提供:北日本放送
「日々の忙しさを忘れて静かな時間を過ごしたい」
「気分をリセットしたい」
そんなとき、カフェや喫茶店などでゆっくりお茶やコーヒーを味わうという人も多いのではないでしょうか。
今回は富山県黒部市の宇奈月エリアでお寺の中にオープンしたカフェを紹介します。自然があふれる厳かな境内の静けさの中、癒しと憩いが得られる休息にぴったりの場所です。
寺の境内に癒しの場「cafe愚禿 -gutoku-」
カフェの名前は「cafe愚禿 -gutoku-」。
黒部市郊外の旧宇奈月町、富山地方鉄道本線の浦山駅の目の前にある浄土真宗本願寺派の寺院「白雪山 善巧寺(ぜんぎょうじ)」の敷地内にあります。
22代目住職である雪山俊隆さんが門徒会館の1階を活用してオープンしました。
店名の「愚禿(ぐとく)」とは、浄土真宗を開いた親鸞聖人が、自らを「愚禿」と名乗ったことにちなんで名付けたのだそう。
店内は木のぬくもりを感じるあたたかい雰囲気で、落ち着きがあります。建物自体は1990年に建てられたものですが、厳かな寺院のイメージとはまた違うおだやかでモダンな装いが感じられます。
立派な一枚板のカウンターは、寺の敷地内にあった大きな木を再利用して作られたもの。
実はカフェとしてオープンする前からカウンター造りになっていて、先代住職が「次の世代の人たちが集いやすい場所を作ろう」という想いで考えたんだとか。
もともと寺は、訪れた門徒らを茶でもてなし、人々が集う場でもあったことから、現代風の形で誰もが来やすい場のあり方を考えたときに、雪山さんはカフェにすることを決めました。
寺ならでは?のカフェメニュー「ホトケーキ」
「cafe愚禿」のオススメメニューのひとつがこちら。
ホットケーキならぬ、「ホトケーキ」です。
店のロゴにもなっている愚禿像が粉砂糖で描かれています。朱塗りの御膳に乗せて提供させるのも、寺カフェならではといった設えです。
ドリンクにも寺らしさが。ほんのりと甘い「甘茶」です。
砂糖を入れていないのに自然の甘みがあって、砂糖が貴重だった時代には寺でふるまわれる甘茶がとても人気だったんだとか。お釈迦さま誕生を祝う「花まつり」では、仏像に甘茶を注いで参拝する習わしがあり、寺には縁の深い飲み物。飲むと無病息災で過ごせるという言い伝えもあります。
地元のおいしいものも
ほかにも地元・黒部市の「SAEKI COFFEE」のコーヒーや老舗菓子店「紅屋」のドーナツなど、富山のおいしいものを味わうこともできます。
グルメ以外の楽しみ方も 気軽にできる写経体験や拝観
寺ならではのものは、フードやドリンク以外にも及びます。
たとえば、写経。
寺院や宿坊で体験できる場所も増えてきましたが、「cafe愚禿」では「もっと身近に感じてもらえたら」という想いから、お茶を飲みながらできる簡単なものが用意されています。
およそ3分でできるという「カジュアル写経」は無料。お茶とともに心を落ち着ける時間が過ごせそうです。
カフェの営業中は本堂の観覧もOK
カフェがオープンしている木・金・土曜の営業時間 13時から17時の間は、本堂を観覧することもできます。
「カフェのオープンによって、昔のようにみんなが気軽にお寺に集うようになり、お寺ともつながっていけるような関係も築いていけたら」(雪山さん)
仏教の教えにもふれながら、ゆっくりと心を整えることができそうな癒しのカフェ。地域の人々が集う憩いの場としてもにぎわっていきそうです。
cafe愚禿 -gutoku-
- 住所
- 富山県黒部市宇奈月町浦山497
- 営業時間
- 木・金・土曜日 13:00~17:00
※寺の行事がある日は臨時休業 - 定休日
- 日~水曜日
- 公式サイト
- Zengyou.Net
※この記事は、2025年9月5日に放送したKNBテレビ「ワンエフ」をもとに、2025年9月15日に北日本放送「nan-nan」で公開された記事を転載したものです。
