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瀬戸内海の小さな島々が連なる、広島県のしまなみ海道。それぞれの島には、歴史香る町並みや、秘密の裏路地、アートやスイーツなど、ときめきが満載。鮮やかな青い海と緑の中で、非日常にひたる島巡りの旅へ、出かけませんか。
東京から約3時間。6つの島々を橋と船でむすぶ“しまなみ海道”の始発点となる、広島県尾道市に到着。港から客船に乗り込み、美しい島々をめぐる旅のはじまり。
心地いい潮風の中、瀬戸内海の緑豊かな島々を通り抜けていきます。これから出会う初めての景色に思いを巡らせ、日常から物語の世界にスイッチオン。
尾道港から約40分、生口島の瀬戸田港に到着。港からすぐのサンセットビーチは、日本の水浴場88選に選ばれる美しい海水浴場。真っ白い砂浜を、青い波と遊びながらのんびり散策。
この日は気持ちのいい快晴で、自転車をレンタルして“しまなみ瀬戸田サイクリング”へ出かけることに。初心者でもしまなみ海道を満喫できる「多々羅大橋往復サイクリングコース」に挑戦。
サイクリングスタートから15分ほどで、ゆるやかな坂道の「レモン谷」に突入。国産レモンの生産量1位を誇る瀬戸田の名所です。青い空とレモン畑の緑が美しく、10月頃にはレモンが黄色く色づいてより見頃なのだそう。
レモン谷を抜けると、鳥が翼を広げたような形の「多々羅大橋」が見えてきます。爽やかな潮風を受けながら、橋まで一気に走り抜けます。
多々羅大橋に突入すると、海と島を見渡す迫力のパノラマビューがお出迎え。その絶景に出会えば、坂道を登ってきた疲れもどこかに飛んで行ってしまいます。
サイクリングで爽やかな汗をかいた後は、瀬戸田名産の“あなご丼”で腹ごしらえ。新鮮でボリューム十分なのに、780円というお手頃価格。地元の人はあなごをお刺身で食べることもあるのだそう。
次に訪れたのは、国登録有形文化財に指定される「耕三寺」。国宝建造物を手本として建てられたという本堂は、極彩色を用いた鮮やかで圧巻の佇まい。広い敷地内には、ミュージアムやカフェ&ショップなどの施設も充実しています。
本堂の傍には、最深部15メートルの深さで掘られた「千仏洞地獄峡（せんぶつどうじごくきょう）」があります。“地獄と極楽”を視覚的に体感できる洞内には、約一千体の石仏が奉安され、足元には滝が流れる異世界空間。
千仏洞地獄峡の暗闇とは一変、真っ白な大理石の庭園「未来心の丘」へやって来ました。広さ5,000平方メートルにもおよぶ純白の巨大庭園は、天国を思わせる美しさ。まるでファンタジーの世界に迷い込んだような気持ちに。
未来心の丘には「カフェ・クオーレ」も隣接しており、丘全体を眺めながら休憩できます。“闇と光”の異世界を体感できる耕三寺は、普通のお寺とは違う見所が満載でした。
耕三寺を出てすぐ、観光客が集まるジェラート屋さんを発見。「瀬戸田のデコみかん」味と、「伯方の塩」味のダブル盛りを注文。フレッシュな地元フルーツの果汁が美味！
耕三寺を後にし、この日宿泊する「レモン風呂の宿 つつ井」へ到着。お土産コーナーには、宿の名前にもなっている生口島名産の“レモンのお土産”がずらり。ご主人おすすめの「ふるさとレモン」と「はちみつレモン」をお土産に購入。
翌朝、浴槽が“レモンの形”をしている「レモン風呂」でリフレッシュ。見た目にかわいいだけでなく、レモンに含まれる“ビタミンC”ですべすべの美肌にもなれるという、乙女心をくすぐるお風呂です。
お湯に浮かべるレモン専用の畑まで持っているという、レモンへの愛情に溢れた「レモン風呂の宿 つつ井」。レモンの爽やかな香りに包まれて、気持ちよく旅の2日目をスタート。
瀬戸田をたつ前に、お土産兼移動中のおやつに「レモンケーキ」を購入。レモンな思い出がいっぱいの生口島を後に、車で鞆の浦を目指します。
瀬戸田から車で約1時間、訪れたのは、真言宗「福善寺」の客殿にあたる「対潮楼（たいちょうろう）」。
江戸時代、朝鮮からの通信使を迎える交流場だった対潮楼は、座敷から弁天島、皇后島、仙酔島（せんすいじま）などの多島美が楽しめる絶景スポット。その眺めは「朝鮮より東で一番美しい景勝地」と賞賛されたほど。
対潮楼からは、坂本龍馬率いる海援隊の蒸気船「いろは丸」と、紀州藩の「軍艦・明光丸」が衝突した“いろは丸 沈没事件”を受け、当時のいろは丸を模した船「平成いろは丸」も眺めることが出来ます。まるで江戸時代にタイムトラベルしたような気分に。
対潮楼を後にし、古き情緒あふれる町並みを散策していると、鞆の浦独自の薬味酒として知られる「保命酒（ほうめいしゅ）」の土産屋を発見。もち米、米麹、アルコールを主原料とした自然な甘さが特徴で、夏バテや冷え性に効くとのこと。
女子には、おやつ感覚で持ち歩ける「保命酒のど飴」も人気。のどにとても優しく、選挙中の政治家御用達の飴なのだそう。さっそくお土産に1袋購入。
鞆の港にやってくると、江戸時代の灯台として船を誘導していたという「常夜灯」を発見。海中の基礎石からの高さは日本一といわれ、青空に伸びるその姿は雄大そのもの。鞆の浦は今年9/13（金）公開のハリウッド映画「ウルヴァリン: SAMURAI」のロケ地にもなっており、日本の江戸情緒が色濃く残る町として、世界からも注目を集めています。
昼食に訪れたのは、昔ながらの町家に、ステンドグラスのあしらいが粋な、「御舟宿いろは」。いろは丸事件当時に“坂本竜馬”も訪れた町家で、有名映画監督の宮崎駿監督のデザインによって再生されたという著名人縁の場所です。
人気の「鯛漬け御膳(1,300円)」を注文。瀬戸内海でとれた生の鯛を、酒、塩、砂糖、昆布などで漬け込んだ“鯛の酒びたし”が絶品。わさび醤油で味わうも良し、白米の上に乗せ、だし汁で味わうも良しの贅沢メニュー。
店内には、建物の再生前に宮崎駿監督が描いたという“御舟宿いろは 完成イメージ画”が飾られていました。まるで映画の中の世界に居るようなロマンチックな気分が味わえる、素敵なお店でした。
鞆の浦を後に向かった先は、尾道駅から歩いてすぐの「工房尾道帆布」。造船で栄えた尾道で、昔から生産されている“帆布”を使ったバッグや小物が人気のお土産屋さん。
ナイロンより丈夫で長持ちし、焼却時のCO2削減にもなる環境にやさしい帆布生地。商品はどれも男女兼用で使え、飽きがこないシンプルなデザインがモットー。全てスタッフがミシンで縫い合わせたハンドメイドだそう。人気のトートバッグとエコバッグを即決で購入！
ブックカバーなどのかわいい小物もたくさん。写真の「でべらねこ」は、尾道特産の“デベラ（干し魚）”と猫をミックスさせたキャラクターで、絶賛売り出し中とのこと。
尾道のお土産として、“食”ではなく“モノ”をつくりたかったという理事長の木織さん。あくまで尾道に足を運んで、旅の思い出として持ち帰って欲しいという想いから、自社以外での通信販売はしないのだそう。フェイス・トゥ・フェイスでお客さんの生の声を聞きながら、これからも良い商品をつくって行きたいと語ってくれました。
次に向かうは、尾道のシンボル的な存在である「千光寺」。千光寺ロープウェイに乗り込み、山の頂を目指します。
ロープウェイ終点から少し階段を下ると、千光寺の通称「赤堂」と呼ばれる朱塗りの本堂が見えてきました。聖徳太子作と伝えられる秘仏を御本尊とする、非常に歴史の古いお寺です。
本堂からは、尾道の市街地や水道、向島の絶景が一望できます。造船所の工業的な景観と、海や島の豊かな自然が溶け合う様子は、尾道ならではの独特な美しさを持っています。
千光寺の敷地内には、本堂以外にも変わった見所が満載。「くさり山」もその1つで、巨大な岩の急斜面を、設置された鎖に足をかけて登っていく修行体験が可能。挑戦するならスニーカーを持参するべし。
千光寺を後にし、徒歩で坂道を下っていると、たくさんの猫に出会いました。どの猫も人間慣れしていて愛らしく、猫好きが尾道に訪れるという話にも納得。
旅の最後に訪れたのは、撫でると“福”が訪れるという「福石猫」がたくさん置かれた細い路地、通称「猫の細道」。坂道の途中には、見つけると結ばれるといわれるカップルの福石猫が隠れていたり、アートスペースも点在しています。
