“呼吸する土” と称される伊賀の粗土を生かした土鍋「かまどさん」は、2000年の発売から60万個以上を売り上げた。その大ヒットメーカーこそ1832年の築窯以来、この地で伊賀焼の伝統を継承しているこちらの窯元。登り窯で焼き上げた昔ながらの伊賀の茶陶から、現代のライフスタイルにマッチした調理鍋まで幅広く、静かな山間の工房で職人たちの手によって生み出される。かまどさんはもちろん、様々な商品がそろうショップも見応えあり。
のどかな風景が広がる伊賀コリドールロード沿いに、突如現れる小さな白い看板が目印。ギャラリーにはアートに限らず工芸や生活雑貨など、オーナーが全国各地の作家に直接会ってほれ込んだ“手もとに置いて(使って)楽しめる”作品が並ぶ。見て、触れて、感性を刺激した後は、隣接する居心地の良いカフェで、こだわりのコーヒーと自家製スイーツでほっこりひと休み。
伊賀市の地域活性化プロジェクトの一環で誕生した菜種油「七の花」。伊賀市産の菜種を圧搾機で時間をかけて搾油し、瓶詰めから販売までをこの施設で行っている。一般的な食用油よりレシチンやビタミンEを豊富に含み、菜種本来の風味やコクが味わえるナチュラルオイルをぜひご賞味あれ。
武士の肝っ玉(心と体)を養ったことから命名された漬物は、伊賀特産の白瓜の芯を抜き、細かく刻んだシソやショウガなどを詰めて秘伝のたまり醤油でじっくり熟成させる幕末から変わらぬ製法を貫く。伝統を守る一方、養肝漬ドレッシングなど、斬新な商品開発にも果敢にチャレンジしている。
大和街道と分岐する西追分(にしのおいわけ)から鳥居を構えて伊勢別街道と分岐する東追分まで、約1.8㎞続く関宿は、東海道五十三次47番目の宿場町として栄えた当時の面影を色濃く残す。かつては参勤交代や大阪・京都からの伊勢詣で賑わった街道と、馬や牛をつないだ環金具や漆喰を塗った虫籠窓などが施された建物を含む200棟余りの古い町屋があり、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている。東追分の大鳥居は伊勢神宮式年遷宮の際、内宮宇治橋東詰の鳥居の下附を受けるのが習わしで、今年移築されたばかり(写真下段中)。
関宿がある亀山市は紅茶の産地としても名高く、ここではオーナーが自らブレンドしたオリジナルの亀山紅茶がいただける。町屋を改装した店内は、外の趣とはまたガラッと違う落ち着きのある英国調で統一。50種類以上の紅茶と手作りのケーキやスコーンを求めて、街歩き途中にぶらり。
北海道産小豆の自家製こし餡を求肥で包み、徳島の和三盆をまぶした上品な甘さの「関の戸」は、一子相伝で14代に渡って受け継がれている。そんな御用菓子司としても認められた老舗が昨年、創業以来初となる新作を発表。伊勢茶の香りが存分に楽しめる新味が、関宿の銘菓に加わった。
歴史ある街並みにふさわしく、道の駅も瓦葺きの純和風建築。地元で採れた新鮮野菜や平飼い卵をはじめ、名物の味や特産品など、お土産をまとめてチェックできる。毎週日曜日には「まめぞろい」と呼ばれる朝市も開催。
上質な赤身が特長の伊賀牛。その伊賀牛一筋、創業88年の森脇商店による洋食屋のランチでは、やわらかな内モモを使った絶品のローストビーフ丼を、牛汁とコロッケが付いて1,300円(税込み)で堪能できる。これは名張まで足をのばす価値あり!!