川のせせらぎに響くセミの声。どこまでも広がる青空と真っ白な入道雲。高知県には、誰もが思い描く"日本の夏"の原風景が今も色濃く残っています。
そんな高知県の魅力を存分に味わえるのが、県が推進する観光キャンペーン「どっぷり高知旅」。定番スポットを巡るだけでなく、まだ知られていない絶景やご当地グルメ、地元の人々との交流などを通して、地域の魅力を深く体感できます。本記事では、「どっぷり高知旅」の中から、この夏におすすめのディープな体験プランを3つご紹介します。ぜひ夏の旅行の参考に役立ててください!
仁淀ブルーの絶景で身体も心もほぐれる極上の「水上整体」
まずご紹介するのが、日本屈指の清流・仁淀川で体験できる「水上整体」。別名・仁淀ブルーとも呼ばれる透明度抜群の川の上で、プロの柔道整復師による整体を受けられるプログラムです。
コリやゆがみを整えるだけでなく、せせらぎや涼やかな風に包まれながら過ごす時間そのものが癒やし。身体はもちろん、心までほぐれていくような心地よさを味わえます。
「水上整体」を主催するのは、19年のキャリアを持つ柔道整復師・松島圭祐さん。治療・スポーツ・リハビリ・介護と4つの分野で経験を積み、幅広い知識と確かな技術を生かした施術を行っています。
松島さんは、2023年に「地域おこし協力隊」として関東から高知県日高村へ移住してきました。地域住民の身体のメンテナンスに携わる一方で、観光と整体を融合させた「絶景整体」という新たなスタイルを展開しています。
「水上整体」は事前予約制。また、当日は川の中を歩くため、ハーフパンツや膝上までまくれるズボンなど動きやすい服装がおすすめ。足を持ち上げられる施術もあるので、スカートやデニムなど動きにくい服装は避けましょう。
仁淀川の西側のほとりに建つ「江尻地区親水公園」が集合場所です。駐車場で松島さんと合流し、上流の施術ポイントまで車で移動します。
仁淀川の東側にある道の駅「土佐和紙工芸村「くらうど」」に宿泊している場合は、館内での待ち合わせも可能です。
車を停めたら、松島さんと一緒に施術を行う水辺まで歩いて向かいます。河原には大きな石も点在しているため、足元に気を付けながら進みましょう。
ふと足元に目を向けると、仁淀川名物の「五色石」を発見。緑や赤、白、黒、黄など、さまざまな色の石が河原を彩っています。
この美しい色彩は、石鎚山を源流とする仁淀川が3つの地質帯を貫いて流れることで生まれるのだとか。川を下った五色石は、高知市の「桂浜」や土佐市の「五色の浜」などにも流れ着き、それぞれの名物景観を形づくっています。
水の上に寝そべり、いよいよ施術スタート!
水辺に着いたら、裸足になって川の中へ。足元には大小さまざまな石があり、最初は少し痛く感じることもあるので慣れるまではゆっくり歩きましょう。
施術台に横になり、足先までタオルをかけてもらったら、いよいよ水上整体がスタート。
「ここの筋肉が硬くなっていますね」「左右のバランスが崩れているので、こちらに負担がかかっていますよ」と、身体の状態を丁寧に説明しながら施術を進めてくれるので、初めてでも安心して身を任せられます。
絶妙な力加減で繰り出される多彩な手技に、凝り固まった身体が少しずつほぐれていくのを実感しました。
施術中は、松島さんとの会話も楽しみのひとつです。身体の不調や姿勢のクセといった整体の話から、高知での暮らしやおすすめスポットまで、会話の話題は実にさまざま。豊富な経験に裏打ちされた話はどれも興味深く、施術の時間があっという間に感じられました。
「静かに過ごしたい方には無理に話しかけません。お客様の様子を見ながら、興味を持っていただけそうな話をしています」と松島さん。
真夏でも川の上を吹き抜ける風は涼しく、暑さを忘れさせてくれるほど。日差しが強い日は、パラソルやタープで日陰を用意してくれるので、日焼けの心配もありません。
ちなみに、施術台の顔を乗せる部分には穴が開いているため、うつぶせになると目の前には仁淀川の水中風景が広がっています。
施術中はここから魚が泳いでいる姿も見られ、透明度の高い川の景色も存分に堪能できました。
目的は身体のメンテナンス。セルフケアの方法まで伝授
うつぶせでの施術が終わると、今度はベッドに腰掛けて肩まわりのケアに。スマートフォンやパソコンを使う時間が長い現代人は、前かがみの姿勢が続くことで巻き肩になりやすく、その影響で背中や腰の筋肉にも負担がかかっているそうです。
施術では肩をほぐしながら、不調を予防するためのセルフケアのレクチャーもあり、自宅でも実践できる方法を丁寧に教えてくれるので、身体を整える習慣づくりにも役立ちます。
施術を終える頃には、肩まわりのコリがほぐれて、胸がすっと開いて深く呼吸ができるように。頭の中まで晴れ渡るような、すっきりとした感覚に包まれました。
約1時間の施術を終える頃には、身体の軽さはもちろん、心までリフレッシュしたような心地よさを実感。自然と整体が織りなす、ここでしか味わえない癒やしのひとときでした。
施術後は、地元のコーヒー店「UKIKI COFFEE STAND」の「ととのいブレンド」のサービスもあります。この水上整体を体験した「UKIKI COFFEE STAND」の店主が、施術後に飲みたい味をイメージして特別にブレンドしたもので、香り高くすっきりした味わいが特徴です。
ドリップパックでの提供ですが、希望する場合はその場で淹れてもらえます。
仁淀川のほとりでリラックス、童心にかえって川遊びに興じても
「水上整体」は1名での利用はもちろん、2~4名での申し込みも可能です。水辺にはソファも設置してくれるので、同行者が施術を受けている間はゆったり座ってくつろいだり、河原を散策したり、川遊びを楽しんだりと、仁淀川の豊かな自然を満喫できます。
きれいな石をさがして河原をそぞろ歩くのも楽しいですよ。平たい石で「水切り」に挑戦するのもおすすめです。
体験後の予定が決まっていない場合は、松島さんイチオシの観光スポットを教えてくれることも。
日本屈指の清流・仁淀川で、身体も心もリフレッシュできる「水上整体」。豊かな自然に包まれながら過ごす特別な時間を、ぜひ体験してみてください。
水上整体
- 開催期間
- 通年※1月、2月の冬季は要相談
- 集合場所
- 【江尻地区親水公園】高知県高岡郡日高村下分2889-2
※土佐和紙工芸村「くらうど」宿泊の場合はホテル受付にて待ち合わせ - 催行人数
- 1~4人
- 申込締切
- 前日17:00まで
- 所要時間
- 約1時間30分
- 料金
- 【1名利用時】8,500円(施術時間60分)【2名利用時】1人5,000円(施術時間1人30分)【3名利用時】4,000円(施術時間1人20分)【4名利用時】1人3,500円(施術時間1人15分)
- 定休日
- なし(1月、2月の冬季は要相談)
- アクセス
- 【電車】JR「小村神社前」駅から徒歩約10分
【車】「高知空港(高知龍馬空港)」から約50分 - 詳細
-
予約は公式サイト「どっぷり高知旅 体験プログラム」から申し込み可能。
(※体験日が近い場合は電話予約もできますが、施術中で出られないことがあるので、その際は留守番電話に予約希望のメッセージを残しておくと、折り返し後のやりとりがスムーズです。)
四万十川の川漁師になりきって2つの伝統漁法に挑戦!
続いてご紹介するのは、高知県西部を流れる四万十川(しまんとがわ)で体験できる、川漁師体験アクティビティです。
四万十川は、自然のままの流れが保たれていることから「日本最後の清流」と呼ばれる、西日本屈指の大河。全長196キロメートルを誇り、豊かな自然に育まれたさまざまな生き物が暮らしています。
屋形船、カヌーなどさまざまな遊び方がありますが、中でもおすすめなのが、現役の川漁師から伝統漁法を教わる「本場川漁師がレクチャー!四万十川の伝統漁法を体験しよう!」。投網と柴漬け漁の2種類の漁法を体験できます。
屋形船なども手掛ける四万十川のプロ「さこや」が主催
この体験を主催するのは、屋形船も運営する「屋形舟さこや」。レクチャーを担当するのは、四万十川で実際に漁をしながら暮らす現役の川漁師です。昔から受け継がれている伝統漁法を、実際の漁場で教えてくれます。
説明後すぐに体験スタート!
新四万十川大橋から下流へ進んだ、四万十市山路の船着き場が当日の集合場所です。Googleマップで「さこやの川漁師体験」と検索すると、スムーズにアクセスできます。開始時刻の10分前には到着しておくようにしましょう。
船着き場で、注意事項などのレクチャーを受けたら、ライフジャケットを身に着けて、船で漁場まで向かいます。体験終了までは船の上で過ごすため、濡れても良い服装で参加し、集合前にお手洗いを済ませておくと安心です。
「投網」は、周囲に重りの付いた円錐形の網を大きく広げて投げ、魚を包み込むようにして獲る伝統漁法。きれいな円を描くように網を広げるのがコツです。この体験用に特別に作られた軽量の網や、子ども用の小さな網を使用するため、女性や小さな子どもも気軽に挑戦できます。
獲れる獲物はボラやチヌをはじめ、その時々で周囲を泳いでいるさまざまな魚たち。網をきれいに丸く投げ広げるのは難しく、お目当ての魚を獲るのはそう簡単ではありません。
また、相手は自然なので必ず魚が獲れるとは限りませんが、それもまた川漁の醍醐味。季節や川の表情によって出会える魚も変わるので、ぜひ何度も挑戦してみてください。
「柴漬け漁」は、椎やヤマモモなどの枝葉を束ねた「柴」を川底に沈め、魚やエビを集める伝統漁法です。
体験の数日前から川漁師さんが仕掛けを準備してくれているため、当日は船でポイントまで向かい、柴を引き上げるだけ。ロープをゆっくりと引き上げ、枝葉の中に潜む獲物をタモ網ですくい上げます。日によって、ウナギや手長エビ、モクズガニなどが姿を見せることもあるのだとか。何が入っているのかは引き上げてからのお楽しみです。
そのほか、予約時に希望を伝えれば「櫓漕ぎ」や「釣り」体験にも参加できます。獲れた魚やエビはバケツの中で泳がせて観察しましょう。その中で気に入った獲物は、川漁師さんに頼めば分けてもらえます。ただし、禁漁期間中の魚はリリースするなど資源を守るルールが敷かれているので、しっかり守って楽しみましょう。
【四万十川遊漁期間】
- 川エビ
- 4月1日~8月末
- アユ(投網漁)
- 7月1日~10月15日、12月1日~1月31日
- ウナギ
- 4月1日~9月30日
- ツガニ
- 9月1日~11月30日
獲った魚の調理法
分けてもらった魚は持ち帰ることもできるほか、宅配便で自宅へ送ることも可能です。自宅で調理すれば、旅の思い出をもう一度味わえます。
また、川漁師さんが持ち込み調理に対応している地元のお店も教えてくれるので、大物が獲れたときはおすすめのお店を聞いてみるのもいいですね。(※持ち込み調理には別途包丁料が必要です)
本場川漁師がレクチャー!四万十川の伝統漁法を体験しよう!
- 開催期間
- 通年※禁漁期間の生き物は持ち帰り不可
- 集合場所
- 高知県四万十市山路
- 催行人数
- 1~7人
- 申込締切
- 3日前まで
- 所要時間
- 約90分
- 料金
- 4人まで25,000円、以降1名追加3,000円、小人同額、乳児無料
- 定休日
- なし
- アクセス
- 土佐くろしお鉄道「中村」駅より車で約10分
※Googleマップで「さこやの川漁師体験」と検索 - 詳細
- どっぷり高知旅 本場川漁師がレクチャー!四万十川の伝統漁法を体験しよう!
五感を駆使してオリジナルの土佐茶をブレンド
温暖な気候と清らかな水、豊かな自然に恵まれた高知県。山あいにはお茶づくりに適した土地が広がり、実は知る人ぞ知るお茶の名産地でもあります。
そんな高知のお茶の魅力を気軽に楽しめるのが、ハーブと組み合わせる「お茶のブレンド体験」。濃厚なお茶の香りに包まれながら自分好みのオリジナルティーを作る、贅沢なプログラムです。
お茶のブレンド体験ができるのは、仁淀川流域にある「霧山茶園」。
寒暖差が大きく霧が立ち込めやすい気候に加え、温暖な気候や豊かな水、ミネラルを多く含む土壌、山頂ならではの長い日照時間など、良質な茶葉が育つ条件がそろう立地にあります。
東京ドーム約5個分もの広さを誇る茶畑は、深い緑が一面に広がる圧巻の景色。山を吹き抜ける風も心地よく、眺めているだけで癒やされます。
日本茶とハーブをブレンドし、自分だけの味わいを
「霧山茶園」の手掛ける「土佐茶」は、質の良い茶葉ならではの力強い風味が特徴的。旨味成分を豊富に含んでおり、さらに低温熟成させることで、まろやかで奥深い味わいに仕上がっています。
ブレンド体験では、この土佐茶をベースにハーブを組み合わせ、自分だけのオリジナルティーを作ります。香りや味の違いを楽しみながら、世界にひとつだけのお茶を完成させましょう。
レクチャーしてくれるのは、「霧山茶園」の中山美佳さん。霧山茶の特徴はもちろん、おいしい淹れ方や楽しみ方まで知り尽くした、お茶のスペシャリストです。
まずは茶園の歴史や土佐茶についての説明からスタート。
高知県のお茶の歴史は古く、室町時代にはすでに生産が始まっていたのだとか。戦後は高品質な荒茶を静岡県などへ出荷し、有名ブランドのブレンド用として親しまれてきました。2000年代に入ると「土佐茶」として独自ブランド化に成功。その経緯や日本茶産業の流れについての興味深いお話も続きます。
土佐茶の歴史や特徴を知り、お茶への理解が深まったところでいよいよブレンド体験へ。
ブレンド体験では、煎茶・ほうじ茶・番茶の3種類からベースを選び、6種類のハーブを組み合わせていきます。まずはおすすめのブレンド3種類を試飲し、味のイメージをつかむところから。
右から、煎茶・ほうじ茶・番茶ベースの順に並んでいます。土佐茶は「金色透明」と呼ばれる美しい水色(すいしょく)が特徴で、香り高く深みのある味わいが魅力。ハーブの個性的な香りにも負けない力強さがあり、ブレンドとの相性も抜群です。
試飲は、自分の好みを見つける大切な工程です。茶葉の味やハーブの香りを、嗅覚・味覚・知識すべてを使って探っていきます。
ベースが決まったら、ローズヒップ、ラベンダー、みかんチップ、ジンジャーチップ、国産炒り米、カルダモン、ローズレッドバッズなどのハーブを好みで組み合わせます。卓上に用意されたおすすめのレシピも参考にしながら、ハーブの種類や量を調整し、自分だけの味を調合します。
「ローズレッドバッズを入れると見た目が華やかになりますよ」「刺激が欲しいならジンジャーがおすすめです」と、中山さんが好みに合わせて具体的にアドバイスしてくれるので、初めてでも安心です。
取材時は番茶をベースに、ジンジャー、みかんチップ、ローズレッドバッズを選びました。
乾燥させたバラのつぼみ「ローズレッドバッズ」は、見た目もかわいらしく、香りも華やか。ティーバッグ1袋につき1つずつ入るよう、6つ準備します。
材料を量り終えたら、全体が均一になるようしっかり混ぜ合わせます。混ぜるたびに茶葉とハーブの香りがふわっと立ち上り、心がほぐれる瞬間です。
混ざった茶葉を6等分し、ティーバッグ1袋分ずつ量っていきます。すべての素材を均等に分けるのは意外と難しく、何度もバランスを見ながら少しずつ調整しました。
量り終わったら袋へ移して、中山さんに専用の機械で袋を閉じてもらったら、ティーバッグの完成です!
続いてパッケージ作りへ。ベースのお茶の名前シールを貼り、マスキングテープやカラーペンで自由にデコレーションします。
名前シールが少しゆがんでしまっても、中山さんにコツを教えてもらいながらテープを貼り直したら、きれいに仕上がりました。
ティーバッグをパッケージに詰めれば、世界にひとつだけのオリジナルブレンドティーの完成です!自宅でゆっくり味わうのはもちろん、家族や友人へのプレゼントにもおすすめです。
そのほか「霧山茶園」では、さまざまな体験プログラムが開催されています。「作って、焙じて、味わう。五感で楽しむ焙煎体験」(体験料1人5,500円)では、オリジナルの茶缶作りと茶葉の手焙煎が体験可能です。
また、茶畑の絶景を眺めながらお茶を味わう「日本茶インストラクターと味わう 絶景!土佐茶寮<プライベートティー体験>」(1グループ22,000円)も人気です。イベントや体験学習、ワークショップなども随時開催されています。
さらに「霧山茶園」では、さまざまなお茶も販売されています。せっかく訪れたなら、自分で作ったブレンドティーだけでなく、お土産選びも満喫したいところ。
定番の煎茶やかぶせ茶、番茶、ほうじ茶、玄米茶はもちろん、和紅茶や発酵茶、フレーバーティーまで豊富なラインナップです。ティーバッグや急須で淹れるリーフ、パウダーなど、用途に合わせて選べます。
店内には急須や茶缶などの茶道具も並び、思わず手に取りたくなるような素敵なアイテムが勢ぞろい。自宅でのお茶時間も楽しみになる、お気に入りの一品に出会えるはずです。
お茶のブレンド体験
- 実施場所
- 【霧山茶園】高知県日高村柱谷382-23
- 催行人数
- 2~10人
- 申込締切
- 5日前まで
- 所要時間
- 約2時間30分
- 料金
- 1人5,500円
- 定休日
- 日曜、お盆、年末年始
- アクセス
- 【車】高知自動車道「伊野」ICから約20分
- 詳細
- どっぷり高知旅 お茶のブレンド体験
美しい自然と、その自然の中で育まれてきた文化や暮らしが息づく高知県。清流で遊び、地元の人とふれあい、その土地ならではの食やものづくりを体験する――そんな時間が、旅をより特別なものにしてくれます。
「どっぷり高知旅」では、今回ご紹介した3つのプログラムをはじめ、高知ならではの魅力を五感で味わえる体験プログラムが満載。観光地を巡るだけでは出会えない、高知の奥深い魅力を体験してみてください。
今回ご紹介した観光スポット
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取材・文/南 沙耶芳 撮影/中村正人
