝統野菜である観音ネギと女鹿平舞茸の味噌汁など、地元の旬が並びます。
ご飯は、農薬を使わず、土や水を汚さない循環型農業を実践する県内の「藤本農園」のお米を使用。土鍋で炊いた炊きたてのご飯を堪能できます。
洋食ももちろん、地元のこだわりの食材で丁寧に作られたメニューが並びます。
広島の手作りハム・ソーセージ専門店「グリュックスシュバイン」のロースハム、「向原農園」の卵を使ったスクランブルエッグ、自然放牧で草だけを食べて育った牛のミルクで作られた「三良坂(みらさか)フロマージュ」のヨーグルト、広島産のハチミツやいちごジャムなど、瀬戸内の恵みをたっぷりと堪能できます。
滞在を豊かにする充実の館内施設
チェックアウトは12:00とゆっくり。「HOTEL FORK & KNIFE Miyajima」には、宿泊だけでなく、豊かな文化体験をかなえる施設があります。これらの施設をのぞいてみたり、温泉やサウナに入ったり、客室でのんびりしたり、朝食後もゆったりとした時間を過ごせます。
セレクトショップ「ref. Miyajima」
広島市内で人気のセレクトショップ「ref.(レフ)」が「ref. Miyajima」として、ホテル内に出店。地元産や土産物という枠にこだわらず、日用品からアパレルまで、世界中の“ホンモノ”、想いを持って作られた逸品がそろいます。
ヘリテージライブラリー「THE STUDY」
1階のライブラリースペースでは、広島の歴史や文化をより深く知る時間を過ごせます。ref.の代表であり、ディレクターの中本健吾氏が、このライブラリースペースをはじめ、エントランスの展示のキュレーションも担っています。
取材時には、原爆投下から13年後の広島を、フランスの女優、エマニュエル・リヴァが撮影した写真集『HIROSHIMA 1958』の展示が行われていました。今後も多彩な企画展が予定されています。
フィットネスジム
館内には、24時間無料で利用できるフィットネスジムも完備。旅先でも体を動かしたい人にうれしい施設です。
世界的にも特別な歴史を持つ広島。「HOTEL FORK & KNIFE Miyajima」では、これまで知らなかった広島の食・文化・自然により深くふれられます。
広島観光の拠点としてだけではなく、ここに泊まること自体が旅の目的になる――。そんなホテルへ、広島の新たな魅力と出合う旅に出かけてみてはいかがでしょうか。
HOTEL FORK & KNIFE Miyajima
- 住所
- 広島県廿日市市宮島口3-3-15
- アクセス
- JR「宮島口」駅より徒歩約7分(無料送迎あり)
- 総部屋数
- 34室
- チェックイン
- 15:00(最終チェックイン22:00)
- チェックアウト
- 12:00
- 駐車場
- 無料
取材・写真・文/アンドウミク
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