瓔珞－せせらぎを臨む食事処で箱根名物に舌鼓

ベンガラ色の壁が目を引く、街道沿いの店。

瓔珞
せせらぎを臨む食事処で箱根名物に舌鼓

箱根湯本からほど近い塔之沢温泉は、
こんこんと流れる渓流、
早川の周囲に歴史ある温泉宿が並ぶ、
風情あふれるエリアです。
その早川沿いに立つ、
赤い壁の懐石料理店が「瓔珞」（ようらく）。
店名にもなっている「瓔珞」とは、よく仏像の首元や胸元を
飾っている装身具のこと。
日本では昔から、繊細できらびやかな瓔珞のかたちを
文様化し、絵付けの器に施してきました。
華やかで品のある瓔珞文様のようなお料理を。
そんな思いで始まったのが、このお店なのだとか。
名物は、相模湾などでとれる鯛を使った「鯛ごはん」です。
かわいい朱塗りの鯛型の器を開けると、
丁寧にほぐされた鯛の身を一面に散らしたご飯が登場。
和食店でよく提供されている、ご飯に鯛をまるごと
一尾入れて炊いた「鯛めし」を想像していると、
ちょっと驚くかもしれません。でもこの方法だと、
食感が軽やかなので、最後まで美味しくいただけるんです。
ベタつかず、パサつかず、しっとりした鯛の仕上がりは
様子を見ながら、弱火で1時間以上も焼くことで実現。
箱根の天然水で取る昆布だしで炊き上げます。
家庭ではできない、まさに匠の味！
せっかくの旅だから、鯛ごはんと一緒に
季節のお料理や赤だし、デザートも楽しめる
「松花堂鯛ごはん」でよくばりなランチはいかが？

一番人気の「松花堂鯛ごはん」は3,780円。

店名の由来となった瓔珞文様の器には
ほかほか湯気を立てる玉子豆腐の揚げ出しが盛られます。
2代続けて京都の老舗懐石料理店「瓢亭」で
修業した店主が腕を振るい、旬の食材もたっぷり。
目でも季節を楽しめる、もてなしの心が伝わるお料理です。
食後のお茶をすすりながら、ふと窓の外に目をやれば、
風に揺れる木々と、早川のせせらぎが。
いつのまにか、お腹だけでなく、
心も満たされていることに気づくことでしょう。

有名料亭で磨いた技が光る二代目北野勝三さん。