道後温泉の“生湯”をゆったりと堪能。「葛城 琴の庭」で思い出に残る2人だけのぜいたくな時間

2024年7月11日に保存修理が終わり、5年半ぶりに全館営業を再開した「道後温泉本館」。国内外から多くの観光客が集い、ますます活気を見せています。そんな観光客でにぎわう道後温泉本館から徒歩約2分。人々の喧騒から離れた場所にひっそりたたずんでいるのが、木のぬくもりと香りに包まれたヴィラタイプのホテル「葛城 琴の庭」。ここは道後温泉と同じ湯をそのまま使った“生湯(なまゆ)”をプライベートな空間で味わえる特別な宿で、2人だけのぜいたくな時間の過ごし方を紹介します。

 

道後温泉駅から徒歩約5分、道後温泉本館から徒歩約2分の抜群のアクセス

「葛城 琴の庭」

最寄りの「道後温泉」駅は松山空港から空港リムジンバスで約43分、JR「松山」駅からは市内を通る伊予鉄道市内電車で「道後温泉」駅まで約25分。どこからもアクセスのいい立地です。駅前でバスや電車を降り、観光客でにぎわう道後温泉商店街を抜けると、営業を再開したばかりの道後温泉本館が見えてきます。「葛城 琴の庭」はそこから徒歩約2分。細い坂道を上る途中に、古式ゆかしい石畳と赤い大きな傘、手入れの行き届いた青々とした木々が出迎えてくれました。

 

愛媛県産の“生木”の魅力があふれる、住友林業がプロデュースした初のホテル

「葛城 琴の庭」

2020年にオープンした「葛城 琴の庭」は、住友林業が設計監修・工事施工をすべて担当したという初めてのホテル。時間が経つほどに美しさを増す木材の色を「ときみいろ」と呼び、100年後にその風合いになることを想定して設計されています。

木材は愛媛県産の良質なヒノキと杉の国産木を使用。ロビーの周りにもふんだんに生木が使われ、館内は生木本来の手触りとみずみずしい香りに包まれ、温かいぬくもりが感じられます。エントランスロビーは、竹林が風に揺れる景色を眺められる心地よい空間。桜の花びらが舞う春も圧巻の景色だとか。

 

木のぬくもりに包まれたヴィラで過ごす癒やしの時間

「葛城 琴の庭」

今回、宿泊したのは「ヴィラ メゾネット 萌黄(もえぎ)」。ドアを開けると目に飛び込んできたのは、木のやさしい質感で彩られた美しい階段やふすま。おこもり旅への期待感で胸がふくらみます。

 

加水・加温一切なしの源泉かけ流し道後温泉“生湯”をひとり占め

「葛城 琴の庭」

なんといってもこの宿で楽しみなのは、それぞれのヴィラにあるプライベート温泉。道後温泉は松山市が管理している15本の源泉をブレンドし、加水・加温なしのお湯を道後温泉本館と外湯、そして各旅館に分配している源泉かけ流しの湯。

道後温泉本館に近い「琴の庭」は、道後温泉本館とほぼ同じ温度や質を保ったままのやさしいこの“生湯”を、人に気兼ねすることなくプライベートな空間で、何度も堪能できるぜいたくな温泉です。

「萌黄」は、専用の庭園中央に石庭露天風呂を配した人気のお部屋。肌で風を感じ、鳥のさえずりに耳を傾け、自然と調和した庭園の美しさを眺めながら温泉につかる、極上の時間。その心地よさに日々の疲れがスーッととけていきました。

 

「葛城 琴の庭」

夜はライトアップされ、幽玄の趣を感じます。滞在中、何度も出たり入ったりをくり返し、心と体を癒やす。誰もが憧れるぜいたくな湯治の形です。

 

「葛城 琴の庭」

体を洗うときは、勢いの強いツインシャワーがセットされたシャワールームへ。シャンプー、コンディショナー、ボディシャンプーはDHCでそろえられています。

 

「葛城 琴の庭」

アメニティボックスやシンクの周りも木材で囲まれ、温かい雰囲気の脱衣所。バスローブはもちろん、タオルも多めにセット用意されていたのはうれしいサービス。何度も温泉に入って、いつでも心地よく過ごせるようにという、細やかな気配りが感じられます。

 

「葛城 琴の庭」

玉手箱のような木の箱を開けると、中にはアメニティが! 基礎化粧品はエイジングケアコスメとして名高い「POLA BAシリーズ」がそろえられていました。

 

浴衣を着て、お茶を飲みながら和室でのんびり過ごす

「葛城 琴の庭」

温泉から出たら、玄関の右手にある和室でひと休み。大きなテレビを配した和室はお茶を飲みながらくつろぐのに最高の場所。ほかのゲストの声も、外の喧騒も聞こえません。鳥のさえずりと虫の声しか聞こえないとても静かな場所で、2人だけのゆったりとした時間を過ごせます。

 

「葛城 琴の庭」

部屋では浴衣でくつろいで。女性用はかわいらしい椿柄。道後温泉の散策にもこの浴衣を着て出かけることができます。

 

「葛城 琴の庭」

階段横のふすまを開けると、コーヒー、松山の「俳句茶」、地元産の野草茶が用意されていました。

 

「葛城 琴の庭」

冷蔵庫の中には、ミネラルウォーターとシリアルナンバーつきの特別なオレンジジュースが用意されていました。糖度13度以上の「清見(きよみ)」をしぼったというオレンジジュースは、生の清見にそのままかぶりついたように甘みが強くてフレッュ。お風呂上りにゴクゴク飲んでエナジーチャージ!

 

「葛城 琴の庭」

お茶菓子には地元で有名な「一六タルトのバラエティ生お菓子」。愛媛のみかん飴も!

 

「葛城 琴の庭」

やっぱりお風呂の後はビール!という人は、フロントにあるフリードリンクコーナーへ。ビールも缶ではなく生なのもうれしいサービス。普通の生ビールと黒生が用意されているので、お好みでハーフ&ハーフにしても。

 

「葛城 琴の庭」

ビールのほかに、ノンアルコールカクテルやコーヒー、紅茶など、さまざまな種類のドリンクが並んでいます。夜22時まで自由に飲むことができるので、温泉後に部屋で楽しむ人が多いそう。

 

愛媛県産のヒノキを使ったベッドルームで極上の睡眠を

「葛城 琴の庭」

2階へ上がると、そこがベッドルーム。テーブルやヘッドパネルに愛媛県産のヒノキを使った落ち着いた部屋です。ほのかに薫る木の香りに包まれ、世界に名だたる最高級寝具に身をゆだねれば、いつもは寝つきが悪いのがうそのように、心地よくてすぐに寝落ちしてしまいます。

 

「葛城 琴の庭」

2階にも木に囲まれたシンクがありました。わざわざ1階に下りなくてもいいように、2階にもシンクとトイレが備えられている、ゲストの使い勝手を考え抜かれた設計です。

 

「葛城 琴の庭」

テラスには椅子とテーブルが用意され、ここでもゆっくり休むことができます。目の前に見えるのは道後温泉本館。

 

足湯で道後温泉本館を見ながら夕涼み

「葛城 琴の庭」

3階の共用部分には、足湯があります。眼下に道後温泉本館を見ながら、足湯をしながら夕涼み。もちろんこちらも道後温泉と同じお湯。温度は約42度と少し熱めですが、通り抜ける風が気持ちよくて、つい長居をしてしまいそう。

 

瀬戸内の旬の食材を使った贅を尽くした夕食に舌鼓

「葛城 琴の庭」

食事目当てに訪れるリピーターも多いという夕食。ボリュームはあるけれど、道後温泉の“生湯”のように、ほっとするようなやさしい味付けのお料理ばかり。多くのゲストがペロリと食べてしまうそうです。

お料理は季節ごととお正月の年5回変わり、連泊の方にはその日入荷した旬の食材を工夫を凝らして、2泊目も喜んでいただけるようにと提供しているそうです。

 

「葛城 琴の庭」

伺った7月の前菜は夏の味覚を彩りよく盛り合わせた美しい一皿。じゅんさいや地物の枝豆など、涼やかなガラスの器に夏にピッタリのさわやかな味わいの料理が並びます。冷たいお酒が止まりません。

 

「葛城 琴の庭」

蓋を開けると、ふわっと湯気が立つ椀物は、鱧身丈の清汁仕立て。

 

「葛城 琴の庭」

お造りは瀬戸内海で獲れた旬の魚を中心に、その日に特においしい魚を選んで提供しているそうです。お皿の上には料理長がひとつずつ包丁で作っているという、ツルや亀などのむきものが添えられていました。食べるだけでなく、目や音でも料理を楽しんでほしいという料理長の想いが伝わってきます。

 

「葛城 琴の庭」

メインは県外にはなかなか出回らないという、伊予牛「絹の味」のステーキ。オリジナルのジャポネソースを添えて。

 

「葛城 琴の庭」

コースの最後はさっぱりとした季節のフルーツとゼリーで。

 

2024年9月には個室の食事処を新設。竹林や水盤の水を揺らす道後の風を感じながら、プライベートな空間で食事が楽しめます。夜は中庭や室内の照明が穏やかで柔らかい雰囲気を演出します。

朝食はじゃこ天など松山の名産を中心とした和朝食。夕食も朝食も、瀬戸内の魅力を味わい尽くす多彩なメニューが並びます。季節ごとに訪れるというリピーターの気持ちがよくわかりました。

 

入りたいときに温泉につかり、和室でほっとひと休み。自然と調和する木に囲まれた上質な部屋で過ごし、その木のぬくもりのような、さりげなく温かなおもてなしにほっこりしながら、ただ日常の疲れを癒やす……。まるで昔から通っている別荘のように、くつろいで“何もしない”という至福のひとときを味わった1泊2日の旅。「心と体を休めたい」、そう思ったら道後温泉「葛城 琴の庭」へ。ここならきっと、心に残る大人のぜいたくな旅がかなえられます。

 

葛城 琴の庭

住所
愛媛県松山市道後湯月町4-16
チェックイン
15:00(最終19:00)
チェックアウト
11:00
総部屋数
10室
駐車場
あり(800円/泊)
アクセス
JR「松山」駅より車で約15分

 

取材・文/山本美和 撮影/田辺エリ


※この記事は楽天トラベルガイドによって取材・作成されたものです。

2024/10/25
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