カップルにおすすめ!静岡「修善寺温泉街」の満喫モデルコース

静岡県伊豆半島の北部に位置する「修善寺温泉」は、1200年もの歴史を誇る温泉街。透明でクセがない温泉には数々の作家や画家が訪れ、のどかな自然風景を楽しみました。温泉街には恋愛成就にご利益がある場所や足湯などカップルが楽しめる場所が満載!モデルコースでは名所だけでなく、おすすめのフォトスポットやカフェも巡るので、より修善寺温泉を満喫できます。

修善寺温泉までのアクセス

修善寺を歩くカップルの後ろ姿

首都圏、関西方面共に修善寺温泉への行き方は三島駅で新幹線を降り、伊豆箱根鉄道で終点の修善寺駅まで約40分。修善寺駅から修善寺温泉まではバスで約8分。東京駅からは直通で修善寺駅行きの特急踊り子号を使うと約2時間10分。車の場合、東名高速道路を使うと首都圏(東京IC)からは約1時間45分、中部(豊田IC)からは約3時間です。

修善寺温泉の散策コース

10:00

「街ナビゆるり」で着物に着替えて散策スタート!

街ナビゆるりのレンタル着物

修善寺温泉場に到着したら、そのままバス停の目の前にある「街ナビゆるり」で着物をレンタルすることから一日をスタート。竹林に橋など修善寺温泉は着物が映える場所ばかり。普段見られない相手の和装にドキドキしながら、記念撮影もより盛り上がります。

街ナビゆるりのレンタル着物

店内には着物のほか、長じゅばんに羽織、かごバッグに草履など和装一式が勢揃い。レンタル料金(9:30~16:30 着物4,800円、浴衣4,000円)にはこれらの小物も含まれているのがうれしいポイントです。着物の柄は50種類以上あり、どの色にしようか迷ってしまう人が多いのだとか。

街ナビゆるりのレンタル着物

やっと着物を決めたと思ったら、今度は帯に迷う番。選んだ着物を傍らに掛け、どの色が似合うか試行錯誤を繰り返します。女性の場合、着物、帯、長じゅばんを選び、男性の場合はそこに羽織も加わります。

街ナビゆるりのレンタル着物

「カップルで着物を選ぶ場合は女性の柄を選んでから、それに似合う男性の着物を選ぶと良いですよ。そうするとお互いの魅力が2倍、3倍に引き立ってきますから」と語る、スタッフの杉山さん。もし着物に迷っても、その人の雰囲気に合わせておすすめを2~3着ほど提案してくれるという心強い存在です。

街ナビゆるりのレンタル着物

受付から着物に着替えるまで、大体1時間ほどで支度が完成します。荷物はお店で預かってくれるので、女性はかごバッグ、男性は巾着と身軽になれます。修善寺温泉に宿泊する場合は、翌日返却も可能(1泊 着物5,500円、浴衣4,500円)。カラカラと下駄の軽い音と共にいよいよ散策に出かけましょう。

街ナビゆるり

住所
静岡県伊豆市修善寺818-1
時間
9:30~16:30
定休日
不定休(事前予約がおすすめ)
公式サイト
街ナビゆるり

11:00

「修禅寺」で良縁祈願

修禅寺

修善寺温泉の中心に位置し、温泉街の歴史はここから始まったともいえる「修禅寺」にまずお詣りを。大同2(807)年に弘法大師・空海が創立し、1200年以上もの歴史を誇ります。

お寺と温泉街の名前が同じ漢字だと思っていた人も多いのでは? 実は混乱を避けるために住所や温泉街は、真ん中の文字を「善」に変更したのだとか。門前町として発展してきた修善寺温泉の配慮が伝わるエピソードです。

修禅寺

階段を上った先、山門には入口の守護を司る金剛力士像が参拝者を歓迎。その先には緑の木々に囲まれた重厚な本堂が佇み、柔らかな空気が辺りを包みます。

修善寺温泉を代表する名所なので、常に参拝する人たちで賑わっているのが印象的。毎週火曜日の朝には旅行客や地元の人たちを対象に無料で座禅会(要予約)など多くの行事も実施されています。

修禅寺 寒桜

3月中旬に見ごろを迎える修禅寺寒桜など四季折々の自然と出会えるのも修禅寺の魅力。手水舎で清めようとしたら実は源泉かけ流しのお湯で驚くことも。修禅寺と温泉の深いつながりが感じられます。

修禅寺 御朱印

御朱印の受付は売店ではなく、本殿に面した別窓から。

修禅寺 お守り

売店では様々なお守りが並び、思わず手に取ってしまうほどかわいらしいデザインばかり。ちりんちりんと鈴の音が響く縁結び御守りや幸運の四つ葉御守り(共に700円)がカップルに人気の御守りです。

修禅寺

住所
静岡県伊豆市修善寺964
時間
4月~9月 8:30~16:30、10月~3月 8:30~16:00
公式サイト
修禅寺

11:30

「日枝神社」で静の雰囲気を味わおう

日枝神社

修禅寺から徒歩で約5分。先ほどの朗らかな雰囲気から一変、高い杉の木に囲まれた「日枝神社」に辿り着きます。温泉街の中心地にも関わらず、ひんやりした空気が漂い、周辺は静寂に包まれています。

日枝神社

本殿の横には樹齢800年以上の夫婦杉がそびえ、1本の杉が二股に分かれていることから子宝の杉という愛称も。夫婦円満や子宝成就のご利益があります。

日枝神社 絵馬

社務所で購入できる絵馬や御守りは縁起物として評判。子宝を願う雀の絵馬には、赤い橋や紅葉など修善寺ならではの要素が満載です。

日枝神社 ライトアップ

日没から23時まで日枝神社ではライトアップも開催。 「赤結いの糸」といわれる赤い光も境内を照らし、運命の糸のように辿っていくと本殿に到着します。

日枝神社

住所
静岡県伊豆市修善寺826
時間
参拝自由(社務所の営業は不定期)

12:00

「めし屋みづ」で名産のわざびと黒米に舌鼓

めし屋みづ

温泉街の雰囲気が分かり始めた頃、午後に向けて体力を補給しに「めし屋 みづ」へ。地元で取れた新鮮で旬な野菜を豊富に使ったメニューが評判です。

めし屋みづ 修善寺懐古そば 修善寺懐古そば

お蕎麦など定番メニューのほか、修善寺懐古そば(写真・1,380円)と花車弁当(1,480円)が人気。修善寺懐古そばには、ざるそばの他に小鉢2品、生わさびと黒米がついてきます。

花車弁当は黒米などご飯3種、小鉢2品と焼き魚などのおかずも加え、プチデザートもしくはドリンクが選べるという充実ぶりです。

めし屋みづのわさび

修善寺に近い天城はわさびの名産地。自分でわさびをすりおろして味わうおそばは普段よりも濃厚な味が感じられるはず。そば猪口に入れるのではなく、おそばに直接乗せて味わうのがポイントなのだとか。この土地ならではの食べ方に好奇心もくすぐられます。

めし屋みづ 修善寺懐古そば 修善寺懐古そばに付いてくるおいなりさん

わさびと同様、修善寺の名産品といわれるのが、名前の通り黒い色の黒米(写真左)。ポリフェノールやビタミンE、それにミネラルや鉄分が豊富だといわれ、もちもちとした食感が特徴。噛めば噛むほど滋味深い味に表情も緩んでしまいます。

めし屋 みづ

住所
静岡県伊豆市修善寺765
時間
11:00~14:00、夜は要予約
定休日
火曜

13:00

午後は地元愛が生んだ「修善寺 燕舎」からスタート

修善寺 燕舎

修善寺ならではのお土産や雑貨が並ぶ「修善寺 燕舎」。店長の勝野さんは修善寺出身のデザイナーさんで、地元が盛り上がる活動をしたいという想いからお店を2017年に始めました。

修善寺 燕舎 オーナー

店内には勝野さん始め、地元出身の刺繍作家さんやイラストレーターさんの作品が並びます。「修善寺っぽい雰囲気がちゃんと伝わるものを大切に作っていきたい」と話す、勝野さん。修善寺で生まれ育ったからこそ表現できる、愛が込められた作品に今後も注目です。

修善寺 燕舎 ポストカード

修善寺温泉や伊豆の名物をテーマにしたポストカード(180円)は、勝野さんがデザインしたもの。ポストカードとお似合いな切手も特別にデザインしたもので、一緒に購入できます。今日の思い出を誰かに報告したり、旅の感想をお互いに送り合ってみたりと、想いを綴ることで更に特別な一日になるはず。

修善寺 燕舎 手ぬぐい

小紋があしらわれた手ぬぐいと入浴剤のセット(715円)は定番のおみやげ。手ぬぐいは赤と紺の色違いがあり、足湯が多い修善寺温泉で重宝するアイテムです。

修善寺 燕舎 だるまの置物

達磨(だるま)山の麓に位置する修善寺温泉では、古くから子どもたちのことを「だるまっ子」と呼びます。そんな背景と地元の木を活かして誕生したのがオリジナル修善寺だるまっ子(4,950円)。昔ながらの慣習を知ればお馴染みのだるまも更に愛着が増すはず。

修善寺 燕舎

住所
静岡県伊豆市修善寺825-2
時間
10:30~17:00(たまに21:00)
定休日
月曜・木曜

とことん昔の風情を楽しむなら人力車で!

修善寺 人力車

少し疲れてきたなら人力車に乗ってみるのも一つの手。普段より高い目線から見渡す温泉街、それに快活な車夫さんの案内が加わり、ちょっとしたエンターテイメント気分を味わえます。着物だと写真映えだけでなく、割引も受けられるので一石二鳥です。

修善寺 人力車

もともと風と共に運気も取り込む縁起が良い乗り物とされている人力車。修禅寺前で待機していることが多く、予約も受付けています。温泉街の要所を巡る20分コース(2,000円)と30分コース(3,000円)の2種類がありますが、おすすめは竹林の小径も巡る30分コース。時間延長も柔軟に対応してくれます。

人力車

時間
10:00~16:00
定休日
不定休(事前予約がおすすめ)
連絡先
0558-72-2501(伊豆市観光協会修善寺支部)

散策中は積極的に橋を渡って恋愛運をアップ!

桂川

街の中心を流れる桂川。どこからも川の水音が聞こえますが、目を引くのが赤い橋の多さ。実は修善寺温泉では桂川にかかる5つの橋それぞれに恋にまつわるご利益があるといわれ、「恋の橋めぐり」というモデルコースも紹介されているほど。

楓橋

竹林の小径にある楓(かえで)橋は結婚祈願のご利益がある橋で、プロポーズを待っている人にぴったり。他にも良縁祈願の渡月橋や恋愛成就の虎渓(こけい)橋などもあり、橋を巡れば同時に温泉街も散策できるのでさり気なく大切な人と一緒に渡ってみて。

14:00

「指月殿」で願いが叶う石を持ち上げよう

指月殿

丘の上に静かに佇む「指月殿」は伊豆最古の木造建築といわれ、安置されている釈迦像が本来持たないはずの以心伝心を意味する蓮の花を手にしているのが特徴的です。

お伺い石

敷地内にある蓮花の石はお伺い石といわれ、以心伝心を占うもの。伝えたい想いを胸に石を持ち上げ、軽く感じたら想いが叶うといわれています。ちょっとドキドキしつつも、持ち上げる前は深呼吸をお忘れなく。

14:30

「竹林の小径」で木漏れ日のシャワーを浴びよう

竹林の小径

3年に及ぶ歳月で完成した竹林の小径は修善寺温泉でも一、二を争う人気スポット。そよぐ風に応え、右へ左へと揺れる笹の葉や、たくましく上へ上へと伸びる竹の様子は訪れる人たちを別世界へと引き込みます。

竹林の小径

竹林の中央には円形の椅子が設置されていて、誰もが子どものようにごろんと寝っ転がりながら、竹の緑と空の青のコントラストに釘付け。

竹林の小径

混雑してなければ人力車の30分コースだと竹林の小径も通り、途中で写真撮影の時間も。緑に包まれ優美な写真を撮ることができます。

竹林の小径

日没から23時まではライトアップを実施。昼間とは一転、幻想的な情景が浮かび上がります。

竹林の小径

20時ごろから2時間限定で地元在住の切り絵作家さんの作品が映し出されます。恋の橋めぐりをテーマにしたカップルが仲むつまじく笑っていて、こちらまでほっこりで。

15:00

「茶庵芙蓉」で和みのひとときを

茶庵芙蓉

散策も一通り巡ったら、静かな場所で休憩を。主要な観光スポットから徒歩10分ほどの場所にある「茶庵芙蓉(ちゃあんふよう)」は築100年以上の民家を利用した甘味処です。

茶庵芙蓉

もともと別荘として建設された民家で、入る際には玄関に吊るされたドラで合図。外見とは裏腹にごわーんと優しい音が穏やかに響き渡ります。

茶庵芙蓉

ガラス張りの渡り廊下前には中庭が広がり、その向こうには山の姿も。この景色だけでも坂を上って来た甲斐があったと思えるはず。夏の終わりから秋の始めには店名にもなっている芙蓉の花が庭を彩り、夏には縁側で心地よい風に当たるなど、静かで落ち着いた時間の流れが感じられます。

茶庵芙蓉 白玉あずき 抹茶白玉あずき

人気メニューは季節の上生菓子つき抹茶(900円)と、抹茶白玉あずき(写真・840円)。他にもおしるこやくずきり、バニラアイスクリームも。自家製の梅ジュースや塩こぶ茶など飲み物も充実しています。

茶庵芙蓉 白玉あずき

注文を受けてから10分ほど時間をかけて作る白玉は、もちもちとぷりぷりの両方が味わえる絶品。1個あたりのサイズも通常の白玉より大きいのが魅力で、思わず最後までとっておきたくなるおいしさです。

茶庵芙蓉

住所
静岡県伊豆市修善寺1082
時間
10:00~16:00
定休日
不定休

15:00

「Café弘乃」で刺激的なアイスはいかが?

Café弘乃

休憩場所としてもう一つおすすめなのが、温泉街中心地に位置する「Café弘乃」。7年ほど前から地元名産品とのコラボで、わさびソフトクリーム(350円)を考案。注文するとその場でわさびをすりおろしてもらえ、ソフトクリームの傍らにボリュームたっぷりにトッピングしてくれます。

Café弘乃 わさびソフトクリーム

新鮮なわさびなので辛みも格別。ツーンとなりながらもソフトクリームの甘味が相まって、未知なる味に好奇心が刺激され、もう一口もう一口と食が進みます。目の前には足湯もあり、おやつを食べながら温まる人たちも多いです。

Café弘乃

住所
静岡県伊豆市修善寺971-1
時間
10:00~16:00
定休日
水曜、木曜

15:30

伊豆のシンボルを眺めながら足湯でほっこり

とっこの湯

適度な疲労感と充実感を感じつつ、最後は名湯を堪能しながら一日の振り返りを。桂川に隣接した木造の建物は「とっこ(独鈷)の湯(入浴不可)」は伊豆最古の温泉といわれ、伊豆のシンボル的存在です。

とっこの湯

とっこの湯の隣には足湯の河原湯があり、川の対岸には温泉街を一望できるリバーテラスと杉の湯(足湯)も。透明で無味無臭の修善寺温泉はクセがなく、いつまでも浸かっていたくなる心地よさです。


古来より著名な文化人が愛した修善寺温泉には独特のゆっくりとした時間の流れがあると聞きます。それは街を流れる桂川のように穏やかで、優しい肌触りの温泉のように和やかと、まさに大切な人と過ごすのにぴったり。ぜひ訪れた際は、歴史ある温泉街で特別なひとときを過ごしてみてください。

取材・写真・文/浅井みらの

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