会津若松市の中心街から、クルマで10分ほどのところにある「東山温泉」。約1300年前、名僧の行基によって発見されたのがそのはじまりと言われ、山形の「湯野浜」、「上山」とあわせて奥羽三楽郷（おううさんらくきょう）にも数えられるほどの由緒正しき温泉郷です。かつては竹久夢二や与謝野晶子、横光利一といった文人墨客（ぶんじんぼっかく）にも愛された湯の町としても知られています。

「庄助の宿 瀧の湯」では大浴場や足湯のほかに、個性豊かな貸切風呂が6つあるなど、温泉好きにとっては天国のようなお宿でもあります。貸切風呂の「星空の湯」や「月美の湯」は、星空とともに会津若松の夜景が堪能できるほか、「十六夜の湯」は、高級陶器として知られる「信楽焼（しがらきやき）」の浴槽に漬かりながら、目の前に広がる渓流と美しい竹林を望むことができます。

この日、料理長の加藤栄次さんと長谷川栄次さんが出してくれたのは、会津名物の馬刺しや、幻と言われるピンクアスパラ、会津和牛のステーキなど十数種で、そのどれもが会津の「旬」な素材をつかった料理ばかり。中でも馬刺しは、モモではなく市場に出回ることがない貴重なロースのみを使用。辛子味噌と醤油という味付けで頂く馬刺しはとにかくやわらかく、これまでのイメージを大きく覆してくれる逸品です。