
提供:ことりっぷ
早咲きの桜を楽しむ、静岡・河津町のイベント「河津桜まつり」。2025年は寒さの影響で開花が遅れ、まつり期間が3月9日(日)まで延長されることに。いつもより長く楽しめるとあって、大いに注目を集めています。イベント期間中は、川沿いに咲き誇るピンクの桜並木や限定グルメ、夜にはライトアップされた幻想的な景色……など、見どころが盛りだくさん♪ 今回は、実際に訪れて感じた「河津桜まつり2025」の魅力をたっぷりご紹介します。
春待ちの心を染める、ピンク色の河津桜
東京駅から「特急踊り子号」に乗り、約2時間40分。静岡県河津町は、伊豆半島の南東側に位置する自然豊かな町。約8000本の河津桜が咲き誇るシーズンに合わせて、毎年、訪れる人が60万人を超える人気イベント「河津桜まつり」が催されます。
このイベントは、例年2月上旬から約1カ月行われますが、2025年は桜の開花状況により、3月9日(日)まで延長されることに。いつもより、長くたっぷり、河津町が春色に染まる「河津桜まつり」を楽しめます。
川沿いの遊歩道を歩いて桜さんぽ
町の中心を流れる河津川が、「河津桜まつり」のメインスポット。川沿いの約4.2kmにわたり、約850本もの桜並木が続きます。河津桜が咲き誇る川沿いを歩けば、まるでピンク色の魔法に包まれたような気分に。いたるところで、写真や動画に残す楽しみがあります。
手が届く場所にたくさんの花をつける
取材に訪れた2月中旬は、まだ一分咲きといったところ。つぼみがふっくらと膨らんで、今か今かと咲くころを待ちわびていました。河津桜は背が低いため、写真を撮るのにうってつけ。お気に入りの桜スポットを探しながら、散策してくださいね。
鮮やかなイエローに心弾む「菜の花ロード」
桜並木の真ん中には、菜の花と河津桜が共演する「菜の花ロード」が。菜の花は、寒さの残る2月頃から咲き始め、3月下旬まで咲き続けます。菜の花だけの状態でも、“黄色の絨毯”のよう!一面イエローのハッピーな光景に、思わず心が弾みます。
2025年の河津桜のピークは3月1日頃。満開を迎えると、写真のような桜のピンクと菜の花のイエロー、青空のブルーのコントラストが楽しめます。
ピンク色のキュートな限定グルメを満喫
そして、このお祭りの大きな魅力が、種類豊富な屋台グルメを味わえること。川沿いの道には、あちこち屋台が並び、来訪者の目と舌を喜ばせます。
ぽかぽか小春日和の日には、屋台で好きなものを買って、海まで行ったり、河原におりて食べるのもあり。「どこで何を食べようかな?」と迷うのも、ワクワクするひととき。
川沿いの民家では、もぎたての柑橘が売られていることも。伊豆らしい光景に、なんだかほっこり。
並んでも食べたい「桜たい焼き」1枚300円
ここに来たら、ぜひ食べてほしいのが、元祖さくら鯛焼きのお店「田舎本舗」。まつり期間中は、いつも行列が耐えない人気のたいやき屋さんです。
実はこちら、本業が老舗のあんこ屋さん。南伊豆産の桜葉を使用した生地の中には、十勝産小豆をふっくら炊き上げた、お店自慢の粒あんが中にたっぷり入っています。
また、このたい焼きは、開花から満開に向けて、色が徐々に濃くなっていくユニークな仕掛けも。一度ならず、何度も食べたくなります。
伊豆の伝統を伝える「雛のつるし飾り」とお手製のたい焼き刺繍を施した、のれんが目印
さっそく出来たてを頬張ると、もちもちの皮の中には、あんこがぎっしり詰まっています。あんこの量は多めですが、甘さは控えめ。ほのかにさくら味がする、上品で春らしい味わいです。
河津桜をトッピングした「桜餡いちご大福 夢さくら」(500円)
もうひとつのおすすめは、河津川から歩いて10分ほどの場所にある「70 nanamaru cafe」。こちらは、フラワーデザイナーの後藤 清也さんが手がけるカフェです。
桜まつりの期間中、自家製の桜あんがたっぷり入った「いちご大福」を販売。赤ちゃんのほっぺのようなやわらかさとやさしく広がる桜の風味に、思わずウキウキ♪
「桜サクラテ」(450円)
ドリンクをプラスするなら、桜まつり限定の「桜サクラテ」を。塩味があり、まるで飲む桜もちのような味わい。お花見の後でいただけば、春気分がぐっと盛り上がりますよ。
歩き疲れたら、無料の足湯でリフレッシュ
「さくらの足湯処」
たくさん歩いて疲れたら、無料の足湯に立ち寄って。河津町は、湯量豊富な温泉地。河津川沿いには、温泉を引いた足湯が3か所(豊泉の足湯処・さくらの足湯処・峰温泉大噴湯公園の足湯処)あり、すべて無料で楽しめます。
桜まつりのメイン会場に最も近いのは、円形の「さくらの足湯処」。桜を見ながら、のんびり足湯でリフレッシュ。寒い日は、足元からぽかぽかになりますよ。
桜のトンネル × 夜桜ライトアップ
「かわづいでゆ橋」から「踊り子温泉会館」付近にかけて行われる、夜桜ライトアップ
桜まつり期間中の18時~21時には、「夜桜ライトアップ」も行われます。ライトアップのメインスポットは「かわづいでゆ橋」から「踊り子温泉会館」付近まで。川面に映る桜の影も美しく、まるで夢の中にいるよう……。昼間のにぎやかな桜まつりとは一味違う、しっとりとした春の訪れを感じられます。
ほんのりピンク色に照らされた桜のトンネル
さらに「踊り子温泉会館」の裏手へ行くと、ライトに照らされた「桜のトンネル」が出現。ピンクに染まる並木道を歩けば、ロマンチックな気分に。大切な人と訪れれば、忘れられない思い出になるはず。
河津桜のルーツとなる「原木」を見に行こう
原木があるのは、飯田さんのご自宅の庭
時間のある人は、ぜひ河津桜の原木を見に行ってみて。河津駅から歩いて15分ほどの場所に、河津桜のルーツとなる「原木」があります。
河津桜は、1955年、地元の飯田勝美さんが川原で偶然見つけ、自宅の庭に植えたのが始まり。この木から、接ぎ木が行われ、町全体に広がったと言われています。
今では河津町のシンボルとなり、多くの人がその原木を訪れるように。70年経った今でも、きれいに花を咲かせてくれます。
桜テラス「花絨毯」でプレミアムなお花見を
2024年には、「踊り子温泉会館」横に、高さ約4メートルの絶景テラス席が誕生しました。
桜テラス「花絨毯」は、ぬくぬくこたつに入りながら、お花見&食事を一度に楽しめるというもの。提供されるのは、地元の食材をふんだんに使用した豪華な会席膳。完全予約制だから、混雑も一切なし。とびっきりの贅沢ランチができますよ。
桜の見頃が気になる方は、河津町のホームページから、インターネットライブ中継を要チェック。リアルタイムの開花状況を知ることができますよ。
河津桜が楽しめるのは、肌寒い時期。暖かくしてお出かけくださいね。
文:安藤美紀