楽天トラベルトップ > PLATINUM HOTELS > 帝国ホテル東京 | 最高級ホテルストーリー
重厚な内装。カウンターをひと席ずつ照らすスポットライトの演出。「オールドインペリアルバー」は、帝国ホテルの伝統や格式を最も感じられる場所のひとつだ。
高級なローズウッドのカウンター。一席ずつ照らすスポットライトが、カクテルをより美しく見せる。
特に目を引くのが、カウンター正面にデザインされた芸術的なテラコッタや、店内左奥の幾何学模様の大谷石(おおやいし※)。1923年に、帝国ホテル旧本館を設計したF・L・ライトの美しい意匠がそのまま残されている。旧本館は、近代建築の大家と称されるライトが手がけた日本で唯一のホテル建築で、通称「ライト館」と呼ばれ、”東洋の宝石”とも謳われていた。1967年に解体されるも、その緻密な仕事はホテルの歴史の一部として、目に見える形で継承されているのだ。
また、「ライト館」から受け継がれたのは面影だけではない。100年の記憶が刻まれたこの場所では、その格式の高さゆえ超一流のサービス水準が求められる。つまり、帝国ホテルが脈々と培ってきた伝統的なおもてなしの基本が、ここに凝縮しているのである。
ライト館オープンの翌年に生まれた「マウントフジ」。淡雪を模した卵白が美しいジンベースのカクテル。
たとえば、バーテンダーは1杯目のお酒を出した後、ゲストがグラスを置く場所、角度をさりげなく観察している。2杯目からは、ゲストが最も好む位置にグラスをサーブするためだ。そんな些細なことに、ゲストはほとんど気づかないかもしれない。だが、こうした控えめでさりげないサービスマインドが各所、全スタッフに行き渡っているからこそ、「ただそこにいるだけで心地良い」帝国ホテルならではの価値は保たれている。
もちろん、これはほんの一例に過ぎない。帝国ホテルが世紀を超えて醸成してきたサービスは、 そのどれもが細やかな気づかいに溢れている。
旧本館の雰囲気を忠実に再現。照明やインテリア、食器、細部に至るまでライトのデザインを継承している。
平等院鳳凰堂からインスピレーションを受けたといわれるライト館。大谷石とレンガを巧みに組み合わせた建物は、「日本の迎賓館」としての誇りを強く感じさせた。
ライト館から移設された、大谷石のファサード。世界の建築史に名を刻む旧本館の面影を、最も感じられる場所だ。その手前には、マリリン・モンローが宿泊した部屋に置かれていたというテーブルセットも。
「東京の帝国ホテルでやってくれるようなランドリーにシャツを出したい」
ホテルで初めてランドリーサービスを導入したのも帝国ホテル。その細やかな仕事は、世界中のビジネスパーソンからの信頼が厚い。
映画『JM』のラストシーンにて、キアヌ・リーブス演じるジョニーが放ったセリフだ。実はこれ、当初の台本にはないキアヌのアドリブである 。彼にとって帝国ホテルのランドリーサービスは、緊迫感漂う撮影現場でとっさにアドリブが出てしまうほど印象深いものだったようだ。ランドリー、プレス、ドライはもちろん、染み抜き、ボタン付けまで、預かる衣服の状態やゲストの求めに応じてその都度最適な手法で仕上げる完璧な仕事ぶり。聞けば、ランドリー部門の職人には4年間もの研修が課されるという。その水準の高さは、数々の一流ホテルを知るVIPをも魅了する。
ゲストを出迎えるドアマンの長谷川さん。「お客様が一番初めにふれるホテルスタッフ」としての自覚が、高いホスピタリティを生む。
ランドリーサービスに限らず、そのサービスレベルは全てにおいて最高峰だ。たとえば、ドアマン。ゲストの大切な荷物に触れる手袋は30分に1度交換し、いつでも清潔な状態に保たれている。また、ポケットには常に千円札、五千円札を携帯し、タクシーで到着するゲストが1万円の両替を必要としたケースに備えている。本来、手袋など1日交換しなくても支障はないはずだが、帝国ホテルの凄さはこうした控えめでさりげない配慮をとことん突き詰めている点にある。それは極めて日本人的なおもてなしの心といえる。
「ロータリーでお出迎えし、入口へご誘導するまでのわずかな時間、ほんのひと言、ふた言の会話の中でお客様のご要望を察し、どうか帝国ホテルを好きになっていただきたいと考えながら仕事をしています」(ドアマン・長谷川さん)
こうしたサービスの根底には「ゲストの必要に添う」という、帝国ホテル発足時から受け継がれるおもてなしの真髄がある。「ゲストが何をしてほしいか」にどこまで寄り添えるか?そのための準備として、全ての従業員が頭の中で一歩先の仕事を読み、次に必要とされることを先回りして想定しているのだ。
割れやすい素材のボタンはあらかじめ取り外し、洗濯後に改めて付け直すという念の入りよう。手間を惜しまず、完璧を目指すサービスマインドがここにも感じられる。
お客様がタクシーで到着された際、おつりの精算に手間取らないようにと、ドアマンは5千円札、千円札を常備している。
帝国ホテルが誇るおもてなしの哲学は、客室階やゲストルームにも反映されている。なかでも、ゲストに寄り添うサービスの象徴的な存在といえるのが、本館14階~16階に位置する特別階「インペリアルフロア」を担当する客室係・ゲストアテンダントだ。
エレベーターが開くと、和服姿のゲストアテンダントが。チェックイン時にゲストの顔と客室番号を記憶し、一人ひとりへのサービスに万全を尽くす。
和服姿で出迎えるゲストアテンダントは、要望があれば到着時の荷解きや出発時の荷造りもサポート。その他、ゲスト一人ひとりに対して、滞在中のサービスに万全を期すべく待機している。
「ランドリーの手配やレストランの予約などだけでなく、お買い物をお申し付けいただくこともあります。私たちにできることでしたら、どんなご要望でもご相談を承ります。原則、『NO』という言葉は使わないように努めています」(ゲストアテンダント・真島さん)
さらに、マニュアル化したサービスに留まらず、ゲスト一人ひとりに応じた最適な対応を心がけている。その心遣いは、「背中に目」があるのではないかと思わせるほどの細やかさだ。
豪華なエレベーターホールは、インペリアルフロア特別仕様。
「ゲストアテンダントは、これまでにご利用いただいたお客様一人ひとりの情報を共有しています。たとえば、使いやすい家具の配置や枕の数、好まれる果物、加湿器の有無などは本当に人それぞれ。前回リクエストされたことや、お部屋の使用状況を確認し、その方にとって最も心地良い状態でお部屋をご用意するのが私たちの役割のひとつです。また、初めてのお客様であれば滞在中にどんなお話をされたかも記憶し、常に先回りしてサポートできるよう心掛けています」
滞在者はそのあまりにさりげなく、押しつけがましくないサービスに魅せられる。そして、気づけば一見の「ゲスト」から「顧客」へと変わっているのである。
エレベーターホールと客室スペースはカードキー対応のエントランスで隔てられ、セキュリティも万全。
2005年に改修が行われたインペリアルフロア。天井を高くとった開放的な空間は、格式高く落ち着いた雰囲気だ。茶を基調とし、伝統と優美性を重視しつつ、機能性も両立。折上げ天井(おりあげてんじょう)になっており、部屋の容積が大きく広く感じられるつくりとなっている。インペリアフロアの客室は全て、英国人デザイナー ジュリアン・リードがデザインを手掛けている。そのコンセプトこそ、まさに「伝統と現代性の融合」。帝国ホテルが歩んだこれまでの歴史をデザインに組み込みつつ、最新鋭の技術をもって快適性を追求している。
上部と下部に異なるクッションを配したマットレスにはマイナスイオンを発生させる特殊繊維が織り込まれ、最高級グースダウンを使用したデュベのやわらかな感触が最上の眠りへと誘う。
シャワーエリアとバスタブ一体型の使いやすいバスルームをご用意。
インペリアルラウンジ アクアからの夜景。
一人がけのソファやテーブル、調度品の全てが帝国ホテルオリジナルの特注品。国内外のメーカーと共同で開発した、機能性の高い品々が置かれている。
インペリアルフロア デラックスのアメニティ。
タワー館最上階の30階・31階は2015年春にリニューアルし、「プレミアムタワーフロア」として生まれ変わった。高層階ならではの明るい客室は、白を基調とした開放的な雰囲気。窓の外には皇居外苑や日比谷公園、銀座の街並みが広がる。伝統と格式を重んじるインペリアルフロアに対し、こちらは白を基調とした現代的で明るいインテリア。若いゲストや外国人に人気だという。客室奥は出窓になっていて、たっぷりと光を採り込んでくれる。
また、インペリアルフロア同様、専任のゲストアテンダントが控えており、ゲスト滞在中のサポートをするほか、プレミアムタワーフロア特典として、毎朝ホテルベーカリーで焼き上げているパンがルームサービスで届くコンチネンタルブレックファストや、ミニバー内のソフトドリンクも無料で利用できる点も嬉しいポイントだ。
ベッドサイドには施設部のスタッフ、通称「発明王」が開発した読書灯が。自在に曲がり、好みの角度に調整できる。
客室から有楽町方面の夜景を望む。
(お部屋により景色は異なります。)
取材:楽天トラベル編集部
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日本で初めてバイキング形式の食事を導入した帝国ホテル。その流れを受け継ぐブフェレストラン「インペリアルバイキング サール」や、エリザベス女王が来日された際に、帝国ホテルの午餐会で提供した一皿が味わえる「ラ ブラスリー」など、食にまつわるエピソードも多い。
『パリはここにもある』と評された帝国ホテルのフランス料理の伝統を受けつぐフレンチをはじめ、鉄板焼、日本料理、中国料理など多様なレストランを楽しむことができる。
また、先に述べた帝国ホテルのホスピタリティは、当然ながら全てのレストランスタッフも同じ想いである。たとえば、メインダイニング「レ セゾン」のレセプショニストは、その動きによってゲストの気をそいでしまわないよう「お客様に風を感じさせない歩き方」を心がけているという。こうした心配りにより、ゲストは安心して食の世界へと没頭できるのだ。
吟味された素材を駆使したフランス料理が味わえるメインダイニング。フランス・シャンパーニュの名店「レ クレイエール」でシェフを務めたティエリー・ヴォワザンを迎え、伝統を踏まえながらも新たな感性を取り入れた料理を提供している。
Place:本館中2階
Time:
帝国ホテルが開業以来追求してきた正統派フランス料理を今に伝えるレストラン。帝国ホテルで生まれたシャリアピンステーキなど、歴代の料理長が生み出し、継承してきた伝統の味を楽しめる。
Place:帝国ホテルタワー地下1階
Time:
帝国ホテル発祥のバイキング。オープンキッチンの解放的な空間に約40種類の料理が並び、ポテトサラダやランチタイム限定の牛フィレ肉のパイ包み焼きなど、長年愛される帝国ホテル伝統の味をバイキングで楽しめる。
Place:本館17階
Time:
日比谷公園の緑を眺めながら、本格英国式アフタヌーンティーを、また夜はピアノの生演奏をBGMにカクテルを傾け、くつろぎのひとときを楽しめる。
Place:本館17階
Time: 11:30~24:00 (LO)
※平日前の休日は11:30~22:00 (LO)
ランチ、ティータイムメニューは2016年3月11日現在の情報です。
メニュー価格は消費税税込、サービス料別です。
[ 楽天トラベル・宿泊予約センター 050-2017-8989 ]
2016年3月1日現在の情報です。
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