都市景観大賞・都市空間部門、大賞の国土交通大臣賞を受賞した町並み 標高550mの山間にある赤い町並み吹屋(ふきや)地区。吉岡鉱山とベンガラの製造が盛んだった江戸末期から明治時代に形成された町並みです。 ベンガラ(弁柄)とは銅山から産出される硫化鉄鉱を原料とした赤色の着色材のことで、 吹屋のベンガラはかの伊万里焼などの陶器、輪島塗などの漆器の塗料として、 当時高級品として高値で流通しておりました。 また防虫防腐、防錆効果を持つ事から建築の材料にも使用されていたベンガラは、吹屋の町の建物にも使用され、 町全体がベンガラの赤一色に染まっています。 このベンガラで彩られた「吹屋地区」が平成24年度都市景観大賞の都市空間部門において、大賞の国土交通大臣賞を受賞しました。 |
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【広兼邸】(ひろかねてい) 広兼家は大野呂の庄屋で、2代目元治が享和、文化の頃小泉銅山とローハ(べんがらの原料)製造で巨大な冨を築きました。 主屋、桜門、城郭のような石垣は当時の富豪を偲ばせています。 映画「八墓村」のロケにも使われました。 |
【吹屋郵便局】 ベンガラ格子に赤銅色の石州瓦、妻入の切妻型、平入型式等が印象的な風情たたずむ商家、町屋が立ち並んでいます |
【笹畝坑道】 この坑道は江戸時代から大正時代まで採掘されたもので黄銅鉱、硫化鉄鋼を産出しました。神秘的な坑内は、一年中15度前後で冬は暖かく、夏は涼しい外気とは別世界があります。 |
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【旧片山家住宅】 1759年の創業以来、200年余にわたってベンガラの製造、販売をてがけた老舗です。平成17年より一般公開されております。翌年18年12月には国の重要文化財に指定されました。 |
【ベンガラ館】 江戸中期、全国ではじめて吹屋でベンガラが生産されて以来、江戸末期、明治、大正と時代の変化はありつつも、大いに繁昌を続け、この吹屋町並みの基礎をつくりました。 ベンガラ館はベンガラの製造工場を当時の姿に復元されたもので、製造工程などを知ることができます。まさに時代の流れを感じる建物です。 |
【郷土館】 町並みの中心部に位置した郷土館は、明治12年に完成された吹屋商人の家です。 妻入りの入母屋型で塗込造りとベンガラ格子の建ち並ぶ中でも代表的な建物の一つで、石州の宮大工の手により建てられ、屋根は石州本焼で葺かれ、ケヤキ、サクラなど最上級の用材がふんだんに使われ、その建築のきめ細やかさはまさに現代に残る芸術作品。一見の価値ありです! |