
提供:ことりっぷ
待ちこがれた春がやってきました。桜、菜の花、山吹、藤、ツツジ……京の都に移ろう麗しい花ごよみのはじまりです。お花見のおともに連れて行きたいおやつといえば、やっぱりおだんご! 片手でほおばれる気軽さが魅力です。素材も味わいもさまざまな、個性豊かなおだんごをご紹介します。
【祇園】福栄堂の「歌舞伎団子」
白いおだんごを3種のあんで包んだ「歌舞伎団子」1串300円
「福栄堂」は、祇園のメインストリート、四条通の北側に店を構える創業80余年の和菓子店。白いあんを月、赤いあんを雲に見立て、祇園の夜霞に見えるほのかな月をイメージした「祇園の月」が看板銘菓です。歌舞伎を中心とする劇場・南座が近くにあることにちなみ、宇治・堀井七茗園の香り高い抹茶をたっぷり使用した抹茶あんのおだんごも加え、歌舞伎を象徴する3色に連ねたのが「歌舞伎団子」。1串で3種の味が楽しめます。
ふらりと立ち寄れる気軽さがいい
ショーケースには季節の和菓子も並ぶ
左から、「祇園の月」280円、「抹茶串」200円、「歌舞伎団子」300円
昭和レトロなマッチ箱入りも。6個入680円~
【御所南】豆政の「すはまだんご」
「すはまだんご」5本袋入291円~
豆菓子と和菓子の老舗「豆政」が作る小さなおだんごは、もち粉ではなくきなこ製。香ばしく炒った国産のきなこと水飴を練り合わせた「すはま(洲浜)」という半生タイプの和菓子です。しっとりとした食感で、きなこの風味が口のなかで広がります。抹茶、煎茶、ほうじ茶、コーヒー、紅茶などお茶請けにぴったり。ティータイムをキュートに彩ってくれます。
創業は1884(明治17)年。風格漂う佇まい
豆と2羽の鳩を描いた紋章は明治時代からのもの
看板商品「夷川五色豆」をはじめ、30種を超える豆菓子が並ぶ
【烏丸御池】み MITARASHI DANGO by kolme kyotoのおだんご
左から、「カスタード」400円、「こしあん」350円、「3色 彩」350円
アイウェアのセレクトショップ「kolme kyoto」が軒先で営むおだんご屋「み MITARASHI DANGO by kolme kyoto」。眼鏡の焼き印を付け、京都の醤油でつくる芳醇なタレをたっぷりからめたみたらしだんごが評判です。こしあん、つぶあん、のり醤油、抹茶など和風だんごのほか、もも、温州みかん、カスタードやチョコレートをあわせた進化系のおだんごも。2階にはおだんごとドリンクで一服できるイートインスペースもあります。
河原町・烏丸エリア散歩の休憩に立ち寄りたい
みたらしだんごは1本からテイクアウトOK
手みやげ用のみたらしだんご。9個入900円
【北野】ぱんだの散歩の「ぱんだんご」
「ぱんだんご」1本190円、季節限定210円~
北野天満宮の参拝とあわせて立ち寄りたいおだんご専門店「ぱんだの散歩」。米粉ともち粉をあわせてもっちりと仕上げた生地に、竹炭を練り込んで黒色にし、小さくまるめた目や耳をひとつひとつ付けるところまで、店主の平井さんがパンダへの愛を込めて手づくりする「ぱんだんご」が人気です。桜や、クローバー、紅葉、星、ハートなど季節のモチーフを手にした季節限定のぱんだんごもお目見えします。
閑静な住宅街にある。イートインはショップ横のスタンドで
すぐに食べるときは、軽く焼き目を付けてくれる
うららかな空の下でほおばったり、おみやげに買い求めたり。「花よりだんご」もいいけれど、お花もおだんごも一緒に京都の春を謳歌しませんか。
文:佐藤理菜子 写真:マツダナオキ