一際大きな「火袋(ひぶくろ)=吹き抜け」を見ながら階段を上がり、妖艶な光を放つステンドグラスの扉を開くと寝室があります。当町家の名称の「鳩」をモチーフにオリジナルで作成されたステンドグラスがはめ込まれた窓。ベッドに横たわると天井には創建当時から建物を支えてきた梁が目に入ります。 | ||
伝統的な京町家の意匠を数多く継承する「有済はとば庵」。 1階には京独特の街並みを創りだす「出格子(でごうし)」。隣接した路地と連続して風景を描く2階の「虫籠窓(むしこまど)」。あまり主張することのない瓦も、狂いなく下端を揃える「一文字瓦(いちもんじがわら)」であり、日本の伝統工法が、このような細かい部分にも採用されています。 減少しつつある貴重な京町家の姿を、ご自身で体感することができます。 | ヒノキ貼りの浴室に入ると、いい香りに包まれます。坪庭側には大き目の窓を設け、四季によって変わる景色を特等席でゆっくりと眺めて頂けるようにしました。洗面には壁一面にワイドミラーを設け、複数人でも同時にご利用頂けるような配慮をしております。 | |
漆黒に光るたたきの玄関。極力間仕切りを撤去することで、限られた空間に広がりを持たせ、開放感を演出しております。和室から連続させた板間の空間の床材は、陰影を楽しめる「なぐり加工」の無垢材フローリングです。 | ||
台所上部に再現した「火袋(ひぶくろ)=吹き抜け」は、料理で出た煙を逃がしたり、火災の延焼を和らげる働きをしたと言われます。圧巻の大きさを誇る「火袋」には、壁・天井に大きな窓を設けることで、自然光が町家の内部に差し込み、とても気持ちの良い空間がつくられます。IHコンロとシンクが埋め込まれたのは「古箪笥」。職人の粋な遊び心も見てお楽しみ頂きながら、京町家の伝統を感じて下さい。 | ||
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