
2月頃に九州で見られる絶景!
2月はまだ春には遠いイメージがありますが、九州の春は早く、2月の中旬から下旬になると河津桜が咲き始めます。桜の種類によってさまざまな色がありますが、河津桜は濃いピンク色で見ているだけで心が温まります。また、九州には素敵な風景が撮れる海岸も。今回は、福岡出身で現在も九州を中心に活動する写真家・清家道子さんが、春を感じる九州の絶景スポットをご紹介します。
写真家
清家 道子(せいけ みちこ)さん
日本写真家協会会員。 福岡県生まれ。1987年よりカラーコーディネーターとして福岡で起業。20年以上、カラーデザインやカラーマーケティングなどの仕事を手がける。2009年より趣味だった写真を本格的に始め、風景写真家に。地元九州を中心に、日本全国の美しい風景を撮影。2012年より企業カレンダーを手がけるほか、写真雑誌への寄稿、カメラメーカーでの講演、撮影会なども行っている。YouTube「清家道子チャンネル」では、風景ショートムービーや撮影テクニックなどを配信中。

目次
おすすめの絶景【1】静豊園の河津桜


福岡県豊前市の「静豊園(せいほうえん)」は個人所有のみかん農園で、河津桜の時期だけ一般公開しています。約300本の河津桜をはじめミモザなどの花が咲き、2月の早い時期から春を感じられる場所です。それほど広くはありませんが、待ちに待った桜を見られるということで、土・日曜日は多くの人が訪れます。
野鳥の撮影もできるので望遠レンズを使って楽しむこともできますし、開き始めた桜をマクロレンズで撮るのも良いでしょう。開園時期は混雑が予想されますので、事前に計画を立てて訪れるようにしてください。
静豊園
- 住所
- 福岡県豊前市松江990-1
- 開園期間
- 2025年2月18日~3月16日
- 開園時間
- 9:00~16:00(入園は15:30まで)
※雨天時は閉園 - アクセス
- 【車】東九州自動車道「椎田南」ICより約5分
※駐車代は車1台につき500円 - 詳細
- 静豊園の河津桜
おすすめの絶景【2】豊後水道河津桜まつり

九州で一番早く咲く河津桜は大分県津久見市の四浦半島(ようらはんとう)にあり、海岸線に沿って咲き誇る河津桜はおよそ5,000本。早い時には1月下旬から咲き始めることもあり、2月には「豊後水道河津桜まつり」が開催されます。2005年から地域の方の活動で植栽されて現在に至りますが、年を追うごとに大きく育つ河津桜を見るとうれしくなりますね。青い海とピンクの河津桜の共演も見事です。
河津桜にかわいいメジロがやってきて、その愛らしい姿を写真に収めようと多くのカメラマンが訪れます。すばしっこいメジロはなかなか撮らせてくれませんが、バッチリ撮れた時は感動します。ぜひ、望遠レンズを持って出かけてみませんか。
豊後水道河津桜まつり
- 住所
- [蔵谷 お花見広場]大分県津久見市四浦
- 開催期間
- 2025年2月8日~3月2日
- 時間
- [蔵谷 お花見広場]10:00~15:00
- アクセス
- 【車】東九州自動車道「津久見」ICより約20分
- 詳細
- 第13回豊後水道河津桜まつり
おすすめの絶景【3】おおくぼ台梅園



2月中旬~3月中旬は梅も美しい季節。大分では日田市の「おおくぼ台梅園」が人気のスポットで、約6,000本の梅が一斉に咲き誇り、春の訪れを知らせてくれます。
「日田おおやま梅まつり」なども開催され、春を求めて訪れる大勢の人たちでにぎわいますので、広角レンズより標準レンズ~望遠レンズで切り取る方が撮りやすいシーンが多いでしょう。駐車場がありますので、車で行く場合はレンズは多めに持っていくほうが良いかもしれません。白、ピンク、赤と、色とりどりの梅を撮ってみてください。
おおくぼ台梅園
- 住所
- 大分県日田市大山町西大山4738
- 梅まつり開催期間
- 「日田おおやま梅まつり」2025年2月16日~3月16日
- アクセス
- 【電車・バス】JR「日田」駅よりバス「ひびきの郷入口」下車、徒歩約1分
【車】大分自動車道「日田」ICより約25分
おすすめの絶景【4】波当津海岸

実は、2月は海の撮影にも最適。1~2月は波が高く荒れることが多いのですが、その恩恵で砂浜には美しい砂紋(さもん)が残ります。大分県佐伯市の「波当津(はとうづ)海岸」は、年間通して白浜の独特な模様で楽しませてくれますが、特に冬はその砂紋が強く出る時期です。
広角レンズを使って、砂の模様と冬の海の様子を楽しむことができます。冬の海は訪れる人も少なく、のんびりと撮影ができるのが良いですね。撮影する時の注意点は自分の足跡に気をつけること。ついつい前まで行ってしまって自分が付けた足跡に困ることがありますので、少しづつ撮影しながら波打ち際まで近づくようにしましょう。
波が引いた時に砂紋が表れますので、干潮の時刻を調べてから撮影に向かってください。
波当津海岸
- 住所
- 大分県佐伯市蒲江大字波当津浦
- アクセス
- 【電車・バス】JR「佐伯」駅よりバス「波当津」下車、徒歩約5分
【車】東九州自動車道「波当津」ICより車で約5分
おすすめの絶景【5】奈多海岸の朝日

日本人にとって鳥居と日の出は心に響くものがあります。大分県杵築市の「奈多海岸(なだかいがん)」は、朝日と鳥居が撮影できる数少ない場所の一つで、特におすすめの時期は春霞(はるがすみ)がかかる2~3月。春霞がある朝は太陽が隠れてしまうこともありますが、太陽の輪郭が白飛びせずにくっきり撮れるシーズンです。
少し早起きをして、望遠レンズを使い、鳥居と太陽をうまく撮れるとやはりうれしいですね。レンズは200mm以上の長めのものがあると便利。機会があれば、ぜひ訪れてほしい大分の絶景です。
奈多海岸
- 住所
- 大分県杵築市奈多
- アクセス
- 【電車・バス】JR「杵築」駅よりバス「奈多八幡」下車、徒歩約3分
【車】大分空港道路「安岐」ICより車で約12分
おすすめの絶景【6】黒川温泉「湯あかり」

熊本・黒川温泉を流れる川沿いに飾られた球体状の「鞠灯篭(まりとうろう)」約300個と「筒灯篭(つつとうろう)」で彩られる「湯あかり」は、まだ寒さの残る温泉街を輝かせます。浴衣や羽織りに下駄を履いた宿泊者のカランコロンという足音が風情を感じさせ、毎年12月から3月にかけて開催される「湯あかり」の風景は、訪れる人々を楽しませてくれます。
撮影は暗くなり始めた時間帯がおすすめですが、暗い中での撮影は三脚が必須。温泉街の道は狭く、曜日によっては多くの人が行き交いますので、三脚を使用する際は通る人の邪魔にならないよう注意が必要です。
明るいレンズがあれば撮りやすいですし、さらにシャッター速度もやや遅めにして、できるだけ明るく撮りたいところ。ただ、あまりシャッター速度が遅くなると「鞠灯篭」が揺れてしまうので、その日の風の様子を見ながら撮影してみましょう。
黒川温泉「湯あかり」
- 住所
- 熊本県阿蘇郡南小国町満願寺黒川
- 開催場所
- 丸鈴橋~川端通り/やまびこ旅館付近/べっちん館前/黒川温泉バス停
- 開催期間
- 2024年12月21日~2025年3月31日
- 開催時間
- 17:00~21:30
- アクセス
- 【電車・バス】JR「阿蘇」駅よりバス「南小国町役場前」下車、タクシーで約10分
【車】JR「熊本」駅から約1時間50分、「阿蘇くまもと空港」から約1時間20分 - 詳細
- 湯あかり | 黒川温泉公式サイト
おすすめの絶景【7】真玉海岸


大分で夕日が見られるおすすめの場所といえば、2月の「真玉海岸(またまかいがん)」の干潟です。2月頃は干潮時の波の引きも強く、また波が高い日が多いため、干潟にくっきりと波の模様が残ります。この時期は多くのカメラマンが訪れますが、最近は新しく展望台もできたため、以前よりも撮影しやすくなりました。カフェ・レストランもあり、観光客も多く訪れる人気のスポットです。夕日が沈む時間と干潮が重なる時期を調べて、ぜひ訪れてみてください。
広角レンズ、標準レンズ、望遠レンズ、どれを使ってもさまざまな切り取り方ができるので、撮影もとても楽しいと思います。ハーフNDフィルターを使用し、太陽を少し暗くして撮影すれば、仕上がりもきれいになるでしょう。太陽が沈んだ後に撮影することもありますので、三脚があればしっかり撮ることができますよ。
真玉海岸
- 住所
- 大分県豊後高田市臼野5125
- アクセス
- 【車】JR「宇佐」駅より約30分
撮影・文/清家 道子