豊かな自然と圧倒的非日常の宿「星のや軽井沢」で体験する真の癒し(後編)滞在しながら参加する『エコツーリズム』

サステナブルな取り組みを行っている観光地・ホテルに訪れ、楽しみながら地球環境や地域社会に配慮する。そんないつもと違う「サステナブルな旅」を楽しんでみませんか? 環境保全活動を積極的に行う施設への宿泊や地産地消レストランでの食事など、小さな行動の積み重ねでSDGs達成に向けた貢献ができます。

 

避暑地軽井沢の豊かな自然と、圧倒的な非日常を感じながら上質でサステナブルな旅ができる宿「星のや軽井沢」。宿泊記の後編は、心地よい朝の過ごし方と、星のや軽井沢ならではの「エコツーリズム」をご紹介します。

 

 

 

「のびのび深呼吸」で、軽井沢の朝の新鮮な空気を吸い込む

「のびのび深呼吸」で、軽井沢の朝の新鮮な空気を吸い込む

2日目。温泉とトリートメントで深くリラックスし、いつもよりスッキリと目覚めることができました。無料アクティビティ「のびのび深呼吸」でストレッチをしながら新鮮な朝の空気を身体に取り込みます。集落内にある茶屋と呼ばれる日本家屋で、爽やかな風を感じながら緑を望むストレッチはとても気持ちがよく、いつもより軽やかな身体に喜びを感じました。

 

サステナブルな野菜出汁を堪能。「山の朝食」

星のや軽井沢

集いの館に移動し、「日本料理 嘉助」で身体の内側から調和をとる「山の朝食」をいただきます。夏のメニューとして最初に登場したのは「やたら豆富」。やたらとは野菜を切り刻んで合わせた長野の郷土料理で、この日はきゅうり、みょうが、だいこんの味噌漬けを混ぜ合わせていました。シャキシャキ野菜となめらかな豆腐は、山の恵みに感謝したくなるようなおいしさです。

 

続いて木箱に納められた山川の幸を使ったおかずと、ごはん&味噌汁がお目見えです。嘉助の朝食は「野菜出汁」を使っていることが特徴。「食材は丸ごと摂取することで身心の調和がとれる」という「一物全体食」の考えのもと、野菜の皮やヘタなど本来捨てるはずの部分も含めて野菜を丸ごと使って出汁をとっており、ここでも星のや軽井沢のサステナブルな精神を垣間見ることができました。特にじゅわっと出汁があふれる「だし巻き卵」で、複雑に構成された野菜の旨みを堪能できます。

 

 

星のや軽井沢に滞在しながら、エコツーリズムを体験する

星のや軽井沢

気持ちよく目覚め、おいしい朝食でお腹を満たしたら、「エコツーリズム」を体現する星のや軽井沢ならではのアクティビティ、ピッキオのネイチャーツアーに参加します。「エコツーリズム」とは、地域の自然をゲストに観光してもらいながら、自然資源損失を最小限にとどめ、サステナブルに観光活用をする仕組みです。

 

ピッキオは、100年先、200年先の未来に森の生態系を残し続けていくことをヴィジョンに、30年前から「野生動植物の保全」「観光業の成立」「地域振興」の融合を目指し活動しています。また、野生動植物の専門家としてさまざまな自然観察ツアーを開催すると共に、人とクマの共存を目指すツキノワグマの保護活動に取り組んでいます。

 

森の循環を学ぶ。「野鳥の森ネイチャーウォッチング」

野鳥の森ネイチャーウォッチング

通年で毎日開催しているネイチャーツアーが「野鳥の森ネイチャーウォッチング」。国設の「軽井沢野鳥の森」をピッキオのスタッフと一緒に歩き、日々表情が変わる植物、虫、動物など、森の生き物たちの不思議に迫るツアーです。所要時間は約2時間、料金は大人2,500円、4歳〜小学生 1,200円。この日はスタッフの柳原 千穂さんがガイドをしてくれました。

 

星のや軽井沢

立秋を迎え、森に秋の気配が漂い始めた頃。森に咲く草花と森に住む虫たちの関係性から自然の循環を学び、森の中の獣道に残る痕跡から、ニホンカモシカやニホンザル、ツキノワグマなどの動物たちの息づかいを感じます。また、軽井沢野鳥の森は年間で約80種類の野鳥を観察できるバードウォッチングの名所。

 

野鳥の森ネイチャーウォッチング

素早い動きで飛び立ってしまうため、じっくりと観察するのは至難の業ですが、双眼鏡を使ってその姿を一瞬キャッチ!双眼鏡レンタルは1台300円、使い慣れたものがあれば持参するのがおすすめです。

 

星のや軽井沢 空飛ぶムササビウォッチング

ネイチャーツアーは季節によってさまざまな体験を楽しめ、例年3月〜11月まで開催している「空飛ぶムササビウォッチング」は野生のムササビに会えるツアーです。高い確率でムササビを見られることが特徴で、2021年は目撃率96.1%!ほかにも車に乗って野生動物を探す「ワイルドサファリツアー」など、軽井沢の自然を知り尽くしたスタッフが詳しい説明と共に森を案内してくれます。

 

自然と向き合う。「クマと人との共存に向けた取り組みを学ぶスタディツアー」

クマと人との共存に向けた取り組みを学ぶスタディツアー

サステナブルな旅として星のや軽井沢に宿泊した際、ぜひもう一つ参加したいのは、ピッキオの「クマと人との共存に向けた取り組みを学ぶスタディツアー」です。このツアーは、ピッキオで2022年10月1日から新しくスタートしたネイチャーツアー。1998年より20年以上、ツキノワグマとの共存を目指してきたピッキオの専門家が実践している対策を深く学べます。

 

期間は2023年3月31日までの予定、対象は中学生以上の大人で1日1組限定。料金は人数によって異なり、例えば4名参加の場合は総額48,000円(1人あたり12,000円)です。

 

星のや軽井沢

ツキノワグマは本州に広く分布し、中でも長野県は97%の地域でクマの生息情報が確認されています。「自然と共生する町」を目指す軽井沢町が選んだ方法はクマを駆除するのではなく、共存。あまり知られていませんが、クマは「豊かな森の守り神」。木の実を中心に大量に食事をし、消化されなかった種子は土に還ります。行動範囲が大きいので、広く種子散布を行なってくれるという、植物にとってありがたい存在なのです。

 

そしてスズメバチを巣ごと食べるため、人間にとっても知らないところで役立ってくれています。そのため、クマを傷つけず、そして人の安全を守る。この両立を大切にするため、軽井沢町からピッキオが専門家として委託を受けて保護管理を実践しています。

 

星のや軽井沢

ピッキオのツキノワグマの保護管理活動のユニークなところは、クマの匂いを察知する特殊な訓練を受けた「ベアドッグ」と共に活動していること。ベアドッグは、クマに遭遇した際には大きな声で吠えたてることで、クマを森の奥へ追い払うことができます。

「クマと人との共存に向けた取り組みを学ぶスタディツアー」では、こうしたベアドッグと共に人里に近づいたクマの追い払いや、罠で捕獲したツキノワグマに取り付けた電波発信機による行動把握、そして、クマが人間の出したごみに餌付かないようにするためのごみ箱の普及などの活動を学ぶことができます。

 

クマと人との共存に向けた取り組みを学ぶスタディツアー

ツアーの最後に登場したのは人とクマの親善大使である、ベアドッグの「タマ」。ベアドッグはクマの匂いや気配を察知できるよう特別な訓練を受けており、本能的にクマとの適切な距離を保つことができる大型犬です。決してクマに危害は加えず、人にも優しいのですが、タマが吠える声は迫力満点!クマを木の上まで追い詰めるほどの勇ましさです。現在ピッキオではベアドッグがタマを含め4匹が活躍しています。

 

星のや軽井沢 フロント

軽井沢の自然に癒されながら、サステナブルな旅ができる「星のや軽井沢」。泊まる際にサステナブルな視点を入れてみると、普通に泊まるだけではわからなかった魅力を知れて滞在をより楽しむことができます。次の旅行はサステナビリティの視点で旅先や宿を選び、一歩踏み込んだ経験をしてみてはいかがでしょうか。

 

星のや軽井沢

住所
長野県北佐久郡軽井沢町星野
アクセス
JR軽井沢駅より車で約15分(送迎バスあり 無料)、碓氷軽井沢ICより車で約25分
客室数
77室
チェックイン
15:00
チェックアウト
12:00

 

撮影/島田香 取材・文/小浜みゆ


※この記事は楽天トラベルガイドによって取材・作成されたものです。

2022/10/18