
「ねこ浴場&ねこ旅籠保護猫カフェネコリパブリック大阪」は、泊まることで保護猫を救う活動に繋がる、保護猫カフェホテル。猫と一緒に過ごせる空間には、保護猫を思うさまざまな工夫が盛りだくさん。「ねこまみれ」が楽しめる個性豊かなホテルの魅力と取り組みをたっぷりご紹介します!
アクセス
大阪観光の中心地「心斎橋」で、たくさんの猫に会える!

「ねこ浴場&ねこ旅籠保護猫カフェネコリパブリック大阪」は、大阪観光で人気の「なんば・心斎橋」エリアにあります。大阪メトロ長堀鶴見緑地線「長堀橋駅」から徒歩約2分、または大阪メトロ御堂筋線「心斎橋駅」から徒歩約9分でアクセス可能。観光の拠点としてもアクセス良好です。

そのたたずまいは、まるで大衆浴場のよう。


のれんをくぐって中に入ると、受付でパスポート(ポイントカード)が渡されます。「ネコリパブリック憲法」という名の館内ルールが記載されているので、しっかりと読んでから入館しましょう!

人と猫の共通感染症を予防するため、館内では靴下の着用が必須です。もし忘れてしまった場合は販売されているので、受付で購入できますよ(数に限りがあります)。
「ねこ浴場&ねこ旅籠保護猫カフェネコリパブリック大阪」の思い

「ねこ浴場&ねこ旅籠保護猫カフェネコリパブリック大阪」は、大きく2つのスペースに分けられています。「ねこ浴場」は、いわゆる猫カフェのような部屋。たくさんの猫が気ままにくつろぐエリアで、一緒に過ごすことができます。人が癒やされるだけでなく、保護猫の人馴れトレーニングとしての役割も担っているのだそう。

もうひとつの「ねこ旅籠」は宿泊施設。和風の寝床が設けられており、ガラス越しに猫を眺めながら泊まることができるめずらしいホテルです。
猫と遊び、泊まることで保護猫を救える仕組みづくり

「ねこ浴場&ねこ旅籠保護猫カフェネコリパブリック大阪」の大きな役割は二つ。保護猫について広く知ってもらうことと、新たな飼い主に繋げることです。一見よくある猫カフェのように見えますが、こちらにいる猫はさまざまな事情で保護された子たち。保護依頼を受けてから状況を詳しくヒアリングし、検疫期間などを経てメンバーに加わるそうです。

館内やホームページでは、それぞれの詳しいプロフィールが公開されています。猫を家族として迎えたい人とこの場でマッチングさせ、年間約60匹の譲渡が生まれているのだそう。
いきなり譲り受けるのは難しい、という方も、ここに来るだけで保護猫たちを救うことができます。保護猫活動の継続にはかなりのご飯代や医療費がかかります。ここでは、入館料や宿泊費などの施設使用料が必要な経費に充てられているので、間接的に保護猫を助けることに繋がるのです。


また、できる限り「ねこ浴場」には、人を怖がらないタイプの猫を連れてきているという工夫も。直接人と触れ合って里親を探すのに適した性格の子もいれば、写真のみでのマッチングのほうがノンストレスな子もいるので、それぞれの猫の性格に合わせた保護活動を行っているそうです。
保護猫が幸せになるための工夫

店長の西窪 直美さんに、保護猫の譲渡についてさらに詳しく教えてもらいました。
「猫を迎えたいと思い訪れる人には、しっかりとヒアリングを重ねることが大切です。初めて猫を飼う人には人慣れしている子を薦めたり、すでに猫を飼っている人には一匹目の子の性格を聞いて、相性が良い子を選んだりします。一匹目が甘えん坊なら、他の猫が増えることで嫉妬をすることも。なのでクールな子をマッチングさせるなど工夫しています」

マッチング後には受け入れの練習として2週間のトライアル期間を設けており、スタッフが自宅にも訪問します。キッチンの包丁スタンドなど、写真でのやりとりだけでは分からない危険なものがないかをチェック。さらに、里親になる方に、猫がどれほど飛び上がる可能性があるかなど、細かく習性を説明するのだそう。
大阪店で働く全スタッフが猫を飼っているのもあり、最終的には「この人に自分の猫を預けられるか」という目線で譲渡の可否を決めているとのこと。一匹の譲り先を決めるだけでも、とても時間がかかるようです。

「猫を飼いたいと思ったらペットショップが思い浮かびますが、保護猫の譲渡も視野に入れてみてほしいです。ペットショップの子たちよりは個性的かもしれませんが、そこがかわいくて魅力的だったりもするんですよ」と話す西窪さんの言葉からは、猫に対する愛情がたっぷりと伝わってきました。
ねこ旅籠
猫を眺めながらお泊まりできる「ねこ旅籠」


宿泊施設の「ねこ旅籠」には、複数のベッドスペースが2段で並んでいます。江戸時代の旅籠をテーマにした室内は、まるで和風のカプセルホテルのようなレトロ感ただよう雰囲気。貸切での利用(最大6名まで)なので、のびのびと過ごせます。「ねこ浴場」の営業前と営業後(猫たちの就寝時間まで)の間には宿泊者限定での猫部屋貸切タイムも!


ガラスの向こう側には、隣り合わせの「ねこ浴場」が。目の前を猫たちが自由に歩き回るので、ときには部屋の真向かいにきてくれることも!猫好きにはたまらない空間ですね。

ただし、夜10時以降は猫を休ませるためにブラインドを閉めるルールが設けられています。

もちろんシャワーブースもあるので快適ですよ。


オリジナルデザインのシャンプー、コンディショナー、ボディソープに、無印用品の基礎化粧品もありました。

必ずチェックしたいのが、宿泊者の思い出ノート。さまざまな言語で綴られたコメントや猫のイラストから、世界中の猫好きに愛されている施設であることが感じられるでしょう。宿泊の際にはぜひメッセージを残してみてはいかがですか。
たくさんの猫と出会える癒やしの空間「ねこ浴場」

猫カフェエリアの「ねこ浴場」では、たくさんの保護猫たちが自由にくつろぐ姿を間近で見て、触れ合うことができます。人馴れしていて近づいてくる子もいれば、マイペースに寝ている子も。


天井を見上げるのも忘れずに!無防備なお昼寝姿とキュートな肉球を発見できるかもしれません。

「カリカリおやつ」(330円)と「クリームおやつ」(440円)に挑戦してみました。


おやつの匂いにつられてやってきた2匹の猫ちゃん。おいしそうに食べる姿に、こちらもつい頬が緩んでしまいます。

大阪観光で歩き疲れたなら、浴場らしい「足湯」もおすすめです。血行を促進してリフレッシュすれば、さらに癒やされるひとときになること間違いありません。猫も興味津々のようで、近寄ってきてくれました。

もちろん無料で使えるおもちゃもあるので、一緒に遊んでみてくださいね。


また、オリジナルグッズも販売されています。これらの収益も猫の保護活動に役立つのでチェックしてみてください。
飛騨にも姉妹施設が

岐阜県飛騨市の「ねこ蔵の宿 飛騨」へもぜひ訪れてみて。

蔵をリノベーションした、一棟貸の宿。

保護猫のシェルターが併設。猫とふれあうほか、お世話体験もできます。
「ねこ浴場&ねこ旅籠保護猫カフェネコリパブリック大阪」は、保護猫と里親のマッチングを生み出す空間。それぞれの猫の性格を尊重し、ストレスなく過ごせるよう愛情を持って接しているスタッフの姿が印象的でした。泊まることで癒やされながらも保護猫活動に参加できる、猫好きにとって幸せな場です。ぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか。
- 住所
- 大阪府大阪市中央区島之内1-14-29
- アクセス
- 大阪メトロ「心斎橋」駅より徒歩で約10分
- チェックイン
- 15:00 (最終チェックイン20:00)
- チェックアウト
- 10:00
- 総部屋数
- 1室(最大6人)
取材・文・撮影/其田雪花