794年に創られた平安京とその近郊エリアにある清水寺、仁和寺、二条城、比叡山延暦寺など17の神社や寺などが世界遺産として登録。 平安時代から江戸時代にかけて、日本の都だった京都には、歴史の舞台となった建物が多く、歴史的にも、芸術的にも非常に価値は高いものばかり。 歴史の重みを感じ、いにしえの世界に浸れるのも、厳しい規制により景観を大切に守られている京都だからこそ。

美しい白壁と建ち並ぶ天守群が、天を舞う白鷺のように見えることから、別名白鷺城（はくろじょう）とも呼ばれる姫路城。 芸術面だけでなく、軍事的にもすばらしい機能を持ち、安土桃山から江戸初期にかけての建築技術の傑作と称される。 城を隅々まで探索すると、その巧妙な仕掛けを見ることができる。
また、数々の物語が残っており、播州皿屋敷お菊井戸や徳川家康の孫娘である千姫の物語は有名。

神話の時代から神々が鎮まる特別な地域と考えられていた紀伊山地は、 全国から多くの人々が山岳修行に訪れ、日本の宗教・文化の発展と交流に大きな影響を及ぼした場所。 「吉野・大峯」「熊野三山」「高野山」の3つの山岳霊場とそこに至る参詣道が世界遺産として登録されており、 その「自然と人間の営みが長い時間をかけて形成した風景」は、 日本で唯一、世界でも類を見ない資産として価値の高い。

かつて平城京として栄えた古都奈良では、仏教文化の発展とともに、数多くの寺が創建された。 法隆寺、東大寺、興福寺、春日大社、薬師寺、唐招提寺など、 これだけ多数の木造建築や遺跡が集まっている場所は、世界的にも珍しい。 また、神の使いとして野生の鹿が大切に保護され、当たり前のように人々と共存している街の雰囲気は、 奈良以外ではなかなか見ることができない。