せっかくペットと旅行に出かけるなら、ワンちゃん・ネコちゃんも一緒に楽しめるのはもちろんのこと、「ここに泊まって正解だった!」と飼い主が思えるような宿を選びたいですよね? なかでも宿でいただく「食事」は、滞在時の満足度を大きく左右するポイントのひとつ。
そこで今回は、愛犬を連れて旅を楽しむための宿・旅先探しサイト「トラベルドッグ.jp」を運営するトラベルドッグ編集長に、実際にワンちゃんと訪れた宿のなかから「食事がおいしいおすすめの宿」を厳選してもらいました。
ペット連れにうれしいポイントや、その宿でいただく料理の魅力、周辺のおすすめスポットなどをたっぷりご紹介いただきます。
青森県・浅虫温泉
割烹旅館さつき
青森県の浅虫温泉駅から徒歩5分の「割烹旅館さつき」。割烹旅館という名の通り、充実した割烹料理が魅力の旅館です。源泉かけ流しの温泉もあり、ゆっくりと静かな時間を満喫できます。
同館にはペットと泊まれる客室があり、小型の室内犬や猫なら一緒に宿泊可能。ゆったりとしたつくりの純和風の客室で、のびのび過ごせます。
「猫のいる宿」としても知られていて、宿泊の際には看板猫にも出会えました。そういった点で、ペット連れウェルカムな雰囲気があるのもうれしいポイントです。ただし宿にワンコグッズが用意されているわけではないので、必要に応じて日用品を持っていく必要があります。
お料理は朝食・夕食ともに部屋食でいただけるので、ワンちゃんと離れずに一緒に過ごせます。
夕食で楽しめるのは、クリーミーなウニをはじめ、アワビ、ホタテ、毛ガニといった海の幸を使った贅沢なお料理。さらに朝食も充実していて、「青森ホタテの貝焼みそ」がついてきます。これは、ホタテの貝殻を器に、帆立の貝柱やヒモ、ねぎ、溶き卵を入れて混ぜ、味噌で味付けした津軽の郷土料理。ホタテの出汁と少し濃いめの味付けで、ご飯がすすむ必食の一品です。
浅虫温泉周辺には目立った観光スポットはありませんが、寄り道するなら宿から車で1時間ほどの「十和田市現代美術館」に足を運んでみるのもおすすめ。野外の展示もあり、ワンコとお散歩しながら楽しめますよ。
割烹旅館さつき
- 住所
- 青森県青森市浅虫蛍谷71-7
- 総部屋数
- 8室
- アクセス
- 浅虫温泉駅から徒歩5分。青森東ICから約8km、青森空港から約30km
東京都・新宿区
キンプトン新宿東京
新宿駅から歩いて7分ほどのところにあるのが、ペットフレンドリーを掲げている「キンプトン新宿東京」。2020年秋にグランドオープンしたばかりのホテルです。NYのアートシーンから着想を得ているとのことで、館内はスタイリッシュかつクリエイティビティを感じさせる雰囲気です。
ペットフレンドリーなホテルということで、ロビーやエレベーターなど館内のほとんどのエリアでペットの同伴可能。チェックインから客室への移動もリードでOKでした。
お部屋はシンプルな洋室で、ペットアメニティも用意されています。
ホテルの1階にあるのが、「The Jones Café & Bar(ザ・ジョーンズ カフェバー)」。宿泊者以外も利用できるカフェで、ワンちゃん連れに限らず多くの人で賑わっていました。カフェマットを敷けば、ワンちゃんもソファの上に座らせてあげることができます。
ディナーは2階の「DISTRICT(ディストリクト)」でコース料理をいただきました。前菜からデザートまでどれもおいしく、見た目の美しさも楽しめるお料理で大満足。こちらでも、ワンちゃんを座席に座らせてあげることが可能。都内のホテルやレストランで、ここまでワンちゃんにやさしいスポットはあまりない印象です。
翌日の朝食は、同じく「DISTRICT」のテラス席でオムレツやアサイーボウルをいただきました。
同じレストランでも朝と夜でガラッと変わる雰囲気を楽しんだり、その日の気分でテラス席を選んだりと、充実した食事体験ができます。外食をせずに、カフェタイム、夕食、朝食と丸1日ホテルで過ごすのもおすすめ。
またどこか非日常感を味わえる「キンプトン新宿東京」は、気分転換にワンちゃんとお出かけしたいときにぴったりです。ホテル周辺には新宿中央公園があるので、公園でお散歩することもできますよ。
キンプトン新宿東京
- 住所
- 東京都新宿区西新宿3-4-7
- 総部屋数
- 151室
- アクセス
- 新宿駅から徒歩約7分
静岡県・河津町
ペットと泊まれる森のホテル ホテル四季の蔵
本館の客室に加えスイートヴィラ(離れ客室)があることで人気の伊豆・河津町の宿「ホテル四季の蔵」。スイートヴィラは「別邸COCORO」「離れ家リスの庭」「森の棲家AZITO」と3タイプあり、どれも魅力的なデザインの客室となっています。
ドッグリゾートホテルを打ち出していて、ワンちゃん連れにうれしいサービスがあるのも魅力です。
3つのヴィラのなかでも、本館近くの森に切立つスイートルームが「森の棲家AZITO」。お部屋の空間デザインや家具のセレクトもハイセンスで、どこかリゾート地を思わせるような高級感があります。
さらに、源泉かけ流しの温泉を楽しめる浴室もついています。小型ワンちゃん向けの小さくかわいらしい浴槽あり、家族や愛犬と気兼ねなくゆったりと温泉を堪能できます。
食事は、フレンチを楽しめるホテル施設内のリストランテ「オッキドーロ」と、ホテル直営の和食処「くらの坊」を選べます。「くらの坊」はホテルから少し離れた場所にあるため、車での送迎サービスを利用できます。
昭和初期の別荘をリニューアルしたという「くらの坊」は、高級感がありながらも古民家のような落ち着く雰囲気。ワンちゃんの同伴もOKです。
いただけるお料理は、旬の食材を使った本格的な割烹料理。アンティーク感のある器にもこだわりを感じられます。どれもおいしく、店内の雰囲気もあいまって大満足でした。
さらに、必要に応じてワンちゃん用の食事メニューも用意してもらえます。
ホテルの敷地内には、ドッグスパや広々としたドッグランなど、ワンちゃんが喜ぶ施設も充実。そのほか、本館の客室にはキャットウォークのある「わんにゃんルーム」もあり、ネコちゃん連れにもおすすめです。
ホテルのある河津や近隣の下田エリアには、ワンちゃんとのお出かけにぴったりな海岸やペット同伴OKのカフェがあり、お散歩も楽しめます。
ペットと泊まれる森のホテル ホテル四季の蔵
- 住所
- 静岡県賀茂郡河津町峰1169-13
- 総部屋数
- 18室
- アクセス
- 東名高速「沼津IC」から約90分
長野県・白馬
コートヤード・バイ・マリオット白馬
2018年冬、もともとあった「ラフォーレ倶楽部 ホテル白馬八方」をリブランディングしてオープンしたのが「コートヤード・バイ・マリオット 白馬」です。
リニューアルされた客室やレストランはとてもきれいで、気持ちよく過ごせます。
客室のなかにはいくつか「ドッグフレンドリールーム」があり、ワンちゃんと一緒に宿泊可能。ゲージやトイレ、ペットシーツといったワンコグッズが用意されているほか、外にはワンコ用の洗い場もあります。
さらに、こちらのお部屋はなんと温泉付き。大浴場に行かずとも、お部屋の浴室で白馬の温泉を堪能できます。
レストラン「Dining & Bar LAVAROCK(ダイニング & バー ラヴァロック)」では、テラス席で心地よい風を感じながら、ワンちゃんと一緒に食事を楽しめます。
ディナーでは、信州産の食材を使った逸品や本格グリル料理を味わえるコース料理をいただきました。どの料理もおいしく安定感がありますが、なかでもお肉料理は絶品。実際に訪れたときは2泊したのですが、しっかり違うメニューを出してくれるのも良かったです。
朝食も、テラス席でワンちゃんと一緒にいただきました。
また「コートヤード・バイ・マリオット白馬」がある白馬エリアには、ワンちゃんと一緒に楽しめるスポットやアクティビティが豊富にあるのも大きな魅力。「白馬岩岳マウンテンリゾート」では、グリーンシーズンにワンちゃんとゴンドラに乗って白馬の絶景を楽しめます。
コートヤード・バイ・マリオット白馬
- 住所
- 長野県北安曇郡白馬村北城2937
- 総部屋数
- 72室
- アクセス
- JR大糸線「白馬駅」より車で約10分
香川県・屋島
屋島の宿 桃太郎
香川県屋島にある3室のみのアットホームな旅館、「屋島の宿 桃太郎」。別途料金で、ワンちゃんやネコちゃんと一緒に宿泊できます。
瀬戸内海国立公園内に位置し、車で行くには少しわかりにくい場所にあったり、内観は年季が入った印象だったりと最初は少し不安があったのですが、大満足の宿でした。
客室はとても広く、大きな窓からは瀬戸内海の絶景を一望できます。別名「鬼ヶ島」とも呼ばれる女木島(めぎじま)も見ることができました。
ゲージなどの用意はありませんが、廊下もリードOKだったり、ワンちゃんと一緒に食事を楽しめたりと、ペットウェルカムな雰囲気がよかったです。
朝食は宿の1階にある茶屋で、夕食は個室の食事処でワンちゃんと一緒にいただけます。
夕食では、瀬戸内で獲れた新鮮な魚介を使った会席料理を楽しむことができ、味もボリュームも大満足でした。特に印象的だったのが、ワンちゃん用の食事としてアルミにのせた鶏肉の用意があり、自分たちと同じお鍋で調理してもらえたこと。家族で同じものを一緒に食べている感覚を味わえて、非常によかったです。
デザートのみお部屋で出してくれるサービスもあり、部屋でくつろぎながら甘味をいただくこともできました。
部屋から見える美しい景色やおいしいお料理に加え、そういったうれしい心遣いなども含めて、クチコミサイトなどで高評価を得ているのも納得の旅館です。香川や瀬戸内海を観光する際の宿泊先としておすすめ。
屋島の宿 桃太郎
- 住所
- 香川県高松市屋島東町1821
- 総部屋数
- 3室
- アクセス
- JR「高松駅」より10km、JR「屋島駅」より5km
高松自動車道「高松中央IC」より国道11号線で屋島へ
岡山県・湯原温泉
下湯原温泉 わんこと泊まれる宿 わんこあん
愛犬同伴専門の温泉宿として2017年に岡山県湯原温泉にオープンしたのが「わんこあん」です。
わんこと一緒に泊まれる旅館をうたっていることから、ケージ、トイレ、トイレシートといったグッズも無料で用意があり、初めてのワンちゃん連れ旅行でも安心して宿泊できます。広々とした芝生のドッグランもあり、ワンちゃんも大喜び間違いなし。
お部屋には5室すべてに露天風呂と足湯がついているので、温泉好きな方にもおすすめ。ワンちゃん専用の湯桶の用意もあり、ワンちゃんと一緒にゆったりと温泉を楽しめます。
同館は個室の食事処、または部屋食でワンちゃんと一緒に食事を楽しむことが可能。実際に宿泊した際は、夕食朝食ともにお部屋でいただきました。
夕食でいただけるのは、岡山の⿊⽑和⽜「千屋⽜(ちやぎゅう)」を使った料理をはじめとする創作和会席コース。朝食では、岡山のおいしい素材を存分に味わえる和食が用意されています。
さらに、ワンちゃんのお料理も充実。別料金にはなりますが6種類の食材が用意されていて、好みに応じた食材を選べます。ヘルシーな素材が使われているのもうれしいポイント。ワンちゃん用の椅子や食器、ランチョンマットも用意してもらえます。
お食事から温泉まで、ワンちゃんと離れることなく一緒に過ごせるうえ、お部屋にいながらすべて完結するのも同感の魅力。ワンちゃんと一緒に、のんびりと非日常を満喫できます。
温泉好きな方は、同館から車で5分ほどで行ける「湯原温泉 砂湯」まで足を延ばすのもいいと思います。こちらは、日本温泉協会が発行した露天風呂番付で「西の横綱」にランクさたこともある温泉。
オープンな場所にある混浴風呂ですが、女性の入浴にも配慮し、ワコールとの共同開発による透けない女性用入浴専用着「はんざきちゃん湯浴み着」の用意もあるとのことです。
下湯原温泉 わんこと泊まれる宿 わんこあん
- 住所
- 岡山県真庭市下湯原97-3
- 総部屋数
- 5室
- アクセス
- JR姫新線「中国勝山駅」よりタクシーで30分
米子道「湯原IC」から約5分
大分県・由布院温泉
由布院温泉 湯富里の宿 一壷天
由布院駅から車で5分ほどのところにある「一壷天(いっこてん)」。ペット同伴専用の宿ではありませんが、10室ある離れ客室のうち6部屋でワンちゃん・ネコちゃんと一緒に泊まることが可能。広々とした敷地に客室10棟の離れ客室が点在する形なので、ペット連れでも周囲に気を遣わず楽に過ごせます。
こちらは、客室「青碧」。小上がりの居間を中心に、ベッドのある寝室や和室、そのほかバスルームなどがある和洋室です。
外には中庭があり、ワンちゃんを遊ばせることもできます。「青碧」の庭には扉がついていて、ドッグランにつながっているのも特別感があります。
なお客室はバラエティ豊かで、それぞれ異なる趣を感じることができるのもいいところです。
食事は、それぞれ専用の個室でワンちゃんと一緒にいただけます。夕食で堪能できるのは、地元食材や厳選された国産和牛を使った和懐石料理。お料理はどれもおいしく、こだわりを感じられる器が使われているのにも気分が上がります。
朝食は夕食とは別の個室でいただくことができ、違った雰囲気を楽しめました。なお追加料金を払えば、犬猫用の手作り自然食を用意してもらうこともできます。
ペットと同伴できる食事処に加え、チェックイン時や敷地内の移動がリードOKなことにもペットフレンドリーさを感じられます。さらに、敷地内にあるテラスやライブラリもワンちゃん同伴OK。敷地内を一緒にのびのび過ごせるのはありがたいですね。
なお由布院エリアには、ワンちゃんと楽しめる散歩コースや、食べ歩きを楽しめるスポット、ワンちゃんOKのカフェなども充実しています。
由布院温泉 湯富里の宿 一壷天
- 住所
- 大分県由布市湯布院町川上302-7
- 総部屋数
- 10室
- アクセス
- 車:「湯布院IC」から県道216号の湯布院幹部交番を左折約7分
電車:JR「由布院駅」下車、車で約5分
山梨県・長野県ほか
レジーナリゾート
愛犬と泊まれる高級リゾートホテルとして人気を集め、「富士」「軽井沢御影用水」「旧軽井沢」「びわ湖長浜」「鴨川」など各地で展開しているレジーナホテル。
ペット連れでも安心して泊まれる設備やサービスが充実しています。なかでも、万が一ワンちゃんが設備を汚したり、壊したりしたときのための保険サービスが宿泊費に含まれているのは、レジーナホテルならではです。
レジーナリゾートは、全室がペット同伴可能。ホテルごとにコンセプトが異なるので、それぞれ違った雰囲気を楽しめるのも魅力です。
お部屋にはゲージなどの備品も充実しているほか、お部屋によってはワンちゃん用のシャワーが付いていることも。また、客室はワンちゃんが滑りにくく汚れが付きにくい床材を使用しているとのことで、細かい配慮があるのもうれしいポイントです。
食事メニューはホテルごとに異なり、その土地ならではの旬の食材を使ったお料理をいただけます。例えば「旧軽井沢」では懐石料理、「軽井沢 御影用水」では創作フレンチ、「富士 Suites&Spa」では創作日本料理を楽しめます。
小型犬・大型犬に関わらず、ワンちゃんも床やカート(貸出無料)での同席が可能。シェフによるワンちゃん用の手作り料理の提供もあり、一緒に食事ができます。
レジーナリゾートの施設内は、滑りにくさやバリアフリーにも配慮があり、飼い主さんにもワンちゃんにも優しい設計。客室に限らずロビーやレストランなども、リードで自由に移動できるので、ストレスもかかりません。
「旧軽井沢」「軽井沢 御影用水」にもドッグランがありますが、「富士 Suites&Spa」にはプライベートドッグランがついたお部屋も用意されています。
また、レジーナリゾートでも別のホテルに宿泊した際、宿泊者の食事の好き嫌いといったニーズをホテル間で共有してくださっているようで、それを反映した料理を提供してもらえました。そういった気配りも含めて、高いレベルが担保されている印象です。ワンちゃんと一緒に宿泊するのに「ここなら間違いない」とおすすめできるホテルです。
レジーナリゾート
取材協力/トラベルドッグ.jp