八塩温泉
鬼石観光ホテル |
現在は宿の上に新しい道路が開通して、以前に比べるとアクセスが随分と便利になった。折しも訪ねたのは、春爛漫の候。三波石を配した前庭で、今を盛りと咲き誇る満開の桜の古木が出迎えてくれた。花の門をくぐり抜けると、玄関先にも見事な枝ぶりの桜が生けられていた。
「先日の大雪で、枝が折れ落ちてしまったんです。でも、こうして庭木に負けず劣らず綺麗に咲きました」と、嬉しそうに話す3代目主人の堀口千広さん。
藤岡市鬼石商工会の観光部長を務める堀口さんは、冬桜の観光ＰＲにも力を入れている。11月から12月にかけて、近くの桜山公園では約7,000本の冬桜が一斉に開花する。全国でも珍しいこの冬桜は、国の名勝および天然記念物に指定され、毎年「桜山まつり」が開催されている。
「昨年から夜間のライトアップを始めたところ、予想以上の人でにぎわいました。ここは紅葉と冬桜が一度に見られる素晴らしいところです」
冬に咲いた桜が、また春にも楽しめる。桜が終われば、ポピーやアジサイ、ツツジと八塩温泉周辺は、一年中花につつまれている。
代々、桜を愛する家風のようで、先代が造った三波石の岩風呂にもしゃれた名前が付いていた。「恋のかけ橋桜風呂」は、男女１つの浴槽が石組みにより仕切られているだけだ。「おーい」と声をかければ、「はーい」と返事が帰ってくる和気あいあいの掛け合い風呂である。よく見れば、浴槽の下は女湯につながっていて、石の橋が架かっているではないか。男女別々に入浴してても、お湯の中で恋する二人は結ばれているという粋なはからいなのだ。
見上げれば、天井には桜の花びらが描かれている。そして窓いっぱいに埋めつくす、満開の桜の花が……。なんとも贅沢な、桜三昧の風呂である。
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| (C)2010 Jun Kogure / Hajime Kuwabara |
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| 源泉名 |
八塩温泉 おにの湯 |
| 湧出量 |
測定せず（自然湧出） |
| 泉温 |
6.2度 |
| 泉質 |
ナトリウム―塩化物・炭酸水素塩冷鉱泉 |
| 効能 |
神経痛、リウマチ、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動まひほか |
温泉の
利用形態 |
加水あり、加温あり、循環ろ過 |
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