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1泊2日の下呂・飛騨の旅。まずは金山町笹洞鉱山で、ガイド付の「蛍石採掘ツアー」に参加。金山町観光協会ガイド・中島さんが、鉱山の歴史や蛍石トリビアを丁寧に教えてくださいます。(鉱山への無断入山は禁止です。)
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昭和初期、ここ笹洞で大規模な蛍石の鉱脈が発見され、採掘が始まりました。蛍石は鉄鋼の純度を高める触媒用として使用され、採量が減った昭和46年には廃鉱。今では小さな蛍石が採れるのみ。どんな美しい石たちが待っているのかワクワクしながら山林を進みます。
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1.5km程歩くと、苔に覆われた、まるで古代遺跡のような巨大な遺物を発見!これは採掘した蛍石を粉砕する重機。時と共に自然に侵食される機械達。神秘的な雰囲気に包まれています。
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山林の小さな沢で蛍石探し。「前日の雨で上等な蛍石が上流から流れてきているかも」と中島さん。澄んだ水の底に沈む様々な形・色をした石はどれも面白みがあって、「これは○○に似てるね」など冗談を言いながら、石探しに没頭。
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なかなか見分けるのが難しい蛍石。そこで、ガイドさんから手渡されたブラックライトで地面を照らすと… チラホラといくつか紫色に光る石が!これが蛍石!?なんとも不思議な現象に、感動と興奮が抑えられません!
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今回のツアーでGETした蛍石と、キラキラ輝く大きな石英。現在拾うことのできる蛍石は淡い緑色の石が多いのですが、以前はもっと濃い緑色だったのだとか。
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拾った石は500グラムまでお持ち帰りOK。ツアー代金に含まれる標本箱に収めると、とっても可愛いお土産に♪ステキな旅の記念になりました。
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続いて、金山の山里にある古民家「長尾屋敷」へ。1756年頃から、長尾家の茶畑で摘んだ茶葉を京都の九条家に献上していました。その御礼に「幾里茶」という名を賜り、今日も銘茶の里として息づいています。
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屋敷そばの茶畑で、茶の木の新芽を摘み、蒸して、揉む、茶摘み体験を実施予定。茶摘みの他にも、摘んだ茶の新芽で作る餅つき体験も予定しています。詳しくは金山観光協会(TEL:0576-32-3544)へお問い合わせを。
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長尾家の畑で収穫した茶葉でお煎茶を一服。一緒にいただいたのは優しい甘さの茶饅頭。
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長尾屋敷内でお茶をいただきながら、この建物が建てられた明治の頃の生活に思いを馳せてみたり…。こちらの屋敷は長尾家の分家で、本家は下呂温泉街に移築され、お食事処「菅田庵」として現在も使用されています。
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「いく里(さと)のつきのあかりも丹保(にほ)ふら舞(む) むめさくや万(ま)の三年農春閑勢(みねのはるかぜ)」 九条家から賜った御詠。梅の頃、冷たくも春香漂う幾里の夜風を想像し、早春の頃に改めて訪問し、この空気を胸いっぱい吸い込んでみたいような心地になりました。
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続いて、金山で密かな人気の「筋骨ツアー」へ。筋骨とは路地裏の事。宿場町として栄えた金山町。華やかな表通りの一本裏に、住人の共同通路として発展したのが筋骨です。「ここが公道!?」と驚くような細い路地と、あきらかに増築を重ねたような複雑な家々が…!
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市松模様のタイル、水色の天井、天窓の柔らかな光に、レトロ感満載の銭湯跡地。番台には入浴料を入れる箱や、木製のロッカー、浴場には萎びた石鹸(笑)なども残っています。
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金山で人気を博す昔ながらの天婦羅店「名取」。名物おじさんとして知られる森勇二郎さんの笑顔にホッコリ。約60年もの間、この地で揚げ物を拵えているそうです。
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コロッケ、アジフライ、串、ドーナツなど、すべて100円。「小腹がすいたね~」と意見が一致し、コロッケを2つ購入。おじゃがたっぷりの懐かしい味わいで、散策しながら食べるのにピッタリ。
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遠方からわざわざ買いに来る人もいるという「石田豆腐店」の揚げたて“ひりょうず”も見逃せません。1個40円という値段も魅力的。がんもどきのような揚げ物で、サクッ、フワッとした食感がたまりません!
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お酒好きでも、そうでなくても、ぜひ立ち寄っていただきたい「奥飛騨酒造」。1720年から造り酒屋を営み、飛騨川と馬瀬川の伏流水と、地元産の酒米「ひだほまれ」を使用し、丁寧にお酒を醸しています。重厚感のある門構えもステキ。
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事前予約をすれば無料の酒蔵見学が楽しめます。女将さんにご案内いただき、酒造りの工程や大きなタンクが並ぶ室を見学。もちろんお楽しみの日本酒試飲も♪お酒が飲めない人も大丈夫。砂糖や添加物を使わない、絶品甘酒をお試しあれ!
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青リンゴやメロンなどの爽やかな吟醸香が心地よい「初緑」。スーっと喉をすべる清らかな味わいに一気にファンになってしまいました。お土産はこれに決まり!左は純米吟醸・無濾過生原酒、右は特別純米・無濾過生原酒。
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本日のお宿「下呂温泉 水明館」にチェックイン。美しい庭園を一望できるラウンジ「エビアン」でカフェ休憩。オーダーした下呂シューはロング&ビッグでインパクト大!サクサクのシュー生地と、自家製カスタード&ホイップクリームの相性抜群です。
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秋も深まれば、見事な紅葉に染まる庭園。なよやかに泳ぐ錦鯉がさらに風情を高めます。
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飛騨川をのぞむ広々した和室。こちらには姿見付きの小さな着替え室が!浴衣に着替える姿を見られないで済む、粋な造り。また備え付けの露天風呂で、ふたりでゆっくり気兼ねなく、下呂の湯を心ゆくまで楽しめます。
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夕食は、2016年8月に水明館内にオープンした「チャイナルーム 龍遊里」で。地元産の野菜、豆腐、飛騨牛、納豆喰豚、飛騨川の鮎などをふんだんに取り入れた中華コースは、じーんと染みわたる優しい旨味にあふれています。食べきれるかなと思いつつも、ペロリと完食してしまいました。
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日本三名泉のひとつに数えられる下呂温泉。別名 “美人の湯” の名の通り、しっとりトロリとした柔らかいお湯。館内には趣の異なる3つの大浴場や、野天風呂が用意されています。ゆっくり名湯を堪能し、フカフカのお布団へ。お休みなさい♪
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2日目、宿を出発して向かったのは、縁結びで有名な「出雲大社」。実は下呂温泉にも出雲大社があるのです。島根の出雲大社の分社で、正式名称は「出雲大社(いずもおおやしろ)飛騨教会」。
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島根の出雲大社と同じく「縁結び」のご利益が授けられることで有名。下呂温泉に旅行に来られたカップルの多くが、こちらに立ち寄るのだとか。2人の明るい行く末を願い、祭神さまへお祈りを。
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もちろん、島根の出雲大社でお受けできる御守りや御神札なども頂くことが出来ます。一見小さな御社ですが、その御神徳は出雲本庁と同じ。まさか下呂の地で出雲参拝ができるなんて、ちょっと得した気分。
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下呂温泉街をぶらり散策ついでに昼食を。うなぎ料理で人気の「うな昇」で、ひつまぶし&飛騨牛まぶしをいただきました。こちらの蒲焼きは関西風。外はサックリ、身はふんわり、香ばしく焼き上げたうなぎに舌鼓。
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1日限定10食の飛騨牛まぶし。最後はアツアツお出汁をかけて。サシの入った飛騨牛はそのままでも抜群に美味しいけれど、サラリといただくお茶漬けも乙!さらに、数々の賞を獲得する飛騨産米「銀の朏」を使用するなど、食材へのこだわりも只なりません。大満足のうな昇ランチでした。
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続いて向かったのは、茅葺屋根の家々が連なり、日本昔話のような世界が広がる「下呂温泉合掌村」。実は今回、このノスタルジックな世界をさらに満喫できるコースを予約済。そのコースとは…?
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カップルで着物を召して合掌村を散策するというコース♪せっかくなら、この景色の中を着物で歩きたい!彼には内緒で予約。サプライズの着物着付けに驚くと思うけれど、きっと楽しんでくれるはず。いい記念になりそう!(カップル着付込7,000円/3時間)
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合掌村内には、足湯、ミュージアム、影絵劇場、絵付け体験館などのスポットが充実。写真はお食事処の炭火で焼かれる川魚。アユ、イワナ、アマゴがいただけます。
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和紙の絵漉き体験場にて。カラフルに色付けされたコウゾ(和紙の原料)で絵を描き、オリジナルのハガキが作れます。他にも、陶芸体験、陶器絵付け体験もあり。着物を着ていてもOK。たすき掛けをして体験可能です。
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料理の神様を祀った神社がある、という情報をGETし向かったのは合掌村内の「高椅神社(たかはしじんじゃ)」。包丁塚もあり、調理関係者から信仰されているそう。ゆくゆくは料理上手な良妻になるべく、神様にお祈り。
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高台にある茶房で「萬古あんみつ」を。抹茶アイス、生クリームの上に、クニュっとした食感が楽しい刺身こんにゃく、茹でたての白玉、心地よい酸味の地元産トマト。見た目だけじゃなく、味わいにもキュン♪
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合掌村を後にし、そろそろ旅も終盤へ。下呂温泉を北上したところにある萩原町へ立ち寄り、旅のお土産を購入。まずは「天領酒造」へ。こちらの酒蔵、伊勢志摩サミットで訪日された外国政府関係者に手渡された日本酒「喜金」を醸した蔵でもあります。
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通年無料の酒蔵見学ができるとのことで、杜氏の片桐一成さんに蔵内を案内していただきました(確実に見学したい場合は要予約)。10月頃から仕込みを始め、翌年4月頃まで酒造りに勤しんでいるそう。その醸造本数は年間約10万本!
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見学の後は、お楽しみの試飲へ。蔵を代表する日本酒から、季節のお酒、スパークリング酒、どぶろくまで色々楽しめます。この時期は、夏の間にじっくり寝かした日本酒を瓶詰めした“秋あがり”の季節。うまみの乗った味わいにニンマリ。
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あれこれ悩み購入したのは、飛騨産の酒米「ひだほまれ」を使用し造られた純米吟醸。軽やかな吟醸香がスッと鼻をぬけ、舌に広がる味わいが後半にはキリッとひきしまります。お酒好きな友人も喜んでくれそう。
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続いて「天領酒造」の真向かいにある「和菓子処かつぶん」にもお立ち寄り。地元でも美味しいと評判のお店で、会社の同僚にお土産を。中のイートインスペースでは、お抹茶もいただけます。
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最中「おすわさま」を購入。ふんわりとしたお餅、上品な餡、芳しい最中生地。この食感、今まで食べた最中の中で一番好きかも…。きっと同僚も喜んでくれるはず! ―蛍石に筋骨ツアー、合掌村、ステキなお宿。下呂にはまだまだ知られざる魅力が詰まっている気がします。「今度は2泊で来たいよね!」そんな約束を交わしたくなる、下呂・飛騨の街でした。