
提供:ことりっぷ
伊勢市民に愛される喫茶店グルメ「モリスパ」をご存じでしょうか。見た目は名古屋の喫茶店でよく見かける「鉄板ナポリタン」のようですが、ソースや焼き方など、オリジナリティを追求していて、今では伊勢市民にソウルフードと称されるまでに。50年以上変わらない味を守り続けるお店を訪ねてみました。
近鉄・宇治山田駅から徒歩3分。伊勢市民御用達の喫茶店
写真提供:近畿日本鉄道株式会社
伊勢神宮の最寄り駅である近鉄・宇治山田駅は、参宮急行電鉄(現在の近鉄)の終着駅として昭和6年に建設され、当時の駅舎が今も大切に使われている歴史ある駅。テラコッタの外壁や格子窓、スペイン瓦など、スパニッシュ様式を取り入れた建物は国の登録有形文化財にも指定されています。
建物の2階がお店
そんなレトロモダンなデザインが美しい近鉄・宇治山田駅から徒歩5分ほどの場所にある「喫茶モリ」は、1970年に創業した伊勢市の人気喫茶店。朝は近所の人が、昼は働く人や学生たちのランチで賑やかに。老若男女幅広い世代が訪れています。
名物「モリスパ」は、熱々が美味しい鉄板ナポリタン
「モリ特製スパゲティ」(650円)
こちらのお店の名物となっているのが、ほとんどの人がオーダーするという「鉄板スパゲティ」。ナポリタンを鉄板の上に盛り、そこに卵液を流し入れ焼き上げて仕上げる料理で、熱々になった鉄板ごと提供します。
ナポリタンの具材はマッシュルームとグリーンピース、赤ウインナーのみ。ケチャップベースのオリジナルソースがしっかり濃厚で、味の決め手となっています。
左が麺が1.5倍になる大盛(800円)。
この鉄板スパゲティは、たっぷりのオイルで麺を炒めているので、食べているうちに熱々の鉄板によりカリッと香ばしい食感に。仕上げに流し入れる卵液は、ふわっとオムレツのように焼き上げていて、麺と絡めるとまろやかな味わいになります。
濃厚なソースの味や、少し焼けた香ばしい風味、ふわふわの玉子と、さまざまな味が楽しめ、最後まで飽きずにいただくことができますよ。
二代目店主の濱口さん
この鉄板スパゲティは50年以上前からメニューにあり、現在では「モリスパ」と呼ばれ親しまれるまでになりましたが、現在その味を守るのは、二代目店主の濱口さん。
たまたまこの店の隣で喫茶店を営んでいたことをきかっけに、高齢となった先代から20年ほど前に店を受け継ぎ、この鉄板スパゲティのレシピもそのまま伝授してもらいました。
ヘルシーに食べられるよう、木の板も用意。鉄板を傾けることで、油を切ることができます
「私も学生の頃からこの味を知っていましたので、なくしたくないという思いがありました。今では三世代で通ってくださる方も。
ソースや具材などレシピはそのままですが、昔よりは油を控えて作っていますよ」という濱口さん。通ってくださる伊勢市民のためになるべく値上げせずに守り続けていきたいと話してくれました。
50年前と変わらないまま。お気に入りの品を見つけて
「玉子サンドイッチ」(530円)と「バナナジュース」(300円)
ほかにもサンドイッチやトースト、パフェなど、ほかにもお店には、昔ながらの喫茶店らしい、定番メニューがあり、どれも50年以上前から変わらないメニューばかりです。
お店に掲げられているメニュー表も値段以外は昔のままなのだとか。「モリスパ」と一緒に楽しむならミックスジュースやバナナジュースがおすすめですよ。
「フルーツパフェ」(550円)
伊勢市民が通い続ける憩いの場所であり、思い出の味をいつでも楽しむことができる「喫茶モリ」。「モリスパ」は、どこの鉄板スパゲティとも異なる味で、きっと虜になるはずですよ。伊勢市民に愛される、昔ながらの喫茶店の味をぜひ体験してみてくださいね。