国立公園内でも風光明媚な島として知られる礼文には、絶景や美しい花々が楽しめる観光スポットがいっぱいです。旅やトレッキングのプランづくりにお役立てください。
礼文島は天候の変化が激しい土地です。出発の時に快晴でも、途中で霧が出たり、雨が降ってきたり、強風が吹くことも珍しくありません。平地に近い場所でも、軽登山と同じ装備が必要です。トレッキングに出かける際は十分な準備をしましょう。島での現地調達は不可能と考え、出発前に必要な装備は揃えておきましょう。
安全な旅に必要な情報は「旅のアドバイス」のページをご覧下さい。
1. スコトン岬
島の最北端の岬に立つと、海原が左右180度に広がります。よく晴れた日には、沖合いにサハリンの島影も望むことができます。岬の正面に浮かぶ周囲4kmの無人島・トド島は、海鳥の楽園。夏は、花々やゴマフアザラシも観察することができます。
2. ゴロタ岬
スコトン岬から南へ3km。海から176mせり上がった断崖絶壁の岬は、久種湖や礼文島、利尻富士までを見渡す360度の大パノラマが楽しめる。島内屈指のビュースポットとして人気。岬からさらに南下していくと、キリで開けたような穴のある二枚貝が打ち上げられることで知られるゴロタノ浜もあります。
3. レブンアツモリソウ群生地
北海道の天然記念物や国の「種の保存法」の特定国内希少種にも指定される礼文のシンボル、レブンアツモリソウが群生しています。かつては島のあちこちで咲いていましたが希少なことと、美しい姿から盗掘が頻繁に行われ、現在では3,000株ほどに激減。わずかに残された自生地には保護柵が巡らされ、かけがえのない花の命を守っています。花の見頃は、5月下旬〜6月上旬です。
4. 久種湖
島唯一、日本最北の湖。南側の湖畔は湿地が広がり、湿性植物の観察ができる1周4kmの遊歩道が設けられています。遊歩道のそばには、ミズバショウの群生地もあり、間近で観察することができます。礼文は、渡り鳥の中継地としても知られ、遊歩道周辺は野鳥観察の人気スポットにもなっています。湖畔には、コテージやバンガロー、オートサイトを備えたキャンプ場もあります。
5. 澄海岬
礼文ならではのどこまでも澄んだ青い海を堪能できます。急な階段を登りきった岬から望む海は、光の射しかたや水深によってライトグリーンやエメラルドグリーンなど、さまざまに変化。その名の通り、透明度の高い入り江は、海底の石まではっきりと手にとるように見えます。夏には入江の周辺に可憐な花々が咲き乱れ、無垢な自然の美しさを存分に楽しむことができます。
6. 日食観測記念碑
昭和23年5月9日に、日本の歴史的大事業として、日食観測が日米共同の科学者1500人によって行われた場所に建っています。この観測は、広く世界の歴史に記録され、以来、礼文は天体科学の地としても国際的に知られるようになりました。
7. 高山植物園
島内に自生する高山植物に関する資料を豊富に展示しています。パソコンを利用した花図鑑で250種類の高山植物を調べることができます。トレッキングの前に訪ねて花の予備知識を仕入れると、花めぐりの散歩が一層楽しくなること請け合いです。なお、開館は6月から10月まで。9、10月は土日祝日が休館となりますので、ご注意下さい。
8. 礼文林道
香深と香深井を結ぶ8kmの尾根の道。林道の脇に咲くさまざまな花や利尻の眺望も楽しめるトレッキングの人気スポットです。レブンウスユキソウの群生地もあり、6月から7月にかけては幻想的な風景を楽しむことができます。この林道を基点に、花名所として知られる礼文滝コースや宇遠内コースへも行くことができます。
9. 地蔵岩
礼文島の南にある島内一の夕日スポット、元地海岸にあります。お地蔵さんが手を合わせているように見えることからこの名が付けられました。波打ち際にそそり立つ高さ50mの岩の間に夕日が沈むようすは、圧巻。学問や縁結びにご利益があるといわれています。
10. 桃台猫台
元地海岸の沖にたたずむ高さ25mの巨岩が猫岩。岩から突き出た2つの突起が猫の耳、後ろには海に伸びるしっぽもあり、その形状が背を丸めた猫のように見えることからこの名前が付けられました。桃台猫台は、近くにそびえる桃岩と猫岩が一度に展望できるスポット。青い日本海と奇岩、無数の花々が織りなす自然絵巻が楽しめます。
11. 桃岩展望台
島の最北端の岬に立つと、海原が左右180度に広がります。よく晴れた日には、沖合いにサハリンの島影も望むことができます。岬の正面に浮かぶ周囲4kmの無人島・トド島は、海鳥の楽園。夏は、花々やゴマフアザラシも観察することができます。
12. 礼文町郷土資料館
礼文島の開基は、明治13年。この郷土館では先人たちの開墾の記録と歴史を引き継ぐ意味で建てられました。礼文島の歴史を太古のジオラマや遺跡や出土品で知ることができます。またビデオライブラリーで礼文の四季をご覧いただけます。そのほかにも、漁具や生活用品などが展示されています。
■開館時間/9:00〜17:00
■休館日/月曜日、祝翌日(冬期閉鎖:11月〜4月)
■料金/一般:300円、小中学生150円
礼文島の美しい花畑を満喫するなら、自分の足でゆったりと歩くトレッキングが一番。島内には、体力や旅の予定にあわせて選べる多彩な花めぐりコースがあります。その中から、代表的なコースをご紹介します。
…… 岬めぐりコース
スコトン岬〜ゴロタ岬〜澄海岬〜
西上泊〜浜中
…… 8時間コース
スコトン岬〜ゴロタ岬〜澄海岬〜
西上泊〜字遠内〜礼文林道
…… 礼文岳登山コース
内路登山口〜礼文岳山頂
…… 礼文林道コース
香深井林道口〜
レブンウスユキソウ群生地〜
元地林道口
…… 桃岩展望台コース
桃岩展望台〜元地灯台〜知床
1. 8時間コース
島の北端、スコトン岬を起点に元地海岸・地蔵岩まで、西海岸を踏破する約20kmのコースは、最も歩きごたえ、見ごたえのあるトレッキング・コースです。花畑あり、滝ありの変化に富んだ景色が楽しめます。休憩や花の観察を挟みながら、ゆっくりと歩いた場合は10時間ほどかかる場合もあるので、出発は朝一番に。昼食をとる食堂などはありませんので、お弁当や水筒は必需品です。
2. 4時間コース
スコトン岬から南へゴロタ岬、澄海岬を経由する岬めぐりのコース。多くの花々と礼文の青い海、断崖がつくりだす自然の造形美が満喫できます。コースの終盤でレブンアツモリソウの群生地も通過。5月下旬から6月上旬にかけて、自然のままに咲くクリーム色の花を見ることができます。
3. 桃岩展望台コース
別名「礼文フラワーロード」とも呼ばれる桃岩歩道を歩く礼文花トレッキングの白眉ともいえるコース。桃岩展望台から元地灯台を経て、知床へと続くルートは、高山植物の宝庫。草原、湿地、岩場など変化に富んだ環境を持つため、6月から9月まで、礼文の代表的な花の数々を観察することができます。西海岸と利尻富士の絶景も見どころのひとつ。所要時間は、およそ2時間半です。
4. 礼文岳登山コース
内路登山口から山頂までは4.5km。登り約2時間、下り約1時間半で往復することができます。標高490mの山頂の眺望は、360度。晴れた日には、スコトン岬や利尻富士などが見渡せ、壮大なパノラマを楽しむことができる絶景コースです。
5. 礼文林道コース
林道香深井口から「礼文林道」を歩き、レブンウスユキソウ群生地を通り、香深入口までの約2時間のコースが一般的。このほか、この林道を起点にして、さまざまな高山植物を抱えた岩山を眺めながら宇遠内へ行く往復4kmの宇遠内コース、花の谷とも呼ばれる礼文滝へ行く往復3kmの礼文滝コースもあります。礼文滝コースは、川越えやロープを伝って降りる長い斜面もあるので、登山にむいたしっかりとした足元の装備が必要です。