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青春時代を盛岡で過ごし、郷愁に満ちた歌や詩を残した石川啄木。故郷・岩手をモチーフにした美しい物語を描いた宮沢賢治。岩手が生んだふたりの作家の作品は、今もなお時代を超えて読み継がれています。啄木と賢治が青春時代を過ごした盛岡の街を歩き、賢治が愛した小岩井農場を訪ねる・・・。ふたりの作家を育んだ、美しき風景をめぐる旅へ。
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| 『注文の多い料理店』ゆかりの場所へ |
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| ふたりの青春時代に、思いを馳せて |
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| 懐かしくて、美しい盛岡の街 |
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| 湖畔の温泉に流れる、静かな時間を |
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| 賢治が愛した、美しき農場へ |
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【東京〜盛岡までのアクセス】
・鉄道：JR東京駅（東北新幹線）→JR盛岡駅 ※約2時間13分
【大阪〜盛岡までのアクセス】
・鉄道：JR新大阪駅→JR東京駅（東海道新幹線）→JR 盛岡駅（東北新幹線）※約4時間
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石川啄木の『一握の砂』や宮沢賢治の『注文の多い料理店』など名作を片手に岩手をめぐると、目の前に広がる風景の美しさがさらに際立ってきます！ 穏やかでノスタルジックな文学トリップを、ぜひゆっくりと楽しんでください。（写真：佐藤和恵、構成・文：吉原徹） |
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ふたりの作家が愛した風景をめぐる旅。最初に訪れたのは、盛岡市材木町の「いーはとーぶアベニュー」に面した「光原社」でした。「光原社」は、宮沢賢治が生前残した唯一の童話集『注文の多い料理店』を発刊した出版社。現在では、世界中から選りすぐった工芸品を取り扱う「光原社本店」やノスタルジックな雰囲気漂う喫茶店「可否館」などが肩を寄せ合うように並んでいます。賢治ゆかりの木版かるたなど、かわいいおみやげも要チェックです。
続いては若き日の啄木が実際に暮らした「啄木新婚の家」を見学し、その後に「もりおか 啄木・賢治青春館」へ。同館は、明治43年（1910年）に建築された第九十銀行本店本館の建物を活用した施設。石川啄木と宮沢賢治が多感な青春時代を過ごした明治時代〜大正時代の盛岡に関する展示などが行われています。重厚だけれど、どこか懐かしい雰囲気を持つ館内を歩いていると、若き日のふたりの姿がなんだか身近に感じられるから不思議です。
太陽が西の空の空に傾いてきた頃には、文庫本片手に盛岡の街散策に出かけました。盛岡市の中ノ橋通や紺屋町界隈には江戸時代〜大正時代の古くて美しい建物が点在。「きっとふたりもこの風景を見ていたんだろうな」。そう思うと嬉しくなります。江戸時代から続く老舗「ござ九」の竹カゴやザルなど、時代を超えて愛される手仕事の逸品との出会いもまた、忘れられない旅の思い出です。
この日に宿泊したのは、盛岡市内から車で30分ほどの「つなぎ温泉」。御所湖に面して広がる温泉街は、大きな自然に包まれた静かな空気感が素敵な場所です。「盛岡 つなぎ温泉 ホテル紫苑」で地元の食材をふんだんに使った料理を味わい、とろりとした肌触りの温泉にちゃぷん。翌朝にはレンタサイクルを借り、御所湖周辺の美しい風景の中へ。静かな温泉の癒やしが、心と体を優しく包み込んでくれました。
2日目の午後には「小岩井農場」へ。岩手山を仰ぎ見るこの農場は、賢治がこよなく愛した場所。『小岩井農場』や『狼森と笊森、盗森』などの詩や童話の舞台ともなっています。賢治の時代から変わることのない美しい自然のなか、しぼりたてのミルクを飲んだり、かわいい動物たちを眺めたり…。ここにはとても穏やかな空気が流れていました。さらに、「盛岡手づくり村」では、啄木や賢治が愛した盛岡ならではの伝統工芸を体験。2日間の文学トリップを締めくくりました。
