ウミネコと一緒に絶景めぐり。
自然と生きる日本三景・松島
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仙台駅から車で約40分。最初の目的地である松島は、天橋立、宮島とならぶ、日本三景の一つ。大小あわせて約260の島が浮かぶ姿は、遥か平安の昔からその美しさで訪れる人々を魅了していました。大津波の影響で、島の一部が崩落したり、島々を結ぶ橋が壊れるなど被害を受けましたが、「松島が守ってくれた」と言うとおり、他地域よりは被害が少なかったそう。
早速、湾内を一周できる遊覧船に乗り、いざ出航!おだやかな波に揺られながら、波の浸食によって造られた美しい島々を海から眺めるのもまた絶景。船の周りに集まってくるウミネコと一緒に約1時間のクルーズを楽しめます。
続いては、ボランティアガイドの今野さんと五大堂や観瀾亭などをゆっくり歩きながら、陸からの絶景を。「芭蕉が憧れた松島の月。満月に近い日、月明かりで金色に波が輝く様が美しいですよ」。松島に訪れる理由がまた一つ増えました。 |
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復興を通じて元気な町にしたい。 南三陸町の「福興市」と商店街
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翌朝、三陸海岸を北上して南三陸町へ。取材で訪れたのは、月に一度の「福興市」の日。「市を興して幸せになる」という意味を教えてくれたのは、福興市実行委員会委員長の山内さん。震災翌月の4月からはじめ、毎月開催しており、現在では毎月40〜60店舗が出店。南三陸ならではの新鮮な海の幸や農産物、そして、全国各地からの応援ブースで大賑わいしています。
「福興市」の定番イベントが、紅白のおもちをステージ上からまく「福まき」。「福をまいておいしく、幸せになってもらう」とのことで、地元の人、観光客、ボランティアの人が笑顔で参加していました。
また、今年2月に誕生した「南三陸さんさん商店街」では、海の幸がたっぷりのった「復活・南三陸キラキラ丼」を食べることができます。「こうしてつながりをもってもらい、5年後、復興した時にもう一度来てもらいたい」。南三陸の人は走り続けます。 |
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高台から望むリアス式海岸。気仙沼の美しい眺望はそのままに |
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次に向かったのは、天然の良港と言われていた気仙沼。観光ボランティアガイド歴7年の佐々木さんとともに、市内をめぐります。震災前の地図を片手に、かつて賑わいを見せていた街並みのひとつ一つ を教えてくれる佐々木さん。しかし、気仙沼全体で約7割の飲食店が津波で流されました。その活気を取り戻そうと、現在は新たに「復興屋台村 気仙沼横丁」「南町紫市場」「復幸マルシェ」といった仮設店舗が次々と開店。地元に残って復興を目指そう、今やらないといつまでもできない、とそれぞれの決意を新たに一歩踏み出しています。
佐々木さんが最後に案内してくれたのは、気仙沼湾を見渡せる安波山。「遠くから見ると、美しいリアス式海岸はそのままでしょう?最後はきれいな気仙沼の眺望を見て帰ってもらいたいんです」。ちょっと誇らしげな佐々木さんの笑顔がありました。 |
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未来を照らす希望の光。 世界遺産・岩手県平泉へ |
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今回の旅もいよいよ最終日。折りしも震災があった昨年6月に世界遺産に登録された岩手県平泉へ。平安時代後期、長い戦いの後、奥州藤原氏が平和への願いを込め、争いのない理想郷をつくりたいとして築いたのが平泉。壁や床、軒先までも金色に輝き、48体の菩薩と極楽の草花が描かれ、極楽浄土を現世に表したという中尊寺の金色堂。そして、建物は焼失したけれど、大泉が池を中心とし、自然の景観を取り入れながら、仏の世界を地上に表現したと伝わる毛越寺(もうつうじ)の浄土庭園。この日は季節はずれの雪が降り、浄土庭園も雪化粧。「浄土とは、訪れる人をほっとさせられる空間」という言葉のとおり、より美しく、神秘的に映りました。
時を超え、東北復興の象徴となった平泉。未来に向けて、人々の笑顔がこれからもつながっていきますように。
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