ふるさと割

２階にあがると美しいギャラリーが出迎えてくれます。

雨情の宿　新つた
名物女将の心意気と輝く笑顔

野口雨情の世界に触れた夜は、やはり、ゆかりの宿へ。
2階にある雨情のギャラリー。
正面に掲げられたダンディな肖像画と、
大きなけやきの火鉢が印象的です。
当時の品などを見ながら改めて雨情の世界を感じていると、
大女将が雨情のエピソードを語ってくれました。
「当館の主人と意気投合して、
たびたび長逗留していただきました。
この火鉢を囲んで語り合ったり、賢い方だったので
いろいろお手伝いをいただいたようですよ」。
そしてこんな一言も。
「まあ、才能もあってこのお顔ですからね。
おモテになったようですよ（笑）」

洗練と素朴さのバランスの良さもうれしい。ボリュームたっぷりの笑顔のお食事

浴衣に着替えて、リラックス。
露天風呂で心地よく疲れを癒したら、心づくしのお夕食を。
女将さんプロデュースの梅酒は、ちょっと強め。
これが食欲を増してくれます。
きびきびと心地よいサービスをしてくれる若い仲居さんに
「女将さんってお酒お好きなんですか？」と聞くと、
満面の笑顔。
「ええ、もう。いやになるぐらい強いです（笑）」
こんな軽口にも宿の素敵なチームワークを感じられて。
女性にうれしい可愛らしいあしらいの前菜から、
地元の素朴なお魚、そして食べ応え十分のお肉…。
なんだか元気がよみがえってくるようです。

名物女将として宿、そしていわきを引っ張る女将の若松佐代子さん。

「ええ、もう。いやになるぐらい強いです（笑）」
といわれた女将さんともお話しできました。
「私は、復興担当女将ですからね！
いつでも元気でいきますよぉ（ニッコリ）」。
女将は、この地を盛り上げる活動に率先して関わる方。
もともとは横浜の出身。外に向かっての発信では、
その強みも生かして広い視野での提言もされています。
スパリゾートハワイアンズやフラガールたちとの取り組み。
これも彼女だからこそ踏み込めたことなのでしょう。
「私たちの制服はきもの。
彼女たちの制服はフラのコスチューム。
一緒に盛り上げていけば、楽しいじゃないですか。
それからね、リゾート列車を走らせたいのよ。
それで勿来（なこそ）の海岸を見てここに来たら素敵でしょう？
実現させたいわ」
止まらないアイデア、休日返上で各地を巡る行動力。一方で
「女性一人でも、ふらりとのんびりしに来てもらいたいから」
という理由で、一人用の洋室も用意しているという温かさ。
癒しの温泉は、同時に元気ももらえる宿でした。