旅グルメ

寒ブリに高志の紅ガニ!冬の富山を食す1泊2日グルメ旅(前半)

「天然のいけす」と呼ばれるほど、豊富な日本海の魚介類が集まってくる富山湾。中でも寒さの厳しい富山の冬は、紅ズワイガニとブリがおいしい季節です。紅ズワイガニが水揚げされる新湊(しんみなと)漁港、富山湾でも最高級の寒ブリを味わえる氷見(ひみ)、そして隠れたグルメスポット高岡を1泊2日で巡り、冬だからこそ楽しめる富山のグルメ旅をご紹介します。

東京から新幹線で約2時間30分、富山までのアクセス

富山駅

富山へのアクセスは、北陸新幹線がおすすめです。東京駅から富山駅まで約2時間30分で到着します。関西方面からは特急「サンダーバード」を終点の金沢駅で降りて乗り継ぎます。

車で行く場合は、練馬ICから関越自動車道、上信越自動車道を経由して北陸自動車道富山ICまで約6時間。高速バスも運行されています。

新湊で昼セリを見学して「高志の紅ガニ」を食す

富山の高志の紅ガニ

北陸・山陰地方で水揚げされるのは主にズワイガニ、ベニズワイガニです。特に富山県産のベニズワイガニは「高志の紅ガニ(こしのあかがに)」と呼ばれ、北アルプスから流れ出る良質な水とプランクトンの影響もあって、育ちがよく、栄養価も高いとされています。

甲羅幅14cm以上、重さが概ね1kg以上のものは「極上 高志の紅ガニ」のタグが付けられて販売されています。

新湊漁港の七時のセリ

「高志の紅ガニ」の水揚げで有名なのが、富山市に隣接する、射水市の新湊漁港です。港と漁場が近いという地の利を生かして、午後1時から昼セリが行われます。地元では「七時(などき)のセリ」と呼ばれているセリで、水揚げされたばかりの魚介類をセリにかけていきます。事前に予約をすれば、観光客も見学することができます。

新湊きっときと市場内のインフォメーションカウンター

昼セリを見学するには、当日の12:30までに新湊きっときと市場内のインフォメーションカウンターで受付が必要です。電話での事前予約も可能です。日曜と水曜、悪天候などで漁のできないときにはセリが行われません。見学できるかどうかは、当日の9:00以降に新湊きっときと市場に確認しましょう。

昼セリ見学

住所
富山県射水市八幡町1-1100
電話番号
0766-84-1233(新湊きっときと市場9:00~17:00)
集合時間
12:30~ 受付開始
休業日
水・日曜日、祝日、年末年始、休場日、2020年5月15・16日
昼セリ見学料金(9月~5月のみ)
100円/人(大人・小人)
アクセス
万葉線東新湊駅から徒歩約10分
富山ぶりかにバス

新湊きっときと市場へのアクセスは、富山駅発の「富山ぶりかにバス」が便利です。富山駅前の2番乗り場から出発し、新湊きっときと市場を経由して、ひみ番屋街までのルートを走ります。10月1日~3月31日まで運行している観光路線バスです。

富山ぶりかにバス

問い合わせ
076-432-3456(富山地鉄テレホンセンター)
予約
076-442-8122(富山地鉄乗車券センター)
ルート
富山駅前~海王丸パーク~新湊きっときと市場~川の駅新湊~本町~氷見漁港前~ひみ番屋街
料金
大人510円・小人260円(富山駅前~海王丸パーク・新湊きっときと市場・川の駅新湊・本町)
運行期間
2020年3月31日まで
新湊きっときと市場

富山ぶりかにバスは、大きなカニの看板が目印の新湊フィッシャーマンズワーフ、新湊きっときと市場の目の前に停車します。館内には海鮮市場・鮮魚センターやレストランもありますが、海王丸パークにも隣接し、路面電車の万葉線の駅も近くにあるので、新湊散策の要にもなります。

昼セリの様子

見学の受付後、漁港に移動して、2階の見学通路から活気あふれる昼セリの様子を見学します。水分が抜けないように、甲羅を下にした仰向けの状態で並べられた紅ガニはまるで紅い絨毯のよう。多い時には200人以上の観光客が見学するそうなので、団体客が到着する前に移動するのがおすすめです。競り落とされた高志の紅ガニは、次々と港に横付けされたトラックで運び出されていきます。

釜茹でされる紅ガニ

新湊きっときと市場と周辺のお店では、競り落とされたばかりの紅ガニがすぐに釡茹でされて提供されます。全身が朱色を帯びた紅ガニは、熱を通すとさらに鮮やかな紅色になります。

新湊かに小屋の紅ガニ

新湊きっときと市場と漁港の間にある「新湊かに小屋」は団体客専門のお店でしたが、事前予約をすれば、個人でも茹でたての紅ガニを食べることができます。

新湊かに小屋

住所
富山県射水市八幡町1-1100
営業時間
カニの収穫時期(9月~5月) 13~15時
※2020年上期は4月25日まで
定休日
水・日曜日、祝祭日
メニュー
■まるごと一杯プラン2,500円(高志の紅ガニ1杯・昼セリ見学料(管理費)・新湊きっときと市場お買い物・お食事券500円/2名1組~)
■食べ放題プラン5,900円(高志の紅ガニ60分食べ放題・昼セリ見学料(管理費)・新湊きっときと市場お買い物・お食事券500円/2名1組~)
■漁港鍋と昼セリ見学プラン3,600円(漁港鍋・昼セリ見学料(管理費)・新湊きっときと市場お買い物・お食事券500円/3名1組~/)
問い合わせ先
0766-84-8051
アクセス
【電車・徒歩】万葉線東新湊駅から徒歩約10分
【車】北陸自動車道小杉ICから車で約25分
新湊きっときと市場

昼セリと紅ガニを楽しんだら、新湊きっときと市場へ。隣接する新湊漁港で獲れた海の幸が豊富に並ぶ海鮮市場です。特産の海産物や里の幸をはじめ、お土産品なども豊富に揃っています。また館内には休憩コーナーやイベントホール、レストランもあって、週末は多くの観光客で賑わいます。

新湊きっときと市場の様子

旬の紅ガニはもちろん、干物や富山名産のます寿司、獲れたて新鮮な魚を使ったお寿司などが並んでいます。また館内のレストランや食堂には、紅白丼(カニと白エビ)や紅ズワイガニとワタリガニのトマトクリームパスタなど、カニを使ったメニューもあります。

新湊きっときと市場

住所
富山県射水市海王町1
電話番号
0766-84-1233
営業時間
9:00~17:00
休業日
無休
アクセス
【電車・徒歩】万葉線東新湊駅から徒歩約10分
【車】北陸自動車道小杉ICから車で約25分

「恋人の聖地」と「日本のベニス」散策

海王丸パーク

新湊きっときと市場から徒歩10分ほどで行ける帆船海王丸を係留してある海王丸パークは、海王丸の進水日が2月14日(バレンタインデー)だったことから、「恋人の聖地」に選定されています。「幸せのベル結婚式」や婚活イベント「海王丸恋人フェスティバル」が開催される人気スポットです。海の貴婦人と呼ばれる海王丸の向こうには、天気が良ければ立山連峰を望むことができます。

海王丸パーク

海王丸パーク内には海洋文化への理解と知識を深める施設、日本海交流センターや野鳥と触れ合える富山新港臨海野鳥園(海王バードパーク)、富山湾から立山連峰、新湊大橋を一望できる展望広場などもあって、夕日が沈むまで楽しめるスポットとなっています。

海王丸パーク

住所
富山県射水市海王町8
アクセス
【電車・徒歩】万葉線海王丸駅から徒歩約10分
【車】北陸自動車道小杉ICから車で約20分
海王丸パークから出航する内川遊覧&12橋巡り

「日本のベニス」と呼ばれる内川を遊覧する「内川遊覧&12橋巡り」も海王丸パークから出発しています。日本海側で最大と言われる斜張橋・新湊大橋を潜ると、そこは昭和の面影を残したような風情のある内川。定員48名の万葉丸で、のんびりと一周約50分の船旅を楽しむことができます。

赤い切妻屋根の東橋

内川の川岸には、漁師町ならではの生活空間が広がっています。そこにかかる橋は、城をイメージしたニの丸橋、赤い切妻屋根の東橋、郷土出身の竹田光幸氏制作の彫刻がある山王橋、そしてステンドグラスが鮮やかな神楽橋など、それぞれ特徴のある橋が次々と現れます。橋の下ギリギリを通過するスリルを味わえるのも「内川遊覧&12橋巡り」の魅力でもあります。

内川遊覧

神楽橋のたもとにある川の駅新湊は、コースで唯一の停泊地です。立ち寄るなら、一旦下船するのがおすすめ。次の船が来るまで食事をしたり、お土産を選んだりできます。観光案内コーナーやレンタサイクルもあるので、周辺を散策する際の拠点にすることも。

川の駅新湊

川の駅新湊は、一階が射水市の特産品を販売する「うまいもんショップ」、二階には、内川を眺めながらのんびりくつろげるカフェレストランがあります。また、豪華絢爛・伝統の曳山まつりの曳山が常設展示されているのも見逃せません。

富山ブラックサイダー

うまいもんショップでは、定番のホタルイカの沖漬けをはじめとする特産品や昔懐かしい駄菓子などが販売されています。中でもご当地ラーメン富山ブラックをイメージした富山ブラックサイダー(216円)は、醤油と胡椒風味のちょっと変わった味のサイダーです。

川の駅新湊のカフェレストラン

カフェレストランのおすすめは、かけうどんの出汁と中華麺を組み合わせたかけ中(450円・税抜)。特産の白えびの揚げ玉も入っています。また白えびかき揚げうどん・そば(550円・税抜)や白えびカレー(600円・税抜)も人気とのこと。

内川遊覧&12橋巡り

運航時間
冬期営業(12月~2月)10:00~15:00(平日は予約のみ)
通常営業(3月~11月)9:00~16:00
定休日
水曜日(水曜日が祝日の場合は木曜日)
運休期間
年末年始
定員
48名
料金
1,500円/小人(小学生) 800円(障害者割引有)

川の駅新湊

住所
富山県射水市立町1-26
開館時間
9:00〜21:00(カフェは9:00〜18:00)
※2月1日~29日は9:00〜18:00
休館日
第4水曜日 (祝祭日の場合翌日)
※カフェは毎週水曜日
アクセス
万葉線新町口駅から徒歩約8分

朝セリに備えて氷見へ

万葉線

翌朝、氷見漁港で朝セリを見学するためには、氷見に宿を取る必要があります。海王丸パークから氷見に行くには、万葉線で高岡駅に出て、氷見線に乗るのが一般的なコースです。

富山ぶりかにバスは、平日12:25、休日14:50に新湊きっときと市場を出発する便が最終のため、これには間に合いません。海王丸パークの最寄りの海王丸駅から高岡駅までは約50分、高岡駅から氷見駅までは約30分です。

氷見のひみぶりフェア

氷見では12~2月の期間、「ひみぶりフェア」が開催されています。ひみぶりフェアにはおよそ30軒の飲食店、旅館、民宿が参加していて、各店自慢のぶり料理を堪能することができます。

割烹しげはま

その中でも、氷見の魚はもちろん、氷見糸うどんなどの郷土料理も気軽に楽しめる「割烹しげはま」へ。創業昭和15年の「割烹しげはま」は、氷見漁港から直送のきときと(鮮度がいい、ピチピチの状態)な魚が食べられるお店です。

割烹しげはまのぶりコース

取材日に「ひみ寒ぶり」として水揚げされたのは2本だけでしたが、そのうちの1本を仕入れてあるということだったので、ぶりを余すことなく堪能できるコースでいただくことにしました。水揚げの状況によっては、コースが用意できないこともあるとのこと。事前に確認するのがいいでしょう。

富山の地酒が揃う割烹しげはま

ぶりコース(11,500円)は量が多いので、2人でシェアするのがお店のおすすめです。お一人様には、各料理の量を抑えたミニコース(8,500円)もあります。また「ぶり定食」(4,500円)に単品で料理を追加することもできます。富山の地酒も揃っているので、一緒にいただいてみてはどうでしょう。

割烹しげはまのぶりコース

冬季限定(11月中旬~2月下旬)のぶりコースは、ぶり肝の旨煮、ぶりわたのみそ漬け、ぶりのふと味噌煮、ぶりの皮の煮こごり、ぶりのお造り、ぶり大根、ぶりの塩焼き、ぶりしゃぶ、ぶりのあら煮、ぶりなます、えらの唐揚、ぶり汁の12品にご飯と香物が付いた豪華なぶりづくしのコースです。

ぶりコースの珍味

まずは付き出しの珍味から。ぶりの肝臓を醤油と砂糖で甘辛く煮込んだ肝の旨煮は、ソフトな食感が楽しめます。わたの味噌漬けは小腸を味噌に漬け込んだもの。大根の薄切りと一緒にいただきます。胃袋を味噌で煮込んだふと味噌煮、ぶりのゼラチン質だけで固めた皮の煮こごりも独特な食感が楽しめる珍味です。普段食べない部位だけに、食感の違いや味の違いを味わいながら、お酒も進みます。

ぶりのお造り
ぶり大根

お造りは背身、尾身、大トロと部位によって違う味と食感が楽しめるようになっています。厚みや切り方も部位に合わせて変わります。

2日以上かけて煮込んでいるというぶり大根。時間をかけてゆっくりと煮込むことで、大根にはしっかり味が染み込み、ぶりは骨まで食べられる柔らかさになっています。

ぶりの塩焼き
ぶりしゃぶ

塩焼きは、大根おろしとお醤油でいただきます。ぶりが新鮮なだけに、身はふわふわでジューシーです。コース半ばですが、ここまででも十分にぶりを堪能した気分になれます。

ぶりしゃぶは、昆布だしに2~3回くぐらす程度のレアで食べてみるようおすすめされました。軽く火を通すことで、凝縮された旨味が口の中に広がります。

ぶりのあら煮
ぶりなます

頭の部分を甘辛く煮付けたあら煮は、しっかり味付けられた一品。付け汁はご飯に合うので少し残しておきましょう。

ぶりのぶつ切りをゆずと大根おろしと甘酢で和えた鰤なます。あら煮の後だけに、ゆずの風味と甘酢のさっぱりとした味わいが際立ちます。

えらの唐揚げ
締めのご飯とみそ汁

えらの唐揚げは、アツアツのうちにレモンをかけていただきます。サクサクとしていて魚とは思えない意外な食感。1本のぶりから8枚しか取れないという珍味です。

まさにぶりを食べ尽くした感じのコースの締めは、シンプルにご飯と味噌汁。ご飯は氷見産のコシヒカリを炊いています。

割烹 しげはま

住所
富山県氷見市丸の内2-18
営業時間
【平日】12:30~14:00(予約のみ)/17:00~22:00
【土日祝日】12:00~14:00/17:00~22:00
定休日
木曜日、年末年始
アクセス
氷見駅から徒歩約15分

氷見市の沿岸北部には、美人の湯として人気の氷見温泉郷があります。約20軒の旅館・民宿が点在し、入ると肌がツルツルになるナトリウム‐塩化物泉の泉質は、切り傷・火傷・慢性皮膚病・慢性婦人病などに効くとされ、特に女性客に好評です。

氷見の宿の魅力は、なんといっても朝獲れのきときとな魚料理。ゆったり気分で味わえる宿の夕食で、紅ガニや寒ブリを味わうというのもグルメ旅の選択肢のひとつかもしれません。

次の日は、氷見漁港の朝セリと新鮮な海鮮丼を堪能してから、ひみ番屋街の散策と高岡の街あるきを楽しみます。

取材・撮影・文/柴田誠

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