
提供:ことりっぷ
6月の鎌倉はあじさいが見頃を迎え、街全体が一層魅力的になります。鎌倉駅と長谷エリアを結ぶ由比ガ浜通りは、そんな美しい景色を楽しむのにぴったりの場所。小さな店が並ぶ通りを散策しつつ、各店の自慢の品々を味わってはいかがでしょうか?
今回は手作りスコーンのお店からはじまり、長谷のかき氷が評判の古民家カフェまでをご紹介します。長谷に到着したらもちろん、花の寺として知られる長谷寺であじさいの鑑賞も楽しんでくださいね。
朝焼きスコーンが自慢の「Good Morning Scones Kamakura」
こぢんまりとしたショップ
鎌倉駅から御成通りを抜けて由比ガ浜通りに出ると、ほどなく「Good Morning Scones Kamakura」の看板が目に入ります。
ユニオンジャックがはためくこのスコーン専門店は、アットホームな雰囲気と手作りスコーンで人気です。
ショーケースには10種類ほど並ぶ
国産小麦を使用し、甘さ控えめのスコーンはおやつや朝食に最適。
プレーンをはじめ、地元の名産シラスを生地に練り込んだ「シラススコーン」や、4層のボーダー柄スコーンなど、個性的なオリジナルスコーンが揃います。
スコーンの高さは4㎝に統一して美しい形にもこだわる
木の温もりにあふれたイタリアンでランチ「LIFE Sea Southern」
ホッと落ち着く温かみのある店内
スコーンのお店を後にして長谷方面へ進むと、ナチュラルな雰囲気が漂う「LIFE Sea Southern」が見えてきます。アンティーク家具が配された店内は、イタリアの田舎にあるカフェのよう。ゆったりと時間がながれる中でランチをぜひ。
ランチの「グラタンプレート」(2,200円)「ナチュラルワイン」(700円※平日のみ)
鎌倉野菜をたっぷりと盛り付けたランチプレートは、パスタ、グラタン、ピザから選びます。イタリアで修業をしたシェフの料理はどれも折り紙付き。旬の鎌倉野菜の美味しさを存分に味わえます。
江ノ電和田塚駅から徒歩約1分
国産小麦の香ばしさが店内をつつむベーカリー「製パン雅」
古都の街並みに溶け込む外観
続いて訪れたいのは、昨年秋にオープンした「製パン雅」です。シンプルな外観に惹かれて中に入ると香ばしくふわっとしたパンの香りが心地よく広がり、奥の工房では次々とパンが焼きあがっていきます。
そのままでも味わい深い全粒粉100%の「愛知の小麦」(640円、ハーフは320円)
名古屋で評判だったベーカリーで、店主の鎌倉移住をきっかけにこちらにオープン。今ではすっかり地元でなくてはならない存在に。北海道や愛知県、三重県といった国産の小麦をメインに使い、食パンやカンパーニュ、デニッシュ、サンドイッチなど、木枠のショーケースには約40種類が並びます。
「クロワッサン」(280円)「デニッシュ」(380円~)
幾重にも重なる層からなるクロワッサンやデニッシュは、内側はしっとりとしながらも表面のパリパリとした食感が魅力。焦がしバターを練り込んでやや高温でしっかりと焼くのがポイントです。香りがたち、国産小麦の香ばしさとバターの風味が漂います。
ショーケースには種類豊富に並ぶ
外のベンチや、店内にも二人掛けの小さなカウンターがあるので、その場でいただくのもおすすめです。焼きたてのパンを味わう時間は、散歩の途中での贅沢なひとときに。
看板犬が出迎えるジェラート屋さん「NICO&LEONE GELATERIA BAR」
ジェラート2種類(700円)
由比ガ浜通りの中ほどに位置する「NICO&LEONE GELATERIA BAR(ニコアンドレオーネ ジェラテリア バール)」は、手作りのジェラート専門店。イタリアで修業した店主がつくるジェラートをメインに、カウンターにはイタリアのスイーツやお惣菜も並び、お昼時にはランチも用意されています。
抹茶やティラミスなど好きに選んで
ジェラートのフレーバーはバニラの最高峰といわれるブルボンバニラや香りのいいアールグレイ、ヴァローナチョコレートを贅沢に使ったショコラに加え、季節のフルーツをふんだんに使った種類などカラフルに約10種類。取材時は国産の「ブルーベリー」や「いちごミルク」が華やかでした。
「カスタードプリン&ジェラートプレート」(700円)
ジェラートは外のベンチや店内でイートインでき、時間に余裕があれば「カフェラテ」(600円)などのドリンクとともにジェラート2種とプリンを盛り合わせたプレートをいただくのもおすすめです。プリンはバニラにラム酒をきかせたイタリア風。ラム酒の風味が口の中でほのかに香ります。
江ノ電由比ガ浜駅から徒歩約3分
店内では看板犬のゴールデンレトリバー、レオ君がのんびりとくつろぎます。ジェラートに添えられる最中の絵柄にもなっているワンちゃんで、愛くるしい表情を見ているとリフレッシュできますよ。
風情ある古民家カフェ「vuori」でくつろぎのティータイムと雑貨
江ノ電長谷駅から徒歩約3分
「NICO&LEONE GELATERIABAR」からは長谷の中心エリアに入っていきます。この辺りは昔ながらの佇まいを残す建物が多く、大正時代に建てられた旧倉庫の並びにあるカフェ「vuori(ブオリ)」は古くからある海産物の卸問屋さんの倉庫をリノベーション。2階には「暮らしの道具店」もオープンしています。
かき氷は6月中旬~9月中旬まで「ほうじ茶ミルク」(1,000円)※材料がなくなり次第終了
ネルドリップで淹れる美味しいコーヒーのほか、この時期は「黒糖麦こがし」や「酢べりー」といった手作りシロップのかき氷が人気です。
ふわふわに削った氷と自然の恵みがたっぷり詰まったシロップが口の中で溶け合い、どこか懐かしい味。牛乳でほうじ茶をしっかりと煮だした「ほうじ茶ミルク」はまるでミルクティーのようです。居心地のいいカフェでぜひ味わって。
2階の暮らしの道具店には作家さんの焼き物やアクセサリーが並ぶ
由比ガ浜通り散策の終点は長谷寺でアジサイ鑑賞
長谷寺の山門
「vuori」から長谷寺までは目と鼻の先。歩みを進めると、長谷寺の山門にかかる赤い提灯が見えてきます。この季節の長谷寺は40種類以上、約2,500株のあじさいが埋めつくし、境内を華やかに彩ります。
経堂裏のアジサイ
「あじさい路」という眺望のいい散策路も整備され、長谷の街と由比ガ浜、キそしてラキラとした海までも見渡す圧巻の風景を楽しめますよ。ぜひこの時期ならでは鎌倉の風物詩を楽しんでくださいね。
お守りの種類も豊富「あじさい花網守」
文:高橋茉弓 写真:高橋茉弓、古本麻由未、新井智子