冬も、心あたたまる
懐かしいふるさとの景色 |
|
東京から新幹線と特急を乗り継ぐこと約4時間半。襞(ひだ)のように重なる山々を越えて着いたのは、伝統的建築の古い町並みが残る飛騨古川。趣のある町中には白壁土蔵が連なり、その袂にはかつて用水として使われていた瀬戸川が流れ、情緒豊かな景観は城下町飛騨古川の顔となっています。どこか懐かしさを覚えるその情景は、訪れた人の心を和ませてくれます。
|
|
|
|
|
|
|
|
|
“幻の日本酒”を生む
手造りの伝統的酒造 |
|
古い町並みに酒蔵を構える「蓬莱・渡辺酒造店」は、機械での大量生産が主流の現代で、手間暇のかかる伝統的な酒造りを続けている老舗。天候や気温などで品質が左右される繊細な酒造現場では、杜氏と蔵人が泊まり込みで日々日本酒と向き合っています。その職人魂から多くの酒が生まれ、その中の一つ「蔵元の隠し酒」は製造後すぐに売り切れてしまう逸品です。
|
|
|
|
|
静かな山里にたたずむ
木のぬくもりに満ちた宿 |
|
この日宿泊したのは、趣深い飛騨建築の魅力がつまった、創業約160年の老舗旅館「料亭旅館 八ツ三館」。
|
国の有形文化財に指定される客室「招月楼」の旧玄関にあたるロビーは、吹き抜けの高い天井の下、贅沢な調度品に囲まれて心くつろげる空間です。夕食は冬に嬉しい「飛騨牛すき焼き鍋」をいただき、身も心もあたたまりました。
|
|
|
|
|
|
|
|
|
天然の木目が美しい
伝統工芸“飛騨春慶” |
|
翌日、飛騨の伝統工芸である“飛騨春慶(ひだしゅんけい)”の販売・展示を行う「飛騨高山春慶会館」を訪れました。透明度の高い透漆(すきうるし)を使用し、天然の木目の美しさを活かすのが飛騨春慶の特長。伝統的な手法を守りつつ、ワイングラスなどの現代に合わせた新しい春慶も作られています。飛騨春慶の“絵付け体験”も可能で、旅の思い出とお土産に最適。
|
|
|
|
村を救った獅子の顔
甘い「おすわさま最中」 |
|
この旅最後に訪れた“飛騨萩原”で立ち寄ったのは、手造りの和菓子が評判の「甘味処かつぶん」。昔、村を災害から救ったと言い伝えられる獅子の顔をかたどった「おすわさま最中」は、甘さ控えめのあんこの中に大きなお餅が入った、食べごたえ満点の一品。中身を詰めてからあえて1晩なじませているという皮は、しっとりと口当たり良く癖になる美味しさです。
|
|
|
|
|
|
|
|
名酒になるため生まれた
地元“ひだほまれ”の実力 |
|
「甘味処かつぶん」の向かいに蔵を構えるのは、飛騨を代表する名酒を数多く生んでいる「天領酒造」。地元産の酒造好適米「ひだほまれ」を使用した天領酒造の日本酒は、雑味がなくすっきりと飲みやすいのが特長。飛騨の米・水にこだわったその商品には、地元の自然への愛情があらわれているようでした。
|
|
|
|