1日1組限定!絶景ヴィラ「WEAZER西伊豆」でサステナブルな旅をしよう
地球や社会の未来に配慮したサステナブルな旅は、真の心地よさを感じられる新しい旅のスタイル。電気と水を自給自足し、CO2排出量ゼロのSDGsホテル「WEAZER(ウェザー)西伊豆」で、未来につながる滞在を体験してみませんか。
ヴィラが建つのは大自然に囲まれた、絶景を見渡す高台。夜は地元の食材を活かして生み出される、極上イタリアンに舌鼓。ラグジュアリーでサステナブルな旅を楽しむ、WEAZER西伊豆宿泊記をレポートします。
SDGsで注目されるオフグリッド型ホテルとは
WEAZER西伊豆は2022年12月に誕生した電気・ガス・水道などのインフラに頼らないオフグリッド型ホテル。グリッドとは電気やガスの配管網を意味し、公共の配管につながずに電力や水を自給する状態がオフグリッドです。客室となるヴィラには太陽光発電や浄水装置などが設置され、自給した電気や水を使ったサステナブルな滞在を体験できます。
ウェルカムジェラートからスタート。「WEAZER西伊豆」へのアクセス
アクセスはJR「三島駅」から車で約60分。客室ではなく、まずはチェックイン場所となる「LOQUAT(ロクワット)西伊豆」へと向かいます。LOQUAT西伊豆は約100年前に建てられたお屋敷をリノベーションした複合施設で、レストランやバーを併設。風格のある敷地に足を踏み入れるだけで、早速胸が高鳴りました。
「こちらから好きな味をお選びください」と案内されたのは、LOQUAT西伊豆の入り口にある「GELATO & BAKE SANTi」。WEAZER西伊豆の宿泊者はウェルカムスイーツとして、 SANTiのジェラートをいただくことができるのです。SANTiは人工添加物を使用せず、自然の味わいを楽しめる鎌倉発の人気ジェラート専門店。2カ月に1度メニューが変わり、西伊豆店では地元のフルーツや特産品を使った限定フレーバーも登場します。
この日は放牧牛のミルク&南伊豆・高橋養蜂のはちみつを使った「季節のミルク」や、夏らしい静岡県函南町産「◯平函南西瓜(まるひらかんなみすいか)」を使った「スイカ」などを選択。1カップにつき最大で3種類まで選べるのもうれしく、宿泊者ならではの特典を満喫しました。
ジェラートとウェルカムドリンクをいただきながらチェックイン。ドリンクはコーヒー、自家製ジンジャエール&レモンスカッシュ、静岡県産ニューサマーオレンジスカッシュなどから選ぶことができます。
電気も、水も自給。オフグリッド型の一棟貸しヴィラに宿泊
30分ほどティータイムを楽しんだら、客室へ移動。車で約10分の場所にある客室へは、専属のコンシェルジュが送迎してくれます。送迎車はトヨタの電気自動車「bZ4X」。建物の余剰電力でEVを充電したり、建物とEV間で電力を融通できるなど、SDGsホテルならではの次世代モビリティです。
電気は太陽光発電+蓄電池の組み合わせで建物に供給。日中は太陽光発電で作った電気を使用し、夜間は蓄電池からの電気を使用するイメージです。
水は雨水をろ過してフィルターできれいに滅菌したものを利用。水道法により義務付けられている塩素消毒を実施した水が、キッチンや洗面所の蛇口をひねると使える仕組みです。トイレは特殊な浄化装置で、汚水排水が発生しません。大規模な工事が必要なく、場所を選ばずに電気と水が使えるため、WEAZERは災害時の緊急避難場所としても注目を集めています。
いよいよお待ちかねの客室内へ。扉を開けると、窓一面に駿河湾が広がっていました……!この絶景こそ、場所を選ばずに建設できるWEAZERならでは。大自然に包まれるようにひっそりと佇む客室で、オーシャンビューを独り占めできます。
全76平米もの広々とした室内は、ベッドルーム+キッチン+ダイニング+バスルームというレイアウト。ベッドは海が最もきれいに見えるよう、あえて斜めに設置されています。マットレスはシモンズ製。「循環」をテーマに静岡県の作家さんが手がけた漆喰のアートも注目です。
美しい海を眺めながら、まずはシャンパンで乾杯。WEAZER西伊豆は客室にある飲み物がすべて無料です。
冷蔵庫の中にはほかにも沼津産みかんジュース、ニューサマーオレンジジュース、わさびサイダー、静岡県産緑茶などご当地ドリンクが大充実。ミネラルウォーターも豊富に用意されています。
青い水盤が美しいテラスは、最高のリラクゼーションエリア。チェアに腰掛けて、刻一刻と変わる景色を見ているだけで心が解きほぐされていきます。
テラスでのリラックスタイムのおともには、伊豆の地ビールもおすすめ。宇佐美麦酒製造「碧い海」や酪農王国地ビール工房「伊豆エール 風の谷のビール」など、飲み比べを楽しめます。
お風呂は海を望むオーシャンビュー露天風呂。日中は美しい海を、夜はきらめく星を眺めながらゆったりと浸かれます。
駿河湾の海水から抽出した「天然にがり」は、ホテルオリジナルの特別な入浴液。海の恵みが、肌をしっとりと整えてくれます。
細やかなアメニティにこだわっているのもSDGsホテルならでは。ボディソープ、シャンプー、トリートメントはオーガニックコスメブランド「NEMOHAMO(ネモハモ)」です。有機JAS認証を取得している里山の自社農園で育てた植物のエキスを使用しており、ハーブの上品な香りに癒やされます。
歯ブラシ、綿棒、クシ、シェーバーは竹を使用した「MiYO Organic」のアイテム。歯磨き粉はペーパータイプで、歯ブラシに刺して歯を磨くと泡立つ、面白いサステナブルグッズです。必要な量だけ使うことができ、チューブタイプを使用しないことでプラスチックも削減できます。
タオル類は低農薬綿花のサステナブルコットンを使用している「Moraltex」を採用。製造工程でも水やエネルギーの使用量削減に取り組んでいるブランドです。吸水性が良く、心地よく使用できました。
大きな鏡が設置されたバスルームにはメイクがしやすいよう、小さな鏡も用意されています。ドライヤーはダイソン製で、2WAYストレート&カールヘアアイロンもあるのがうれしいポイント。荷物少なく旅立てます。
部屋で快適に過ごすための機能面も充実。Wi-Fi、コンセント、スマートフォンの充電ケーブル、テレビ、スピーカーなどあらゆる機器がそろっています。もし何か気になることがあれば、備え付けの電話からゲストサービスへと連絡できますよ。
ホテルの案内が書かれたタブレットを見ていると、気になるアプリを発見。電気の発電量や水の貯水量など、リアルタイムで確認ができます。可視化されることで、自然の力でエネルギーをつくっていることを実感!日々の生活でも、大切なエネルギーを使用していることの気づきを得ることができました。
ルームウェアはDoberman OutfitsのTシャツ&ハーフパンツ。農薬や化学肥料を3年以上使用していない農地で有機栽培された綿花が使用されており、とても着心地のよいアイテムです。そのほかパーカー&スウェットパンツ、羽織りも用意されているので気温に合わせて使えます。
ゆったりとした時間を。夕日を望む特等席から絶景を堪能
日の入りにはテラスから夕日の絶景を堪能。客室は西向きのため、夕日を見る絶好のスポットなのです。最高のロケーションながら、一棟貸切のため混雑とは無縁。水平線にかかる直前から日が沈むまで、ゆったりと眺めることができます。
夢中になる味わい。地産地消のイタリアンディナーコースに酔いしれる
夜はコンシェルジュの送迎で「LOQUAT西伊豆」へと向かい、「Takeru Quindici(タケル クインディチ)」のイタリアンコースをいただきます。エグゼクティブシェフを務めるのは大関淳士さん。ミシュラン一つ星を獲得した名店、銀座アロマフレスカのオーナーシェフである原田慎次さんに師事し、2021年よりタケル・クインディチ LOQUAT西伊豆店メインシェフに就任しています。大関さんの確かな腕と温かい人柄に惹かれ、料理を目的に多くのリピーターが足を運びます。
大関さんは約2年前に伊豆に移住し、ゼロから仕入先探しをスタート。1軒ずつ農家と直接交渉し、現在では使用する食材の半分以上が地元産の野菜や肉です。地産地消を大切にしながら、伊豆の食材を美しい一皿へと昇華させています。
大関さん「東京で働いている時は仕入先に訪れることが難しい状況でした。今では生産者の顔を見て、大切に育てていただいた食材を直接仕入れることができます。時には朝、修善寺や天城湯ケ島の畑で野菜を収穫してから出勤し、朝採れ野菜を提供することも。移住してから、食材を大事に扱わなくてはいけない、という想いがより強まりました」
大関さんが手がける料理の特徴は「シンプル」。主役となる食材を決めて、余計なものを削ぎ落とし、際立たせています。そのため、コースメニューに書いてあるのは一つの食材のみ。メニューは一品ずつ毎日変わり、伊豆の旬の食材を用いたその日限りのコースを楽しめます。
この日は全8品で、1品目は「モッツァレッラ」。千葉県産の水牛のモッツァレッラに富士宮市で無農薬有機栽培を行う「北山農園」の野菜の花をあしらっています。にんじんやパクチーの花はとても華やかで、さっぱりとしたモッツァレッラとの相性抜群。コースはワインとのペアリングを楽しむのがおすすめで、イタリアのスパークリングワイン「Ca’del Bosco Franciacorta」とともに華やかな香りを堪能しました。
2品目の「鮎」はまるで鮎が泳いでいるような出で立ちでフリットが登場しました。修善寺で山内さんが養殖している鮎は臭みがなく、大きく成長する前に仕入れているため、頭から尻尾まで食べられるおいしさ。仕入先と密にコミュニケーションをとっているからこそ、最適なタイミングで、最高の食材を手に入れています。
驚くほど柔らかく、絶妙な火加減で登場した3品目の「ダルマイカ」に感動したあとは、4品目の「しらす」、5品目の「空豆」と続きます。「しらす」は船の上で釜揚げした新鮮な駿河湾産しらすとイタリア・サルデーニャのカラスミをあしらった絶品パスタ。
このパスタに合わせるドリンクは、伊豆・万大醸造の日本酒「あらばしり 辛口」です。まさか日本酒がくるとは思っていませんでしたが、秋田杉香る曲げわっぱのお猪口でいただくと、その相性の良さに驚き!
6品目は一般的なゴボウの3倍もの太さの富士宮産「オデオゴボウ」のフリットです。サマートリュフで香りづけした極太ゴボウは、大地を感じる味わい。コクのある澱(おり)と微発泡が印象的なVNA WINE「Vino Bianco Frizzante」とのマリアージュも楽しみました。
そしてメインディッシュの7品目は「岡村牛」。富士宮市の岡村牧場で育てている岡村牛のランプ肉を使ったステーキです。見た目はレアながら、なんと薪火で3時間調理しているというシェフ渾身の一品。大関さん自ら火入れしたり、おろしたり、ベストな焼き加減を調整しています。
味付けはお味噌&唐辛子のにんにくソース、わさび&ライム、生胡椒の塩水漬け「純胡椒」の3種類。とても柔らかくコク深いお肉は味付けを変えるごとに全く違う料理になり、まるで魔法のようでした!
最後の8品目の「すいか」はタルト生地の上に三島の小玉スイカ&トマトの果肉をのせ、塩のジェラートをトッピング。ジェラートの塩は薪火で塩を焚く伝統的な製法で現在も塩を造り続けている伊豆の「井田塩」を使っています。このジェラートは大関さんが自ら作っているものなので、このレストランでしか食べられないジェラートです。
天の川が見えるほどの美しさ。客室で星空観賞
地産地消の素晴らしい料理とワインを満喫したあとはコンシェルジュの送迎で客室に戻り、星空観賞。望遠鏡で月を見たり、肉眼では見えない星を見つけたり。客室周辺は明かりがほとんどないので、晴れると天の川が見えるほど美しい星空を楽しめます。
お風呂上がりには、客室の冷凍庫に入っているジェラートを食べるのも幸せ。実はドリンクだけではなく、SANTiのジェラートも無料なのです。リコッタチーズのジェラートに伊豆甘夏ピール、ナッツ、チョコを加えた「カッサータ」を食べて、最高の気分で眠りにつきました。
真鯛のお刺身に、釜揚げしらす。客室で和朝食を味わう
翌朝はゆっくり起きて、朝日に煌めく海を眺めながら朝食。釜炊きごはん、自家製味噌の味噌汁、釜揚げしらす、焼き魚など地元食材を中心に使用した和食をコンシェルジュが客室まで運んでくれます。
メイン料理は高知県・土佐清水から仕入れ、約2週間熟成させて旨味を最大限引き出した「真鯛のお刺身」。卵の黄身入りのだし醤油や井田塩につけて味わうと、その旨味をより感じることができました。
締めのデザートは西伊豆名物「寒天」。黒蜜ときなこをかけて、静岡のお茶とともに味わいました。
11時のチェックアウトまで、ゆっくりコーヒータイム。沼津市のコーヒー豆、コーヒーミル、ドリッパーが用意されているので、自分で豆を挽いてコーヒーを淹れることができます。華やかで酸味のある味わいは、朝にぴったりでした。
GELATO & BAKE SANTiのパンをお土産に。チェックアウト
美しい海に別れを告げ、LOQUAT西伊豆の蔵でチェックアウト。敷地内で育てている白枇杷の葉を使ったお茶をいただき、最後までくつろぐことができました。ちなみにLOQUATは英語で「枇杷(びわ)」という意味で、西伊豆・土肥の名物である白枇杷からその名が命名されています。
お土産は「GELATO & BAKE SANTi」のパンがおすすめ。天然酵母を使った無添加のパンを購入でき、人気は井田塩を使った「塩パン」です。酵母や小麦の柔らかな香りを感じるパンは、自宅でも旅を思い出させてくれるおいしさです。
サステナブルな客室でオーシャンビューを満喫しながら、地産地消の料理を味わえる「WEAZER西伊豆」。オフグリッド型の一棟貸しヴィラでの滞在は、未来へとつながる一歩先行く体験になります。いつもとは違う気づきを得られる、ラグジュアリーでサステナブルな旅へと出かけてみませんか。
WEAZER西伊豆
- 住所
- 静岡県沼津市戸田2592-1
- アクセス
- JR三島駅・沼津ICより車で約1時間、修善寺駅より路線バスで約45分(中浜停留所)
- 駐車場
- あり 1台・無料 予約不要
- チェックイン
- 15:00
- チェックアウト
- 11:00
取材・撮影・文/小浜みゆ