| | | | しめる。
ふく刺しを引くにあたって、厨房ではまず、ふくを締める作業から始まります。
ふくは水分が多い魚。朝一番で届いたら水気を取る為にサラシを巻いて、夕方にはサラシを代えて…という作業を、天然ならば3、4回繰り返します。この作業を怠ると、せっかく引いたふく刺しが、みるみる縮んでいってしまいます。 |
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| | | | | | ひく。
しっかり水分が抜けて、旨味が全体にまわったら、ふくを引いていきます。
確かに“薄造り”ですが、薄ければ良い、という訳ではありません。
旨味を残し、嫌味を残さない、それでいてポン酢との相性を考えてある、熟練された職人だけがなし得る、計算された厚さがあるのです。 |
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| | | | | | もりつける。
いよいよクライマックス。
ふく刺しは、真ん中に行けば行く程、盛り付けるのが難しくなります。折り曲げる幅、ピンッと立った角の角度、上の段から繋がっている一枚一枚を結ぶライン。。。
ふく刺しが放つ凛とした美しさは、それが張り詰めた緊張感の中から生まれた作品であるが故なのです。 |
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