
提供:Sitakke
WEB マガジン「Sitakke」では、北海道内各地のパートナーメディアと連携して、地域に根付いた様々な情報を発信中!
今回は、道南エリアの大人気フリーマガジン「peeps hakodate」から、歴史ある建築物をリノベーションした素敵な一棟貸し宿をご紹介。
Portside Inn Hakodate(ポートサイドインハコダテ)
かつて巨大な倉庫があった函館市大町の一角。ここにホテル・飲食店・物販店が入居する複合施設が2025年以降に開業するというニュースが昨夏メディアを賑わせた。
その企画・運営を担うのは広島と東京に拠点をおく株式会社Staple(ステイプル)の子会社である株式会社Staple函館。この計画自体は2023年から動いており、建設予定地の現地視察もすでに行われていた。その際、予定地の向かい側にある一軒の古建築が同社担当者の目に止まった。調べてみると、どうやら売りに出されているということがわかり、すぐに仲介元に問い合わせ、目にも止まらないスピードで購入を決めた。

「でもその時点ではこれを何に使うか、どうやって使うかはまったく決まってなかったんです」と笑いながら振り返るのは、株式会社Staple函館の園部優樹さん。社内検討の結果、ここを一棟貸しの宿にすることに決め、前述の複合施設に先駆けて2024年1月に開業にこぎつけた。

いわば“予定外”で生まれることになった、この『ポートサイドインハコダテ』。会社を突き動かしたのは、やはり建物自体がもつ魅力だ。
ここは1885(明治18)年に廻漕業者だった旧遠藤吉平商店が新築したとされる建物。明治初期建造の建物が数えるほどしかなくなった西部地区でも、かなり貴重な物件として建築関係者や不動産会社の間では知らない者はいない市の景観形成指定建築物で、130年以上の間、倉庫や飲食店として使われてきた。


ここを宿泊施設としてリノベーションするにあたり、建築当時の状態で残っているレンガ壁に漆喰を塗った石造り風の外観はそのままに、さらにアーチ窓や2F天井の梁など元の部分を極力残しながら、あとは現代風にアレンジ。


中の家具や調度品はアンティークで、装飾物も北海道の作家が手がけた作品を中心に選定した。


また、あくまで宿泊者が「宿」としてではなく「家」としてくつろげるように、ホテルにありがちな案内表示や余計な装飾をギリギリまでそぎ落としている。
以前はこんな場所でした。
【喫茶 JOE】
1982(昭和57)年に開業した喫茶店で、地元民と観光客の両方から長年愛された店。店名の「ジョー」は、当時店の前の岸壁に新島襄の海外渡航を記念した石碑があり(現在は移設)、そこにちなんで命名したもの。

写真は1985(昭和60)年に撮影された店の外観。
Portside Inn Hakodate
- 住所
- 北海道函館市大町9-14
- 公式SNS
- Instagram「portside_inn_hakodate」
***
『peeps hakodate』vol,130「函館たてもの通信」より
※この記事は、2024年12月12日にHBC北海道放送のWEBマガジン「Sitakke」で公開された記事を転載したものです。